さくらの三つ子の姉です。髪の色以外は撫子さんに生き写しです。
第百二話 怪我をしたカード
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「まあ、さくらちゃんたちの作戦は失敗したんですの?」
「そうみたい。どうやら飼われているみたいで……」
すみれは智世と美空にさくらたちの計画とその結果を話していた。
上手くいかなかったのだ。
「飼われているか……。厄介ね……」
美空は厳しい顔をした。
「そうそう。一昨年みたいに力を使われてなきゃいいんだけどね……」
すみれはそれを懸念していた。
「ま。さくらたちは任せてって言ってきたんでしょう? どうしようもないとき以外は見守るのもす必要だよ」
「ええ。きっとさくらちゃんなら大丈夫ですわ」
美空と智世が励ましてくれる。
「そうだよね。大丈夫だよね……」
もう自分はすみれカードの主なのだ。クロウカードの捕獲者ではない。だから手を出しすぎるのもよくないと思って見守ることにした。
放課後──。
「それでね、お兄ちゃんったらひどいのよ。私はアニメを見たかったのにお兄ちゃんが途中でお笑い番組に変えちゃったの! ひどくない!?」
瑠衣が兄の愚痴をすみれに言った。
チアリーディング部が終わって瑠衣や沙希、真子、美空、智世たちと集まっていたのだ。
「あ~。うちもお兄ちゃんやお姉ちゃんが意地悪だわ~」
瑠衣の愚痴に共感する。
いつも意地悪をしてくるのでいつか踏んでやると思うこともしばしばだ。
「ね~。TV番組ぐらい譲ってくれてもいいじゃんね?」
「これは兄弟あるあるかもな~。うちも双子の妹たちが昨日、絵本の取り合いをしていたわ」
「あ~。お菓子の取り合いとかね……」
沙希が頷く。彼女も弟がいるのだ。
「そう言えば瑠衣ちゃんのお兄ちゃんは相変わらず友枝中学校で陸上部なの?」
「うん。そうだよ~。お兄ちゃん頑張っているみたい」
真子が話を切り替え、瑠衣の兄の部活の話になった。瑠衣の兄、正一 は今年から友枝中学校にめでたく進学していたのだ。
「そっか。足早かったものね~。うちの陸上部も大会か近いから張り切っているみたい」
美空の言葉にグラウンドを見ると陸上部が活動していた。
(あれ……?)
ふわふわとしたショートカットの女の子にすみれは注目する。彼女の身体が淡く光っていたからだ。
笛の音と共に走り始める。
最初は遅れていたが、スピードが速くなっていった。
「早い……!」
すみれが思わず呟いた。
走り終えたショートカットの女の子は陸上部のメンバーに早さを褒められて嬉しそうだった。
(今の……まさか……)
すみれは気づいた。クロウカードの『駆(ダッシュ)』が逃げ込んだのは彼女の家だと。
そのためには彼女が誰なのか知る必要があった。
「ねえ、瑠衣ちゃん。あのさっきの足が速かった人誰なの?」
「ああ。怜先輩だね。陸上部で優勝候補の一人だよ。ただ最近調子が落ちているって本人が言っていたけど戻ってきたみたいね」
瑠衣は嬉しそうだ。
兄が去年まで陸上部に所属していたため、その縁で顔見知りなのだろう。
「後で挨拶に行く?」
「うん。お願い」
瑠衣の言葉に頷く。
しばらくすると陸上部の活動が終わったようだった。
「怜先輩」
「あら。瑠衣ちゃん」
ショートカットの女の子、怜は瑠衣を見ると嬉しそうな顔をした。
「あ。お友達?」
「はい。すみれちゃんに沙希ちゃん、真子ちゃん、智世ちゃんに美空ちゃんです」
「立花怜です。よろしくね」
怜はにっこりと笑って挨拶をした。
すみれたちもそれぞれ自己紹介をした。
「あ、あの。さっきの走りすごかったです!」
「とっても早かったです!」
真子と沙希が興奮気味に声をかけてくる。
「素晴らしかったですわ」
「優勝間違いなしですね」
「ありがとう。これもピューイのおかげかな」
怜はそう言ってほほ笑んだ。
「ピューイ?」
今まで黙っていたすみれはその言葉に反応した。
「うん。最近不思議な生き物を拾ってね。怪我をしていたみたいだから手当てして家で保護しているの」
そんなことを話してくれる。
