さくらの三つ子の姉です。髪の色以外は撫子さんに生き写しです。
第百十七話 一番最後のクロウカード
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「誰……?」
さくらが不安そうに訊く。
「ユエ」
ケルベロスが答える。
「ユエ……」
さくらは何かを思いだした顔をした。
「この人がユエ……。え、じゃ、雪兎さんどこ行っちゃったの!?」
さくらがあたりを見回す。
「月城君、彼がユエだったのよ……」
「え!?」
「そんな……」
さくらは驚き、すみれはうなだれた。
(さくら、戦えるのかしら……)
そこが不安になった。
「久しぶりだな。ケルベロス」
ユエが挨拶する。
「油断しとったわ。クロウカードの守護者は必ずクロウカードの主のそばにいる。お前ずっとさくらのそばにおったもんな。桃矢兄ちゃんの友達として」
ケルベロスが言った。
「元の姿に戻るまで魔力の気配消しとったな。さくらや小僧がカードを取り戻すたび、わいは魔力をちょっとずつ取り戻しとった。月の気配ももちろん感知できるようになっておった。けど……。この姉ちゃんの月の気配があんまり強うて惑わされてしもうたらしい。なんぼ気配を消しとったというてもこんな近くにいて分からんなんてな」
ケルベロスは少し悔しそうだ。
「確かにこのお姉ちゃんの魔力に惑わされたのもあると思うわ。ケルベロス。だけどすぐ近くにあいつがいたっていうのも分からなかった原因の一つだと思うのよ。ねえ、ルナ」
アップルティーアが聖奈が寝ているところに話しかける。
その言葉を待っていたかのように聖奈が光に包まれ、雪兎と同じように羽に身体が包まれる。
羽が身体から取り除かれたと思ったら銀色の髪に薄紫の瞳の女性が姿を現す。
「ああ。そうだな。だが最終版になると違和感を覚えて、ユエが誰かは薄々察することができた」
ルナは口を開いた。
「ルナさん!」
すみれは駆け寄った。
「やっぱりお前がルナか……。同じ月の力を持つだけあって薄々気づいていたというわけやな……」
ケルベロスが呟く。
「話を戻そうか。クロウ・リードがわいと対で作ったもう一人のクロウカードの守護者、ユエ。中国語で月のことや。姉ちゃんが知っとるな?」
「弓道大会の時も訊かれたわね。ええ、知ってます」
先生は頷いた。
「やっぱり……」
すみれは知っているという観月先生の言葉をすんなりと受け止めた。
「ちょっと待って! 全然わかんないよ。どういうこと!?」
さくらはすんなりと受け止められなかったようだ。
混乱している。
「ケルベロスと同じだ」
ユエがさくらのまえにやってきて言った。
「魔力が足りない状態では元の姿に戻れない」
「では月城さんは……」
「もう一人の守護者の仮の姿……。ルナに関しても同じということか?」
「そうだよ。小狼」
小龍が頷く。
「この姿で会うのは初めてだな。選定者・ケルベロスが選んだクロウカードの主候補」
さくらの顎に手をやりユエが言った。
「雪兎さん……」
さくらが呟く。
「しかしカードを持つものはもう一人いるようだ」
小狼にユエが視線をやる。
小狼が顔を険しくする。
「一人でクロウカードを集められなかったものに最後の審判は無意味だ」
ユエが厳しく言った。
「いいや。わいはさくらやったらお前をなんとかできるって信じとる」
ケルベロスの言葉はさくらへの信頼に満ち溢れていた。
「相変わらず甘いな」
ユエはじろりとケルベロスを見た。
「おまえも相変わらず性格悪そうやな」
ケルベロスが呟く。
「変わっていないのはお互い様じゃない?」
「ユエがクロウのことを好きだったのは分かっていたことじゃないか」
アップルティーアとルナが口をはさむ。
「お前たちも変わってないな。それにしても……ルナが新しいリディアカードの主を認めるとは思わなかった」
ユエはすみれを瞳に映した。
「まあいろいろあってな……。だが悪い主じゃない」
ルナは肩をすくめた。
リディアが用意していたプレゼントを使われて逆転されたのは苦い思い出だ。だがあれでよかったのだと今では思える。
リディアのことも大事だが今の主も大事で好きだと言えるからだ。
「……魔力に満ちているが……。少しは変わったようだな、ルナ」
「お前もいずれああなるさ」
ルナは言った。
「そうはならない。さて」
ユエが今度はさくらを瞳に映す。
「最後の審判を始めようか」
ユエはそう言って上空に浮かぶ。
月と東京タワーが彼の背後に見える。
「どうなっているの!? カード全部集まったよね!? カード集まったら災いは起きないんじゃなかったの!? 最後の審判って何!?」
さくらはまだまだ混乱中だ。
無理もない。当時のすみれだって混乱したのだから。
「それは……」
ケルベロスが視線を逸らす。
すみれも視線を逸らす。
すべてを知っていて黙っていたのでなんていえばいいのか分からなかったからだ。
「まず……」
ユエが小狼を空中に浮かせる。
