さくらの三つ子の姉です。髪の色以外は撫子さんに生き写しです。
第八十二話 花の運動会と思い出
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すみれたちは木の下でお弁当を囲んでいた。
「はい、卵焼き。おいしいよ」
さくらが知世に卵焼きを渡す。
「お兄さまと月城さんのお手製ですわね。本当においしそうですわね~」
知世が言った。
「こっちの唐揚げはお姉ちゃんと聖奈さん作!」
「まあ、おいしそうですわね」
智世が言った。
「桃矢君も梅香ちゃんもお料理上手ね~。木之本先生も幸せね」
美空の母の香恋が褒める。
「いえ、俺なんてとても……」
「父に頼ることも多いですよ」
桃矢と梅香が謙遜する。
「先生といえば……。君たちのお父さんはそろそろかな?」
美空の父の葉が訊いた。
「は、はい。大学の仕事が終わったら来るって言っていたのでそろそろだと思います」
葉はつややかなストレートの黒髪を持つ美形だ。たいていの人はドキドキするという。だが二重でちょっと丸い瞳とか黒髪とかが美空に似ているので、急に聞かれて戸惑ったもののいつも通り答えることができた。
「そっか……。香恋、木之本先生とも久しぶりじゃない?」
「そうね……。智世ちゃんたちのお母さんは?」
「母ももうすぐ来ると思いますわ」
急に聞かれて不思議そうな顔をするものの智世が答えた。
「そ、そう……。そうなのね。……無事に運動会終わるといいけど……」
香恋はどこか落ち着かない様子だった。
「お母さん、この間から変よ?」
「大丈夫よ。こっちの話だから気にしないで。美空」
美空は母にそう言われて何も聞かないことにした。
その一方で雪兎と聖奈は思いっきり食べていた。
「すごい食べている……」
すみれはちょっと呆れた。
周りの人たちも呆然と雪兎と聖奈を見ていた。
「ごめんね、僕ばっかり食べて……」
「私も食べすぎちゃったわ……」
雪兎と聖奈が謝ってくる。
「ううん。いっぱい食べるっていいことですよね」
さくらが雪兎を肯定する。
「お弁当すごくおいしいからね」
「たくさん作ったかいがあったわよね」
雪兎と聖奈はほほ笑む。
「食べ物がおいしいのは健康な証拠なんだ……」
「小狼……?」
怪訝そうに紅花が小狼を見る。
「そうだね」
雪兎がほほ笑む。
それを見て小狼の顔が赤くなる。
「ごちそうさま……」
そう言って小狼は靴を履いて去っていった。
「小龍…。あれってまさか……」
「そのまさかですよ、叔母上…」
「まあ! 面白くなってきた」
「面白がらないでください……」
にこにこしだした紅花に小龍は呆れた。
そこへすみれたちの父、藤隆が走ってやってきた。
「ごめん、遅れて!」
「お父さん!」
「お父さんだ!」
「待ってたよ。お父さん」
三つ子が駆け寄る。
「あ~。チアリーディング部の演目間に合わなかった」
藤隆は残念そうだった。
「私、ビデオに撮りました」
「私も撮りましたわ」
「私も」
知世、智世、実世がビデオを見せながら言った。
「僕も写真撮りましたから」
「私も撮りました」
雪兎と聖奈もカメラを見せる。
「先生、安心してくださいな。私も高性能なビデオで撮りましたから」
香恋がほほ笑む。
「どうもありがとう。香恋君もね。君は学生時代からそう言った所が良く気づく子だったから……。撫子さんのことをもう一人とよく見ていたよね」
「ええ。そうでしたわね……」
香恋はどこか歯切れが悪い。何かを気にしているようだった。
「ごめんね。間に合わなくて」
藤隆はそんな香恋を気にせずにすみれたちに謝る。
「ううん。走ってきてくれて嬉しい」
「急いでくれただけでも十分だよ!」
「うん。お仕事の後なのに急いでくれただけでも嬉しいよ!」
