さくらの三つ子の姉です。髪の色以外は撫子さんに生き写しです。
第八十三話 智世の家へようこそ!
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知世が鍵を差し込むと開いた。
「開いた!」
「ありがとうございます!」
知世がお礼を言う。
「よかったですわ!」
智世も嬉しそうだ。
「ま、わいがついとったさかい。当然やな」
「なんであんたが偉そうなのよ」
アップルティーアが突っ込む。
「ねえ、中見てもいい?」
「私もみたい。いいの?」
「ええ」
「もちろんですわ」
二人は頷くと箱を開けた。
そこには桜のブーケがあった。
「わあ……」
「きれい……」
声を上げるさくらとすみれ。
「これは撫子さんの……」
美空は何かピンと来たのか頷く。
そこへドアがノックされる音がした。
慌ててまた隠れるアップルティーアとケルベロス。
「どうぞ」
「さっきはごめんなさい」
謝りながら入ってくる園美。彼女は箱が空いているのを見つけた。
「開いたのね!」
「ええ」
頷く知世。
「でもどうやって?」
園美は不思議そうだ。
(え、どうやって説明しよう……)
すみれは焦った。上手い言い訳が思いつかない。
「鍵穴にスプリングがはさまっていたのですわ」
智世が説明する。
「それで鍵が飛んじゃったのね……!」
納得する園美。
(よかった……!)
すみれとさくらはほっとした。うまい具合に誤魔化せた。
園美はその様子を見てほほ笑むとブーケを取り出した。
「きれいなブーケですね」
「これさくらですよね」
「園美さん、これは撫子さんの……」
美空が訊いた。
「ええ。美空ちゃんの言う通り、これはあなたたちのお母さん、撫子の結婚式の時のブーケよ」
「え?」
「お母さんの?」
きょとんとするさくらとすみれ。
「撫子、さくらの花が大好きだったから……。もし女の子が産まれたらさくらって名前にするって小さいころから言っていたわ」
「さくら……」
さくらが呟く。
「さくらの花……」
すみれも呟く。
それをみてにっこり微笑む園美。
「貴方がそのさくらちゃん」
そう言って目線を合わせる。
(よかったね。さくら……)
母の愛が込められた名前だとすみれは思った。
「そうだ。今日の夕飯は私が作るわ! 好きなものがあったらリクエストしてね」
園美はそう言って立ち上がる。
「さあ、ダイニングはこっちよ~!」
そう言ってさくらとすみれを連れて行ってしまう。
「あ、待ってください!」
美空が慌てて追いかける。
「今日は隠れてばっかりや~!」
「本当よね! ちょっと疲れたかも……」
ぐったりと姿を現すケルベロスとアップルティーア。
「うふふ」
「アップルったら」
ほほ笑む智世と知世
やがて知世と智世は小さな袋を取り出す。
「それが知世の大事なもんか?」
「それが智世の?」
「「ええ」」
二人は頷く。
「中身なんや?」
「消しゴムですわ」
知世が答える。
「ブレスレットですわ」
智世が答えた。
「消しゴムにブレスレット? なんでそんなもんが大事なんや?」
一般的には当たり前のものだが、二人にとって大事なものだった。
知世にとってはさくらに始めてもらった消しゴムで智世にとっては……。
『お誕生日おめでとう! 智世ちゃん! ちょっとしたものだけどこれ……』
ちょっと照れながらビーズで作ったブレスレットを渡してくるすみれ
『まあ、ありがとうございます』
『不格好で失敗しちゃったけど……』
すみれは照れながら言った。
『いいえ。一生大事にしますわ!』
確かにきれいじゃないかもしれないが、一生懸命さが伝わってきたから智世はうれしかった。
今までもらってきたものの中で一番うれしかった。
「これはすみれちゃんにもらった初めての誕生日プレゼントですもの……」
智世はぽつりと呟いた。
「何か言った?」
「いいえ。知世、仕舞いましょう」
「ええ」
知世は頷くと袋を仕舞っていって箱に鍵をかけた。
「知世─! 智世─!」
「は~い!」
「今行きますわ。おいしいもの作ってくるのでお留守番お願いしますね」
「おう!」
「ええ!」
智世の言葉にケルベロスとアップルティーアが頷く。
「それじゃあおねがいしますわ」
知世と智世は部屋から出ていった。
後には大事なものを仕舞っている箱が残された。そこにブーケから零れ落ちたの花びらがひらりと舞い落ちたのだった。
「開いた!」
「ありがとうございます!」
知世がお礼を言う。
「よかったですわ!」
智世も嬉しそうだ。
「ま、わいがついとったさかい。当然やな」
「なんであんたが偉そうなのよ」
アップルティーアが突っ込む。
「ねえ、中見てもいい?」
「私もみたい。いいの?」
「ええ」
「もちろんですわ」
二人は頷くと箱を開けた。
そこには桜のブーケがあった。
「わあ……」
「きれい……」
声を上げるさくらとすみれ。
「これは撫子さんの……」
美空は何かピンと来たのか頷く。
そこへドアがノックされる音がした。
慌ててまた隠れるアップルティーアとケルベロス。
「どうぞ」
「さっきはごめんなさい」
謝りながら入ってくる園美。彼女は箱が空いているのを見つけた。
「開いたのね!」
「ええ」
頷く知世。
「でもどうやって?」
園美は不思議そうだ。
(え、どうやって説明しよう……)
すみれは焦った。上手い言い訳が思いつかない。
「鍵穴にスプリングがはさまっていたのですわ」
智世が説明する。
「それで鍵が飛んじゃったのね……!」
納得する園美。
(よかった……!)