さくらの混乱した声が聞こえる。
「始まった……」
「ああ……。頑張れ……」
小狼が小狼を見送った。
さくらが不安そうに訊く。
「ユエ」
ケルベロスが答える。
「ユエ……」
さくらは何かを思いだした顔をした。
「この人がユエ……。え、じゃ、雪兎さんどこ行っちゃったの!?」
さくらがあたりを見回す。
「月城君、彼がユエだったのよ……」
「え!?」
「そんな……」
さくらは驚き、すみれはうなだれた。
(さくら、戦えるのかしら……)
そこが不安になった。
「久しぶりだな。ケルベロス」
ユエが挨拶する。
「油断しとったわ。クロウカードの守護者は必ずクロウカードの主のそばにいる。お前ずっとさくらのそばにおったもんな。桃矢兄ちゃんの友達として」
ケルベロスが言った。
「元の姿に戻るまで魔力の気配消しとったな。さくらや小僧がカードを取り戻すたび、わいは魔力をちょっとずつ取り戻しとった。月の気配ももちろん感知できるようになっておった。けど……。この姉ちゃんの月の気配があんまり強うて惑わされてしもうたらしい。なんぼ気配を消しとったというてもこんな近くにいて分からんなんてな」
ケルベロスは少し悔しそうだ。
「確かにこのお姉ちゃんの魔力に惑わされたのもあると思うわ。ケルベロス。だけどすぐ近くにあいつがいたっていうのも分からなかった原因の一つだと思うのよ。ねえ、ルナ」
アップルティーアが聖奈が寝ているところに話しかける。
その言葉を待っていたかのように聖奈が光に包まれ、雪兎と同じように羽に身体が包まれる。
羽が身体から取り除かれたと思ったら銀色の髪に薄紫の瞳の女性が姿を現す。
「ああ。そうだな。だが最終版になると違和感を覚えて、ユエが誰かは薄々察することができた」
ルナは口を開いた。
「ルナさん!」
すみれは駆け寄った。
「やっぱりお前がルナか……。同じ月の力を持つだけあって薄々気づいていたというわけやな……」
ケルベロスが呟く。
「話を戻そうか。クロウ・リードがわいと対で作ったもう一人のクロウカードの守護者、ユエ。中国語で月のことや。姉ちゃんが知っとるな?」
「弓道大会の時も訊かれたわね。ええ、知ってます」
先生は頷いた。
「やっぱり……」
すみれは知っているという観月先生の言葉をすんなりと受け止めた。
「ちょっと待って! 全然わかんないよ。どういうこと!?」
さくらはすんなりと受け止められなかったようだ。
混乱している。
「ケルベロスと同じだ」
ユエがさくらのまえにやってきて言った。
「魔力が足りない状態では元の姿に戻れない」
「では月城さんは……」
「もう一人の守護者の仮の姿……。ルナに関しても同じということか?」
「そうだよ。小狼」
小龍が頷く。
「この姿で会うのは初めてだな。選定者・ケルベロスが選んだクロウカードの主候補」
さくらの顎に手をやりユエが言った。
「雪兎さん……」
さくらが呟く。
「しかしカードを持つものはもう一人いるようだ」
小狼にユエが視線をやる。
小狼が顔を険しくする。
「一人でクロウカードを集められなかったものに最後の審判は無意味だ」
ユエが厳しく言った。
「いいや。わいはさくらやったらお前をなんとかできるって信じとる」
ケルベロスの言葉はさくらへの信頼に満ち溢れていた。
「相変わらず甘いな」
ユエはじろりとケルベロスを見た。
「おまえも相変わらず性格悪そうやな」
ケルベロスが呟く。
「変わっていないのはお互い様じゃない?」
「ユエがクロウのことを好きだったのは分かっていたことじゃないか」
アップルティーアとルナが口をはさむ。
「お前たちも変わってないな。それにしても……ルナが新しいリディアカードの主を認めるとは思わなかった」
ユエはすみれを瞳に映した。
「まあいろいろあってな……。だが悪い主じゃない」
ルナは肩をすくめた。
リディアが用意していたプレゼントを使われて逆転されたのは苦い思い出だ。だがあれでよかったのだと今では思える。
リディアのことも大事だが今の主も大事で好きだと言えるからだ。
「……魔力に満ちているが……。少しは変わったようだな、ルナ」
「お前もいずれああなるさ」
ルナは言った。
「そうはならない。さて」
ユエが今度はさくらを瞳に映す。
「最後の審判を始めようか」
ユエはそう言って上空に浮かぶ。
月と東京タワーが彼の背後に見える。
「どうなっているの!? カード全部集まったよね!? カード集まったら災いは起きないんじゃなかったの!? 最後の審判って何!?」
さくらはまだまだ混乱中だ。
無理もない。当時のすみれだって混乱したのだから。
「それは……」
ケルベロスが視線を逸らす。
すみれも視線を逸らす。
すべてを知っていて黙っていたのでなんていえばいいのか分からなかったからだ。
「まず……」
ユエが小狼を空中に浮かせる。
さくらの混乱した声が聞こえる。
「始まった……」
「ああ……。頑張れ……」
小狼が小狼を見送った。