(やっぱりこの人が『駆(ダッシュ)』を保護している……。足が速いのもそのせいね……。嬉しそうな顔をしているけどこのままだと本人にもよくないよね……)
怜と会話する友人たちを横目にすみれはそんなことを考えていた。
「そうみたい。どうやら飼われているみたいで……」
すみれは智世と美空にさくらたちの計画とその結果を話していた。
上手くいかなかったのだ。
「飼われているか……。厄介ね……」
美空は厳しい顔をした。
「そうそう。一昨年みたいに力を使われてなきゃいいんだけどね……」
すみれはそれを懸念していた。
「ま。さくらたちは任せてって言ってきたんでしょう? どうしようもないとき以外は見守るのもす必要だよ」
「ええ。きっとさくらちゃんなら大丈夫ですわ」
美空と智世が励ましてくれる。
「そうだよね。大丈夫だよね……」
もう自分はすみれカードの主なのだ。クロウカードの捕獲者ではない。だから手を出しすぎるのもよくないと思って見守ることにした。
放課後──。
「それでね、お兄ちゃんったらひどいのよ。私はアニメを見たかったのにお兄ちゃんが途中でお笑い番組に変えちゃったの! ひどくない!?」
瑠衣が兄の愚痴をすみれに言った。
チアリーディング部が終わって瑠衣や沙希、真子、美空、智世たちと集まっていたのだ。
「あ~。うちもお兄ちゃんやお姉ちゃんが意地悪だわ~」
瑠衣の愚痴に共感する。
いつも意地悪をしてくるのでいつか踏んでやると思うこともしばしばだ。
「ね~。TV番組ぐらい譲ってくれてもいいじゃんね?」
「これは兄弟あるあるかもな~。うちも双子の妹たちが昨日、絵本の取り合いをしていたわ」
「あ~。お菓子の取り合いとかね……」
沙希が頷く。彼女も弟がいるのだ。
「そう言えば瑠衣ちゃんのお兄ちゃんは相変わらず友枝中学校で陸上部なの?」
「うん。そうだよ~。お兄ちゃん頑張っているみたい」
真子が話を切り替え、瑠衣の兄の部活の話になった。瑠衣の兄、
「そっか。足早かったものね~。うちの陸上部も大会か近いから張り切っているみたい」
美空の言葉にグラウンドを見ると陸上部が活動していた。
(あれ……?)
ふわふわとしたショートカットの女の子にすみれは注目する。彼女の身体が淡く光っていたからだ。
笛の音と共に走り始める。
最初は遅れていたが、スピードが速くなっていった。
「早い……!」
すみれが思わず呟いた。
走り終えたショートカットの女の子は陸上部のメンバーに早さを褒められて嬉しそうだった。
(今の……まさか……)
すみれは気づいた。クロウカードの『駆(ダッシュ)』が逃げ込んだのは彼女の家だと。
そのためには彼女が誰なのか知る必要があった。
「ねえ、瑠衣ちゃん。あのさっきの足が速かった人誰なの?」
「ああ。怜先輩だね。陸上部で優勝候補の一人だよ。ただ最近調子が落ちているって本人が言っていたけど戻ってきたみたいね」
瑠衣は嬉しそうだ。
兄が去年まで陸上部に所属していたため、その縁で顔見知りなのだろう。
「後で挨拶に行く?」
「うん。お願い」
瑠衣の言葉に頷く。
しばらくすると陸上部の活動が終わったようだった。
「怜先輩」
「あら。瑠衣ちゃん」
ショートカットの女の子、怜は瑠衣を見ると嬉しそうな顔をした。
「あ。お友達?」
「はい。すみれちゃんに沙希ちゃん、真子ちゃん、智世ちゃんに美空ちゃんです」
「立花怜です。よろしくね」
怜はにっこりと笑って挨拶をした。
すみれたちもそれぞれ自己紹介をした。
「あ、あの。さっきの走りすごかったです!」
「とっても早かったです!」
真子と沙希が興奮気味に声をかけてくる。
「素晴らしかったですわ」
「優勝間違いなしですね」
「ありがとう。これもピューイのおかげかな」
怜はそう言ってほほ笑んだ。
「ピューイ?」
今まで黙っていたすみれはその言葉に反応した。
「うん。最近不思議な生き物を拾ってね。怪我をしていたみたいだから手当てして家で保護しているの」
そんなことを話してくれる。
(やっぱりこの人が『駆(ダッシュ)』を保護している……。足が速いのもそのせいね……。嬉しそうな顔をしているけどこのままだと本人にもよくないよね……)
怜と会話する友人たちを横目にすみれはそんなことを考えていた。
