第百二十五話 パニックな自転車
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「見てみい! 電話しとる間に見失ってしまったやないか!」
「探すから待って! 我に探すものの音を届けよ。『風(ウインド)』!」
すみれは『風(ウインド)』のカードで『駆(ダッシュ)』の音を聞く。
しばらく待つと暴走自転車の音が聞こえた。
「あっち!」
すみれが叫ぶ。
「『跳(ジャンプ)』!」
さくらは『跳(ジャンプ)』のカードを使った。
「『跳(ジャンプ)』!」
すみれも続ける。
「いた!」
そこには川沿いを走る『駆(ダッシュ)』がいた。
そのまま走り続けた『駆(ダッシュ)』は図書館の壁を登り始める。
さくらがそのあとを追い始める。
「あかん届かへんって!」
「さくら! 危ない!」
「落ちるわよ!」
三人が叫ぶ。
「ほええええええ!」
さくらが悲鳴を上げる。
「彼のものの動きを遅くせよ! 『風(ウインド)』! そして地面を柔らかくせよ! 『柔(ソフト)』!」
すみれは二枚のカードを発動した。
「風華将来!」
そこへ小狼がきてさくらを助けてくれた。
「よ、よかった……」
すみれはほっとした。
「間に合ったようだね」
「小龍」
すみれは来てくれたことに微笑んだ。
「私もいるわよ」
「美空!」
茂みから美空が姿を現した。
「来てくれてありがとう、美空、小龍」
すみれはにっこり微笑んだ。
「お礼はあと。それより『駆(ダッシュ)』を何とかしないと……」
図書館の壁を登る『駆(ダッシュ)』を美空は睨んだ。
「あれか……」
「うん」
小狼とさくらの声が聞こえる。
「雷帝将来!」
「火神将来!」
二人は魔法を使う。
『駆(ダッシュ)』が移った自転車は次々とよける。
そして地面に降り立つと『駆(ダッシュ)』が姿を現した。おびえているように思える。
「くそ……。もう一回……」
「ダメ! カードがおびえちゃう!」
さくらは小狼に抱き着いて止める。
小狼の顔が赤くなる。
「だがこのままだと……」
「私が悪いの! 『駆(ダッシュ)』を落ち着かせればきっともとに戻るから!」
さくらが懇願する。
「うん……分かった」
小狼が頷いた。
「それでどうするの? 木之本さん」
「どないするつもりや」
「『翔(フライ)』で空から……」
「いいや。本気になった『駆(ダッシュ)』は元の姿になったわいでも無理や」
「ケロちゃんでも……」
すみれは驚いた。
「そうや。『翔(フライ)』でもあかんやろ。う~ん。せめてどっかいかんように先回り出来たら……」
「それって永遠にループしないと無理じゃ……」
美空が呟く。
それを聞いていたさくらは思いつくことがあった。
「あ」
「何か思いついたの? さくら」
すみれはさくらをみた。
「うん。できるかも!」
一枚のカードを取り出す。
「『輪(ループ)』か……」
ケルベロスが唸る。
「けどまたカード変えなあかん……」
「うん……」
「今度はぶったおれるだけじゃすまんで!」
「けど『駆(ダッシュ)』があんな風になっちゃったの私のせいだもん! 頑張ってカードに戻してあげなくちゃ」
さくらの顔は真剣だった。
しばらく二人は見つめ合う。
「よっしゃ。ぶっ倒れてもわいが受け止めたる。行ったれさくら」
「うん!」
さくらは『駆(ダッシュ)』に近づいていく。『駆(ダッシュ)』は後ずさりした。
「クロウの創りしカードよ。古き姿を捨て生まれ変われ。新たな主、さくらの名のもとに! 『輪(ループ)』!」
『輪(ループ)』が発動し、ある点と点がつながった。
それをみた『駆(ダッシュ)』はおびえて逃げるもすぐにさくらの元へとやってきてしまう。
『駆(ダッシュ)』は逃げるも再びさくらのもとへと来てしまう。
「ほう。『輪(ループ)』ですか。でもおびえた『駆(ダッシュ)』はどうしますか?」
木の上からその様子を見ていたエリオルが呟く。
さくらが『駆(ダッシュ)』に近づく。
『駆(ダッシュ)』はパニックになって自転車から抜け出す。
「『風(ウインディ)』!」
さくらが『風(ウインディ)』のカードを使う。
『駆(ダッシュ)』は暴れる。
「ダメだよ。暴れちゃ。ケガしちゃう!」
さくらがたしなめる。
やがて『駆(ダッシュ)』はさくらの腕の中にやってきたが、暴れてしまう。
「大丈夫。怖がらなくていいんだよ。驚かせてごめんね……。大丈夫……。いい子だから……」
なだめるさくらの声に『駆(ダッシュ)』は徐々に落ち着いていく。
「ふふっ。くすぐったい」
頬をなめられてさくらが笑う。
「大丈夫。ごめんね。もう驚かせたりしないから。お願い、カードに戻って」
『駆(ダッシュ)』は願いを聞いてカードに戻った。
さくらの手の中には『風(ウインディ)』『輪(ループ)』『駆(ダッシュ)』のカードがあった。
「よかった……」
「やったなさくら」
「これで落ち着いたわね」
すみれはさくらに向かってほほ笑んだ。
「ケロちゃん、ちゃんと魔法を使う理由があって少しずつならクロウカードをさくらカードに変えてもいいんだよね?」
「そうや」
「そうそう。じゃないとさくらが倒れちゃう」
アップルティーアが頷く。
さくらはそれを聞いてカードをぎゅっと抱きしめた。
