さくらの三つ子の姉です。髪の色以外は撫子さんに生き写しです。
第八十二話 花の運動会と思い出
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校庭を駆け出していくと埋まっている千鶴と真子を見つけた。
「大丈夫?」
すみれは二人に駆け寄ると引っ張った。あらかじめ『力(パワー)』を使っていたので引っ張るのもお手の物だ。
「あ、ありがとう。すみれちゃん」
「早く高いところに逃げた方が良いよ。また埋まっちゃう」
すみれはそう忠告した。
「すみれちゃんたちはどうするの?」
千鶴が訊いた。
「私たちはまだ大丈夫。それよりお姉ちゃんたちを探さないと……」
姉は大丈夫かちょっと不安だった。
「そっか……。見つかるといいね」
真子は頷くと高いところに千鶴と逃げていった。
「さて、お姉ちゃんは……」
すみれはあたりを見回した。
「運べ。大事なものの声……」
美空がそっと呟くと様々な声が聞こえる。
まず聞こえたのは自分の家族の声。
「すごい花ね……。美空は大丈夫かしら?」
「あの子は大丈夫だよ。『力』もあるんだし……。君は無理をしないで……」
窓の外をみて娘の無事を心配する香恋とそれをなだめる葉の声。どうやらすぐに室内に避難したらしい。そのことは良かったと美空はほっとした。幼い弟妹が心配だったのだ。
「大丈夫? 早く高いところに」
「私たちと一緒に行こう」
瑠衣と沙希を助ける聖奈と梅香の声。
「早く高いところに」
「僕たちが持っているからね」
千春と利佳の代わりにゴールテープを持つ桃矢と雪兎の声。
「全員無事みたい……」
美空が呟く。
「『神力』か……。こういう時は便利だな……」
小龍が呟く。
「うん。よかった。全員無事で……。助かったよ……」
すみれはほっとした。
「ところで小狼は? 無事なんだろうが、クロウカードの捕獲に向かっているのか?」
部屋の中にいる小狼は無事だろうと思っていたので今になって訊いた。紅花はなんだかんだで魔力を持っているし、異常事態に強いので訊かないでおいた。
「李小狼は山崎君に捕まっている。保険委員だからさぼるなってことだろうね」
「何やっているんだあいつは……」
優しいから振りほどけないのだろうし、誤魔化して向かう方法も考えつかないのだろうと苦笑した。
「紅花さんは部屋の中にいて騒ぎを見ている。しかもこっちに気づいていそうだよ。ちょっと手を振っている」
「叔母上……」
訊いていない叔母の安否も分かったので小龍はちょっとほっとした。
「う~ん。花がすごいな……。このままだと窒息しそう……」
すみれは困ったように上を見た。
「ところで『消(イレイズ)』や『清(クリーン)』で花を消すのは反則だよね?」
あまりにもみんなが困っているので思わずすみれは言ってしまった。
「駄目に決まっているでしょ」
「みんなパニックになるからダメだ」
すかさず美空と小龍が否定する。
「うん……。わかっている……」
いきなり花が消えたらパニックになる事は分かっていたが、困っていたので言っただけだ。
やがて花が消えた。
その意味をすみれたちはさとった。
「さくらたちがやったのね……!」
「よかった……!」
「やりましたわね……!」
「ああ……」
四人はほっとした。『花(フラワー)』が封印されたのだ。
ただしばらく花は見たくないと思う出来事だった。
そこから数メートル離れたところで藤隆がゴールした。
一位の旗を桃矢と雪兎から渡される。
その様子を次点でゴールした園美が息を吐き出しながら恨めし気ににらんだ。
「大丈夫?」
すみれは二人に駆け寄ると引っ張った。あらかじめ『力(パワー)』を使っていたので引っ張るのもお手の物だ。
「あ、ありがとう。すみれちゃん」
「早く高いところに逃げた方が良いよ。また埋まっちゃう」
すみれはそう忠告した。
「すみれちゃんたちはどうするの?」
千鶴が訊いた。
「私たちはまだ大丈夫。それよりお姉ちゃんたちを探さないと……」
姉は大丈夫かちょっと不安だった。
「そっか……。見つかるといいね」
真子は頷くと高いところに千鶴と逃げていった。
「さて、お姉ちゃんは……」
すみれはあたりを見回した。
「運べ。大事なものの声……」
美空がそっと呟くと様々な声が聞こえる。
まず聞こえたのは自分の家族の声。
「すごい花ね……。美空は大丈夫かしら?」
「あの子は大丈夫だよ。『力』もあるんだし……。君は無理をしないで……」
窓の外をみて娘の無事を心配する香恋とそれをなだめる葉の声。どうやらすぐに室内に避難したらしい。そのことは良かったと美空はほっとした。幼い弟妹が心配だったのだ。
「大丈夫? 早く高いところに」
「私たちと一緒に行こう」
瑠衣と沙希を助ける聖奈と梅香の声。
「早く高いところに」
「僕たちが持っているからね」
千春と利佳の代わりにゴールテープを持つ桃矢と雪兎の声。
「全員無事みたい……」
美空が呟く。
「『神力』か……。こういう時は便利だな……」
小龍が呟く。
「うん。よかった。全員無事で……。助かったよ……」
すみれはほっとした。
「ところで小狼は? 無事なんだろうが、クロウカードの捕獲に向かっているのか?」
部屋の中にいる小狼は無事だろうと思っていたので今になって訊いた。紅花はなんだかんだで魔力を持っているし、異常事態に強いので訊かないでおいた。
「李小狼は山崎君に捕まっている。保険委員だからさぼるなってことだろうね」
「何やっているんだあいつは……」
優しいから振りほどけないのだろうし、誤魔化して向かう方法も考えつかないのだろうと苦笑した。
「紅花さんは部屋の中にいて騒ぎを見ている。しかもこっちに気づいていそうだよ。ちょっと手を振っている」
「叔母上……」
訊いていない叔母の安否も分かったので小龍はちょっとほっとした。
「う~ん。花がすごいな……。このままだと窒息しそう……」
すみれは困ったように上を見た。
「ところで『消(イレイズ)』や『清(クリーン)』で花を消すのは反則だよね?」
あまりにもみんなが困っているので思わずすみれは言ってしまった。
「駄目に決まっているでしょ」
「みんなパニックになるからダメだ」
すかさず美空と小龍が否定する。
「うん……。わかっている……」
いきなり花が消えたらパニックになる事は分かっていたが、困っていたので言っただけだ。
やがて花が消えた。
その意味をすみれたちはさとった。
「さくらたちがやったのね……!」
「よかった……!」
「やりましたわね……!」
「ああ……」
四人はほっとした。『花(フラワー)』が封印されたのだ。
ただしばらく花は見たくないと思う出来事だった。
そこから数メートル離れたところで藤隆がゴールした。
一位の旗を桃矢と雪兎から渡される。
その様子を次点でゴールした園美が息を吐き出しながら恨めし気ににらんだ。