さくらの三つ子の姉です。髪の色以外は撫子さんに生き写しです。
第七十五話 はじめてのデート
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「すみれ、ホットケーキ作るよ!」
「分かったわ。私はお姉ちゃんと聖奈さんの分を焼くから、さくらはお兄ちゃんと雪兎さんの分をお願い」
「分かった!」
さくらは憧れの人に自作のホットケーキを食べさせることができると張り切っている。
「さくらは雪兎さんのどんなところが好き?」
「雪兎さんは優しくて何でもできちゃうところが好き。それにはにゃ~んってなっちゃう」
「はにゃ~んねえ……」
「すみれは雪兎さんのこと……」
どこか緊張した面持ちでさくらが訊いてきた。
「雪兎さんはいい人だとは思うし、聖奈さんとどことなく似ているところもあるなあとは思うけど……。私には小龍がいるし……。特にないかな」
「そう……、よかった」
さくらはほっとしているようだった。
「さくら、頑張ってね。焼き終わったら雪兎さんのところに持っていったら?」
「う、うん……」
顔を赤くしながら頷く。
「いつか初デートできるといいんだけどねえ……」
「それは本当にそう思う。すみれは? 李小龍君とデートしたことないの?」
「……ないかもしれない。で、でも……。今度、一緒に水族館に行く約束したし……」
今度はすみれが顔を赤くした。
「すみれも頑張ってね」
「うん!」
すみれは頷いた。
(それにしても雪兎さんかあ……。あの人、なんか不思議なのよねえ……。聖奈さんと同じ感じがするし……。しかもあの気配はなんだか懐かしい……)
すみれは雪兎が普通とは違うのを感じ取っていた。しかもルナの仮の姿である聖奈と同じとまで感じ取っていたが、それはなぜなのかはこの時点では思い至っていなかった。
(ま、考えても仕方ないか。ホットケーキを焼こう)
すみれはホットケーキを焼き始めた。
聖奈と梅香のところにホットケーキを持っていくと二人とも喜んでくれた。
梅香の方は分かりにくいが、喜んでいるのは分かった。
バタン!
さくらの部屋から大きな音がしたので何かあったのではないかとすみれは慌ててさくらの部屋に向かった。
「何しているの……?」
そこにはケルベロスを抱きしめながら頬を染めて倒れているさくらの姿だった。異常がないことは嬉しそうなさくらの顔から分かる。
「雪兎から嬉しいことを言われてそうなっているのよ」
「なるほど……」
雪兎がらみか。さくらは彼がらみでよくこうなる。最初は慌てていたが、もう慣れた。
ケルベロスはさくらの腕の中から何とか抜け出そうとしていた。
「ペンギンがおぼれたままでええんか!?」
「それはやだ」
ペンギンのことを聞いてさくらはむくっと体を起こした。カードキャプターとしての使命を思い出したのだ。
「水の中で渦をまいていたんやな?」
「うん」
ケルベロスの言葉にさくらが頷く。
「それは『水(ウォーティー)』のカードの仕業や」
「『水(ウォーティー)』? 『水(ウォーター)』みたいなものね?」
「そうや。リディアカードにもクロウカードと同じものはいくつかあるさかいな」
ケルベロスがすみれの言葉に頷く。
「やっぱりクロウカードの仕業だったのね。じゃあ捕まえてしまえばいいんだ!」
さくらの顔が明るくなる。
「そう簡単には無理や。『水(ウォーティー)』は『風(ウインディ)』と同じく高位カードの一つ。しかも気性もむっちゃ荒い。今あるカードじゃ歯がたたんで」
ケルベロスが厳しい顔でさくらに言っているのがやけに耳に響いた。
「分かったわ。私はお姉ちゃんと聖奈さんの分を焼くから、さくらはお兄ちゃんと雪兎さんの分をお願い」
「分かった!」
さくらは憧れの人に自作のホットケーキを食べさせることができると張り切っている。
「さくらは雪兎さんのどんなところが好き?」
「雪兎さんは優しくて何でもできちゃうところが好き。それにはにゃ~んってなっちゃう」
「はにゃ~んねえ……」
「すみれは雪兎さんのこと……」
どこか緊張した面持ちでさくらが訊いてきた。
「雪兎さんはいい人だとは思うし、聖奈さんとどことなく似ているところもあるなあとは思うけど……。私には小龍がいるし……。特にないかな」
「そう……、よかった」
さくらはほっとしているようだった。
「さくら、頑張ってね。焼き終わったら雪兎さんのところに持っていったら?」
「う、うん……」
顔を赤くしながら頷く。
「いつか初デートできるといいんだけどねえ……」
「それは本当にそう思う。すみれは? 李小龍君とデートしたことないの?」
「……ないかもしれない。で、でも……。今度、一緒に水族館に行く約束したし……」
今度はすみれが顔を赤くした。
「すみれも頑張ってね」
「うん!」
すみれは頷いた。
(それにしても雪兎さんかあ……。あの人、なんか不思議なのよねえ……。聖奈さんと同じ感じがするし……。しかもあの気配はなんだか懐かしい……)
すみれは雪兎が普通とは違うのを感じ取っていた。しかもルナの仮の姿である聖奈と同じとまで感じ取っていたが、それはなぜなのかはこの時点では思い至っていなかった。
(ま、考えても仕方ないか。ホットケーキを焼こう)
すみれはホットケーキを焼き始めた。
聖奈と梅香のところにホットケーキを持っていくと二人とも喜んでくれた。
梅香の方は分かりにくいが、喜んでいるのは分かった。
バタン!
さくらの部屋から大きな音がしたので何かあったのではないかとすみれは慌ててさくらの部屋に向かった。
「何しているの……?」
そこにはケルベロスを抱きしめながら頬を染めて倒れているさくらの姿だった。異常がないことは嬉しそうなさくらの顔から分かる。
「雪兎から嬉しいことを言われてそうなっているのよ」
「なるほど……」
雪兎がらみか。さくらは彼がらみでよくこうなる。最初は慌てていたが、もう慣れた。
ケルベロスはさくらの腕の中から何とか抜け出そうとしていた。
「ペンギンがおぼれたままでええんか!?」
「それはやだ」
ペンギンのことを聞いてさくらはむくっと体を起こした。カードキャプターとしての使命を思い出したのだ。
「水の中で渦をまいていたんやな?」
「うん」
ケルベロスの言葉にさくらが頷く。
「それは『水(ウォーティー)』のカードの仕業や」
「『水(ウォーティー)』? 『水(ウォーター)』みたいなものね?」
「そうや。リディアカードにもクロウカードと同じものはいくつかあるさかいな」
ケルベロスがすみれの言葉に頷く。
「やっぱりクロウカードの仕業だったのね。じゃあ捕まえてしまえばいいんだ!」
さくらの顔が明るくなる。
「そう簡単には無理や。『水(ウォーティー)』は『風(ウインディ)』と同じく高位カードの一つ。しかも気性もむっちゃ荒い。今あるカードじゃ歯がたたんで」
ケルベロスが厳しい顔でさくらに言っているのがやけに耳に響いた。