さくらの三つ子の姉です。髪の色以外は撫子さんに生き写しです。
第百二話 怪我をしたカード
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あれから怜の調子は落ちていた。
怜自身もどこか元気なさそうだった。
「怜さん……」
さくらは悲しそうな顔で彼女を見る。
「大丈夫だよ。きっと立ち上がってくれる……」
すみれは慰める。
「どうしてわかるの?」
「同じだからかな……」
「同じ?」
さくらはきょとんとすみれを見た。
「似たような感じで立ち上がった人を知っているから」
「ほえ?」
さくらは不思議そうな顔をするが、また悲しそうな顔をして怜の練習風景を見ていた。
(大丈夫。瑠衣のお兄ちゃんのように立ち上がってくれる)
彼が『駆(ダッシュ)』を保護し、可愛がっていたことも。封印されたことで探し回っていることも覚えている。やがて彼は復活し、大会で優勝した。
そして今回の騒動でいまだにあの子のことを心の支えにしていると言う事をしった。
「よかったね。『駆(ダッシュ)』……」
すみれはさくらから離れ、人気のないところで『駆(ダッシュ)』を顕現させた。
「キュー」
実体化したチーターのような姿をした『駆(ダッシュ)』は鳴くと甘えたようにすみれによじ登った。
「ふふふ。だから大丈夫だよね」
すみれが訊くと『駆(ダッシュ)』は頬をなめて返事とした。
大会当日──。
怜の気分は落ち込んだままのようだった。
だが決勝に行くことができた。
「怜先輩、決勝進出だよ!」
「よかったね!」
瑠衣と真子がささやきあう。
(よかった……)
チアリーディング部として応援にきていたすみれはほっとした。
その怜はとぼとぼと道を歩いていた。
『次は女子百メートル走決勝です』
アナウンスが聞こえる。
さくらとすみれの心臓がどきどきした。
「大丈夫ですわ。怜さんあんなに練習なさっていたんですもの」
「これまでの成果が試されますわ」
知世と智世がさくらとすみれを落ち着かせる。
怜は先生に声をかけられた後、スタートラインに立った。
その時だった。
「あ!」
すみれは驚いた。
クロウカードの『駆(ダッシュ)』の姿がライン上に現れたのだ。
やがてピストルの音と共に百メートル走がスタートした。
「お疲れ様。小狼は優しいね」
ただ顕現させただけの小狼に小龍が声をかける。
「別に。あのままだと心が痛むから連れてきただけだ」
小狼はそっけない。
「そう言うのが優しいっていうんだよ」
小龍はほほ笑む。
「優しいのは小龍も同じだろ」
兄弟は言いあいながら競技場へと向かった。
競技場では百メートル走が続いていた。
怜は出遅れたが、次々とぬかしていき、優勝した。
「やったあ!」
すみれたちは喜んだ。
「すみれ」
「小龍。あれって連れてきただけよね。『駆(ダッシュ)』のカードを」
「やっぱりお見通しみたいだね。使っていない。連れてきただけだって」
「分かるよ。カードの魔力しなかったもの」
すみれはそう言った。
「これで心からおめでとうと言える。あなたの弟にありがとうと言っておいて」
「それは自分から言った方が良いと思うよ」
「そうかな。そうだと良いんだけど」
自分からのお礼でもいいのかなと思った。
「喜ぶと思う」
小龍がそう言うならそうしてみようと思った。
「怜さんおめでとう~!」
今は心からの賛辞を送っている妹を見ながらすみれはそう思った。
怜自身もどこか元気なさそうだった。
「怜さん……」
さくらは悲しそうな顔で彼女を見る。
「大丈夫だよ。きっと立ち上がってくれる……」
すみれは慰める。
「どうしてわかるの?」
「同じだからかな……」
「同じ?」
さくらはきょとんとすみれを見た。
「似たような感じで立ち上がった人を知っているから」
「ほえ?」
さくらは不思議そうな顔をするが、また悲しそうな顔をして怜の練習風景を見ていた。
(大丈夫。瑠衣のお兄ちゃんのように立ち上がってくれる)
彼が『駆(ダッシュ)』を保護し、可愛がっていたことも。封印されたことで探し回っていることも覚えている。やがて彼は復活し、大会で優勝した。
そして今回の騒動でいまだにあの子のことを心の支えにしていると言う事をしった。
「よかったね。『駆(ダッシュ)』……」
すみれはさくらから離れ、人気のないところで『駆(ダッシュ)』を顕現させた。
「キュー」
実体化したチーターのような姿をした『駆(ダッシュ)』は鳴くと甘えたようにすみれによじ登った。
「ふふふ。だから大丈夫だよね」
すみれが訊くと『駆(ダッシュ)』は頬をなめて返事とした。
大会当日──。
怜の気分は落ち込んだままのようだった。
だが決勝に行くことができた。
「怜先輩、決勝進出だよ!」
「よかったね!」
瑠衣と真子がささやきあう。
(よかった……)
チアリーディング部として応援にきていたすみれはほっとした。
その怜はとぼとぼと道を歩いていた。
『次は女子百メートル走決勝です』
アナウンスが聞こえる。
さくらとすみれの心臓がどきどきした。
「大丈夫ですわ。怜さんあんなに練習なさっていたんですもの」
「これまでの成果が試されますわ」
知世と智世がさくらとすみれを落ち着かせる。
怜は先生に声をかけられた後、スタートラインに立った。
その時だった。
「あ!」
すみれは驚いた。
クロウカードの『駆(ダッシュ)』の姿がライン上に現れたのだ。
やがてピストルの音と共に百メートル走がスタートした。
「お疲れ様。小狼は優しいね」
ただ顕現させただけの小狼に小龍が声をかける。
「別に。あのままだと心が痛むから連れてきただけだ」
小狼はそっけない。
「そう言うのが優しいっていうんだよ」
小龍はほほ笑む。
「優しいのは小龍も同じだろ」
兄弟は言いあいながら競技場へと向かった。
競技場では百メートル走が続いていた。
怜は出遅れたが、次々とぬかしていき、優勝した。
「やったあ!」
すみれたちは喜んだ。
「すみれ」
「小龍。あれって連れてきただけよね。『駆(ダッシュ)』のカードを」
「やっぱりお見通しみたいだね。使っていない。連れてきただけだって」
「分かるよ。カードの魔力しなかったもの」
すみれはそう言った。
「これで心からおめでとうと言える。あなたの弟にありがとうと言っておいて」
「それは自分から言った方が良いと思うよ」
「そうかな。そうだと良いんだけど」
自分からのお礼でもいいのかなと思った。
「喜ぶと思う」
小龍がそう言うならそうしてみようと思った。
「怜さんおめでとう~!」
今は心からの賛辞を送っている妹を見ながらすみれはそう思った。