すみれとさくらはほっとした。うまい具合に誤魔化せた。
園美はその様子を見てほほ笑むとブーケを取り出した。
「きれいなブーケですね」
「これさくらですよね」
「園美さん、これは撫子さんの……」
美空が訊いた。
「ええ。美空ちゃんの言う通り、これはあなたたちのお母さん、撫子の結婚式の時のブーケよ」
「え?」
「お母さんの?」
きょとんとするさくらとすみれ。
「撫子、さくらの花が大好きだったから……。もし女の子が産まれたらさくらって名前にするって小さいころから言っていたわ」
「さくら……」
さくらが呟く。
「さくらの花……」
すみれも呟く。
それをみてにっこり微笑む園美。
「貴方がそのさくらちゃん」
そう言って目線を合わせる。
(よかったね。さくら……)
母の愛が込められた名前だとすみれは思った。
「そうだ。今日の夕飯は私が作るわ! 好きなものがあったらリクエストしてね」
園美はそう言って立ち上がる。
「さあ、ダイニングはこっちよ~!」
そう言ってさくらとすみれを連れて行ってしまう。
「あ、待ってください!」
美空が慌てて追いかける。
「今日は隠れてばっかりや~!」
「本当よね! ちょっと疲れたかも……」
ぐったりと姿を現すケルベロスとアップルティーア。
「うふふ」
「アップルったら」
ほほ笑む智世と知世
やがて知世と智世は小さな袋を取り出す。
「それが知世の大事なもんか?」
「それが智世の?」
「「ええ」」
二人は頷く。
「中身なんや?」
「消しゴムですわ」
知世が答える。
「ブレスレットですわ」
智世が答えた。
「消しゴムにブレスレット? なんでそんなもんが大事なんや?」
一般的には当たり前のものだが、二人にとって大事なものだった。
知世にとってはさくらに始めてもらった消しゴムで智世にとっては……。
『お誕生日おめでとう! 智世ちゃん! ちょっとしたものだけどこれ……』
ちょっと照れながらビーズで作ったブレスレットを渡してくるすみれ
『まあ、ありがとうございます』
『不格好で失敗しちゃったけど……』
すみれは照れながら言った。
『いいえ。一生大事にしますわ!』
確かにきれいじゃないかもしれないが、一生懸命さが伝わってきたから智世はうれしかった。
今までもらってきたものの中で一番うれしかった。
「これはすみれちゃんにもらった初めての誕生日プレゼントですもの……」
智世はぽつりと呟いた。
「何か言った?」
「いいえ。知世、仕舞いましょう」
「ええ」
知世は頷くと袋を仕舞っていって箱に鍵をかけた。
「知世─! 智世─!」
「は~い!」
「今行きますわ。おいしいもの作ってくるのでお留守番お願いしますね」
「おう!」
「ええ!」
智世の言葉にケルベロスとアップルティーアが頷く。
「それじゃあおねがいしますわ」
知世と智世は部屋から出ていった。
後には大事なものを仕舞っている箱が残された。そこにブーケから零れ落ちたの花びらがひらりと舞い落ちたのだった。