さくらの三つ子の姉です。髪の色以外は撫子さんに生き写しです。
第八十二話 花の運動会と思い出
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やがて100m走のアナウンスが流れる。
どうやら藤隆も園美に言われたようで出るらしい。
「勝負を挑んだのね。学生時代と一緒。そして結果も……」
香恋は苦笑した。
学生時代の経験からどうなるのか分かってしまったからだった。
「うちのお母さまが何で出ててらっしゃるんですの!?」
その一方で智世は園美が出ていることに目を丸くしていた。
「出るって言っていなかったってこと?」
「ええ」
智世は少し動揺していた。
「智世ちゃんのお母さんって足早いの?」
すみれが訊く。
そこが気になったのだ。
「たしか高校の時、国体の選手だったとか」
「国体!? 足早いんだね~」
すみれは感心した。
やがてピストルがなった。
一番にかけていくのはもちろん園美だ。
しかしそこを藤隆が抜いていく。
「おじさま、すごいですわ!」
「すごい……!」
「運動神経いいものね、藤隆さん」
三人は感心する。
そこから少し離れたところで聖奈と梅香が観戦していた。
「はやいね~!」
「うちで一番運動神経いいの父さんだから……」
梅香が言った。
「負けられない戦いってところかな」
先程園美と藤隆の関係を訊いた聖奈が訊いた。
「でしょうね。何度も勝負を挑んだらしいけど負けなかったらしいわ」
梅香は頷いた。
競争は園美が向きになってスピードを上げていたが、藤隆には負けている状態だった。
だが観戦しているほうはそれどころじゃない。多くの花びらが降ってきていたのだ。
「これってクロウカード?」
すみれは降ってきた花を見て言った。
「だろうな。花からして『花(フラワー)』だろう」
「『花(フラワー)』ってあの花を出す……」
すみれはポケットに入れていた自分のカードをそっと触る。そこにすみれカードの『花(フラワー)』もあったはずだ。
「で、どうするの? すみれは?」
「私が『花(フラワー)』のところに行っても何もできないよね……。じゃあここにいて危ない人がいないか確認するよ」
「木之本さくらさんの手伝いをしないの?」
小龍が訊く。
今までそうしてきたからだ。
「『花(フラワー)』は危険性がない方だし……。それにすぐにさくらが何とかしてくれるよ」
すみれはにっこりと笑った。
「妹を信じているんだね」
この間のアリアとの通信からすみれは妹を信じるようになったと小龍は感じた。それは良いことだと思う。
なら自分も弟を信じなければと思った。
「それにしても藤隆さんと園美さん、二人だけで走っているんだけど……」
美空が呆れる。
「お母さま、負けず嫌いですから」
智世はほほ笑んだ。
「あはははは」
すみれはこんな状況でも走っている二人にもはや笑うしかなかった。
走っている二人を見ていると魔力の気配がした。
「さくらね……」
さくらが『翔(フライ)』で飛び去って行くのが見えた。
「がんばって……」
すみれは呟いた。
「さて私もやることやらなきゃね」
すみれはそう言うと校庭を駆け出していった。
どうやら藤隆も園美に言われたようで出るらしい。
「勝負を挑んだのね。学生時代と一緒。そして結果も……」
香恋は苦笑した。
学生時代の経験からどうなるのか分かってしまったからだった。
「うちのお母さまが何で出ててらっしゃるんですの!?」
その一方で智世は園美が出ていることに目を丸くしていた。
「出るって言っていなかったってこと?」
「ええ」
智世は少し動揺していた。
「智世ちゃんのお母さんって足早いの?」
すみれが訊く。
そこが気になったのだ。
「たしか高校の時、国体の選手だったとか」
「国体!? 足早いんだね~」
すみれは感心した。
やがてピストルがなった。
一番にかけていくのはもちろん園美だ。
しかしそこを藤隆が抜いていく。
「おじさま、すごいですわ!」
「すごい……!」
「運動神経いいものね、藤隆さん」
三人は感心する。
そこから少し離れたところで聖奈と梅香が観戦していた。
「はやいね~!」
「うちで一番運動神経いいの父さんだから……」
梅香が言った。
「負けられない戦いってところかな」
先程園美と藤隆の関係を訊いた聖奈が訊いた。
「でしょうね。何度も勝負を挑んだらしいけど負けなかったらしいわ」
梅香は頷いた。
競争は園美が向きになってスピードを上げていたが、藤隆には負けている状態だった。
だが観戦しているほうはそれどころじゃない。多くの花びらが降ってきていたのだ。
「これってクロウカード?」
すみれは降ってきた花を見て言った。
「だろうな。花からして『花(フラワー)』だろう」
「『花(フラワー)』ってあの花を出す……」
すみれはポケットに入れていた自分のカードをそっと触る。そこにすみれカードの『花(フラワー)』もあったはずだ。
「で、どうするの? すみれは?」
「私が『花(フラワー)』のところに行っても何もできないよね……。じゃあここにいて危ない人がいないか確認するよ」
「木之本さくらさんの手伝いをしないの?」
小龍が訊く。
今までそうしてきたからだ。
「『花(フラワー)』は危険性がない方だし……。それにすぐにさくらが何とかしてくれるよ」
すみれはにっこりと笑った。
「妹を信じているんだね」
この間のアリアとの通信からすみれは妹を信じるようになったと小龍は感じた。それは良いことだと思う。
なら自分も弟を信じなければと思った。
「それにしても藤隆さんと園美さん、二人だけで走っているんだけど……」
美空が呆れる。
「お母さま、負けず嫌いですから」
智世はほほ笑んだ。
「あはははは」
すみれはこんな状況でも走っている二人にもはや笑うしかなかった。
走っている二人を見ていると魔力の気配がした。
「さくらね……」
さくらが『翔(フライ)』で飛び去って行くのが見えた。
「がんばって……」
すみれは呟いた。
「さて私もやることやらなきゃね」
すみれはそう言うと校庭を駆け出していった。