すみれたちはそんな藤隆を急いでくれただけでもうれしいと言った。
早くさくらたちの運動会を見たい。その気持ちだけでもうれしかったから。
「はい、卵焼き。おいしいよ」
さくらが知世に卵焼きを渡す。
「お兄さまと月城さんのお手製ですわね。本当においしそうですわね~」
知世が言った。
「こっちの唐揚げはお姉ちゃんと聖奈さん作!」
「まあ、おいしそうですわね」
智世が言った。
「桃矢君も梅香ちゃんもお料理上手ね~。木之本先生も幸せね」
美空の母の香恋が褒める。
「いえ、俺なんてとても……」
「父に頼ることも多いですよ」
桃矢と梅香が謙遜する。
「先生といえば……。君たちのお父さんはそろそろかな?」
美空の父の葉が訊いた。
「は、はい。大学の仕事が終わったら来るって言っていたのでそろそろだと思います」
葉はつややかなストレートの黒髪を持つ美形だ。たいていの人はドキドキするという。だが二重でちょっと丸い瞳とか黒髪とかが美空に似ているので、急に聞かれて戸惑ったもののいつも通り答えることができた。
「そっか……。香恋、木之本先生とも久しぶりじゃない?」
「そうね……。智世ちゃんたちのお母さんは?」
「母ももうすぐ来ると思いますわ」
急に聞かれて不思議そうな顔をするものの智世が答えた。
「そ、そう……。そうなのね。……無事に運動会終わるといいけど……」
香恋はどこか落ち着かない様子だった。
「お母さん、この間から変よ?」
「大丈夫よ。こっちの話だから気にしないで。美空」
美空は母にそう言われて何も聞かないことにした。
その一方で雪兎と聖奈は思いっきり食べていた。
「すごい食べている……」
すみれはちょっと呆れた。
周りの人たちも呆然と雪兎と聖奈を見ていた。
「ごめんね、僕ばっかり食べて……」
「私も食べすぎちゃったわ……」
雪兎と聖奈が謝ってくる。
「ううん。いっぱい食べるっていいことですよね」
さくらが雪兎を肯定する。
「お弁当すごくおいしいからね」
「たくさん作ったかいがあったわよね」
雪兎と聖奈はほほ笑む。
「食べ物がおいしいのは健康な証拠なんだ……」
「小狼……?」
怪訝そうに紅花が小狼を見る。
「そうだね」
雪兎がほほ笑む。
それを見て小狼の顔が赤くなる。
「ごちそうさま……」
そう言って小狼は靴を履いて去っていった。
「小龍…。あれってまさか……」
「そのまさかですよ、叔母上…」
「まあ! 面白くなってきた」
「面白がらないでください……」
にこにこしだした紅花に小龍は呆れた。
そこへすみれたちの父、藤隆が走ってやってきた。
「ごめん、遅れて!」
「お父さん!」
「お父さんだ!」
「待ってたよ。お父さん」
三つ子が駆け寄る。
「あ~。チアリーディング部の演目間に合わなかった」
藤隆は残念そうだった。
「私、ビデオに撮りました」
「私も撮りましたわ」
「私も」
知世、智世、実世がビデオを見せながら言った。
「僕も写真撮りましたから」
「私も撮りました」
雪兎と聖奈もカメラを見せる。
「先生、安心してくださいな。私も高性能なビデオで撮りましたから」
香恋がほほ笑む。
「どうもありがとう。香恋君もね。君は学生時代からそう言った所が良く気づく子だったから……。撫子さんのことをもう一人とよく見ていたよね」
「ええ。そうでしたわね……」
香恋はどこか歯切れが悪い。何かを気にしているようだった。
「ごめんね。間に合わなくて」
藤隆はそんな香恋を気にせずにすみれたちに謝る。
「ううん。走ってきてくれて嬉しい」
「急いでくれただけでも十分だよ!」
「うん。お仕事の後なのに急いでくれただけでも嬉しいよ!」
すみれたちはそんな藤隆を急いでくれただけでもうれしいと言った。
早くさくらたちの運動会を見たい。その気持ちだけでもうれしかったから。