さくらの三つ子の姉です。髪の色以外は撫子さんに生き写しです。
第八十二話 花の運動会と思い出
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園美と藤隆は学校の裏にいた。
「苗字が違うから分からなかったよ。学生時代は雨宮園美さんだったから……」
藤隆が切り出す。
「さくら……。この名前で気づくべきだったわ。撫子が女の子が産まれたら絶対に付けるのって言っていた名前だもの」
園美は気づくべきだったと言わんばかりに行った。
「私はあなたを絶対に許さないわ!」
そう言って藤隆を睨みつける。
「確かに撫子さんはあの時高校生で、僕はまだ先生になったばかりだったけど……」
「そうよ! 新米教師の癖に教え子と結婚したのよ! それも私の大事な撫子と!」
園美は怒りに震えた。
「あの~」
なだめるように藤隆が声をかける。
「幼稚園の時からずっとずっと撫子を見守っていたのよ。あほな虫がつかないように…。それなのに……。こんなぼけた虫がつくなんて……」
園美は涙を浮かべる。
「27歳で撫子を死なせたくせに! なんでそんなへらへらしてるのよ!」
園美は詰った。
「泣かないって約束したからね。…撫子さんと…」
その言葉に園美ははっとしたが、気を取り直して藤隆を指さす。
「とにかく私はあなたを絶対に許しませんからね!」
そう宣言したのだった。
「ああ~。これは修羅場よね~。絶対にこうなるって思っていた……」
香恋は頭が痛いとばかりに額を抑えた。
「お母さん、智世ちゃんのお母さんのことも知っていたんだね」
「まあね。園美とは高校の同級生。すみれちゃんたちのお母さんといつも一緒だったから必然的に仲良くなってね……」
「なのにすみれのお父さんが誰なのか伝えなかったんだね」
仲が良かったのに伝えなかったのかと美空は訊いた。
「分かるでしょ。修羅場になるって。そう思うと言えなくてね……。はあ……。あとで園美に怒られるのは私だわ。なんで黙ってたんだって言われるにきまってる……」
香恋はため息をついた。
「た、大変なんですね……」
すみれはそう言うしかなかった。
「……うちの母とすみれちゃんのお父さん、美空ちゃんのお母さんとお知り合いだったんですのね……」
「今日初めて知ったけどね……」
すみれは苦笑いをした。
「それにしても狭い範囲に人間関係が集中しているね。それにしても大道寺さんの母上とすみれの父上って……。すみれの母上の方も知っているみたいだし……」
小龍が呟く。
「ただの関係じゃ無さそうよね」
紅花が頷く。
「ああ。園美と撫子は従姉妹同士なのよ。撫子は有名な雨宮財閥の一人娘」
「雨宮ってあの……」
実家の関係で財閥のことが頭に入っている小龍は思いいたったようだ。
「そう。あの雨宮財閥よ。撫子は16歳の時に新米教師だった藤隆さんと結婚したの。撫子の実家の方では反対されてね……。中でも一番反対したのが園美なのよ。まあ小さいころから可愛がっていたらしいから……」
そう言ってため息を香恋はついた。
「そっか~。いろいろあるのか。ってあれ? 従姉妹同士ってことはすみれと智世ちゃんってはとこにあたるんじゃないの?」
美空がふとすみれと智世の関係に気づく。
「嘘! 意外な関係ね」
紅花が目を丸くする。
「世間って狭いよな」
小龍のつぶやきに一同頷いた。
「苗字が違うから分からなかったよ。学生時代は雨宮園美さんだったから……」
藤隆が切り出す。
「さくら……。この名前で気づくべきだったわ。撫子が女の子が産まれたら絶対に付けるのって言っていた名前だもの」
園美は気づくべきだったと言わんばかりに行った。
「私はあなたを絶対に許さないわ!」
そう言って藤隆を睨みつける。
「確かに撫子さんはあの時高校生で、僕はまだ先生になったばかりだったけど……」
「そうよ! 新米教師の癖に教え子と結婚したのよ! それも私の大事な撫子と!」
園美は怒りに震えた。
「あの~」
なだめるように藤隆が声をかける。
「幼稚園の時からずっとずっと撫子を見守っていたのよ。あほな虫がつかないように…。それなのに……。こんなぼけた虫がつくなんて……」
園美は涙を浮かべる。
「27歳で撫子を死なせたくせに! なんでそんなへらへらしてるのよ!」
園美は詰った。
「泣かないって約束したからね。…撫子さんと…」
その言葉に園美ははっとしたが、気を取り直して藤隆を指さす。
「とにかく私はあなたを絶対に許しませんからね!」
そう宣言したのだった。
「ああ~。これは修羅場よね~。絶対にこうなるって思っていた……」
香恋は頭が痛いとばかりに額を抑えた。
「お母さん、智世ちゃんのお母さんのことも知っていたんだね」
「まあね。園美とは高校の同級生。すみれちゃんたちのお母さんといつも一緒だったから必然的に仲良くなってね……」
「なのにすみれのお父さんが誰なのか伝えなかったんだね」
仲が良かったのに伝えなかったのかと美空は訊いた。
「分かるでしょ。修羅場になるって。そう思うと言えなくてね……。はあ……。あとで園美に怒られるのは私だわ。なんで黙ってたんだって言われるにきまってる……」
香恋はため息をついた。
「た、大変なんですね……」
すみれはそう言うしかなかった。
「……うちの母とすみれちゃんのお父さん、美空ちゃんのお母さんとお知り合いだったんですのね……」
「今日初めて知ったけどね……」
すみれは苦笑いをした。
「それにしても狭い範囲に人間関係が集中しているね。それにしても大道寺さんの母上とすみれの父上って……。すみれの母上の方も知っているみたいだし……」
小龍が呟く。
「ただの関係じゃ無さそうよね」
紅花が頷く。
「ああ。園美と撫子は従姉妹同士なのよ。撫子は有名な雨宮財閥の一人娘」
「雨宮ってあの……」
実家の関係で財閥のことが頭に入っている小龍は思いいたったようだ。
「そう。あの雨宮財閥よ。撫子は16歳の時に新米教師だった藤隆さんと結婚したの。撫子の実家の方では反対されてね……。中でも一番反対したのが園美なのよ。まあ小さいころから可愛がっていたらしいから……」
そう言ってため息を香恋はついた。
「そっか~。いろいろあるのか。ってあれ? 従姉妹同士ってことはすみれと智世ちゃんってはとこにあたるんじゃないの?」
美空がふとすみれと智世の関係に気づく。
「嘘! 意外な関係ね」
紅花が目を丸くする。
「世間って狭いよな」
小龍のつぶやきに一同頷いた。