「なんで友枝町に不思議なことが起きるのか、なんでクロウカードのままじゃ魔法が使えないのか分からないけど。私、カード全部変えられるように頑張る」
「おう!」
「頑張ってね! さくら」
すみれは応援した。
「それにカード全部変えられてもっともっと魔力が強くなったら不思議なことがなんで起きているのか分かるかもしれないもんね」
「その通りや!」
「うん。全部変えたらわかるかもね」
美空はそんな気がしていた。
「よ~し。私、がんば……」
「さくら?」
「どうした?」
「木之本さん?」
「さくら?」
「え、ここで眠くなっちゃうの!?」
全員慌てる。
倒れたさくらをケルベロスが支えるもつぶされてしまう。
「しっかりしろ!」
「木之本さん! こんなところで寝ないで!」
「さくら!」
小狼がさくらを支え、小龍とすみれはなんとか起こそうとする。
「ああ~!」
そこへ悲鳴が聞こえた。
「間に合いませんでしたのね!」
「間に合いませんでしたわ!」
「知世ちゃん、智世ちゃん……」
そこには知世と智世がいた。
「ほんのちょっと入浴していた隙にさくらちゃんからお電話が来るなんて……」
「お母様と話していた隙に電話が来るなんて……」
がっくりする二人。
「こうなったらさくらちゃんの寝顔を取りますわ!」
「こうなったらすみれちゃんにとことんポーズとってもらいますわ!」
「ええ!?」
すみれは驚いた。
「やっぱりこうなったか……」
「あははは」
「大道寺さんたちの情熱はすごいね……」
視線の先にはさくらの寝顔を撮る知世とすみれにポーズをとらせる智世がいたのだった。
「探すから待って! 我に探すものの音を届けよ。『風(ウインド)』!」
すみれは『風(ウインド)』のカードで『駆(ダッシュ)』の音を聞く。
しばらく待つと暴走自転車の音が聞こえた。
「あっち!」
すみれが叫ぶ。
「『跳(ジャンプ)』!」
さくらは『跳(ジャンプ)』のカードを使った。
「『跳(ジャンプ)』!」
すみれも続ける。
「いた!」
そこには川沿いを走る『駆(ダッシュ)』がいた。
そのまま走り続けた『駆(ダッシュ)』は図書館の壁を登り始める。
さくらがそのあとを追い始める。
「あかん届かへんって!」
「さくら! 危ない!」
「落ちるわよ!」
三人が叫ぶ。
「ほええええええ!」
さくらが悲鳴を上げる。
「彼のものの動きを遅くせよ! 『風(ウインド)』! そして地面を柔らかくせよ! 『柔(ソフト)』!」
すみれは二枚のカードを発動した。
「風華将来!」
そこへ小狼がきてさくらを助けてくれた。
「よ、よかった……」
すみれはほっとした。
「間に合ったようだね」
「小龍」
すみれは来てくれたことに微笑んだ。
「私もいるわよ」
「美空!」
茂みから美空が姿を現した。
「来てくれてありがとう、美空、小龍」
すみれはにっこり微笑んだ。
「お礼はあと。それより『駆(ダッシュ)』を何とかしないと……」
図書館の壁を登る『駆(ダッシュ)』を美空は睨んだ。
「あれか……」
「うん」
小狼とさくらの声が聞こえる。
「雷帝将来!」
「火神将来!」
二人は魔法を使う。
『駆(ダッシュ)』が移った自転車は次々とよける。
そして地面に降り立つと『駆(ダッシュ)』が姿を現した。おびえているように思える。
「くそ……。もう一回……」
「ダメ! カードがおびえちゃう!」
さくらは小狼に抱き着いて止める。
小狼の顔が赤くなる。
「だがこのままだと……」
「私が悪いの! 『駆(ダッシュ)』を落ち着かせればきっともとに戻るから!」
さくらが懇願する。
「うん……分かった」
小狼が頷いた。
「それでどうするの? 木之本さん」
「どないするつもりや」
「『翔(フライ)』で空から……」
「いいや。本気になった『駆(ダッシュ)』は元の姿になったわいでも無理や」
「ケロちゃんでも……」
すみれは驚いた。
「そうや。『翔(フライ)』でもあかんやろ。う~ん。せめてどっかいかんように先回り出来たら……」
「それって永遠にループしないと無理じゃ……」
美空が呟く。
それを聞いていたさくらは思いつくことがあった。
「あ」
「何か思いついたの? さくら」
すみれはさくらをみた。
「うん。できるかも!」
一枚のカードを取り出す。
「『輪(ループ)』か……」
ケルベロスが唸る。
「けどまたカード変えなあかん……」
「うん……」
「今度はぶったおれるだけじゃすまんで!」
「けど『駆(ダッシュ)』があんな風になっちゃったの私のせいだもん! 頑張ってカードに戻してあげなくちゃ」
さくらの顔は真剣だった。
しばらく二人は見つめ合う。
「よっしゃ。ぶっ倒れてもわいが受け止めたる。行ったれさくら」
「うん!」
さくらは『駆(ダッシュ)』に近づいていく。『駆(ダッシュ)』は後ずさりした。
「クロウの創りしカードよ。古き姿を捨て生まれ変われ。新たな主、さくらの名のもとに! 『輪(ループ)』!」
『輪(ループ)』が発動し、ある点と点がつながった。
それをみた『駆(ダッシュ)』はおびえて逃げるもすぐにさくらの元へとやってきてしまう。
『駆(ダッシュ)』は逃げるも再びさくらのもとへと来てしまう。
「ほう。『輪(ループ)』ですか。でもおびえた『駆(ダッシュ)』はどうしますか?」
木の上からその様子を見ていたエリオルが呟く。
さくらが『駆(ダッシュ)』に近づく。
『駆(ダッシュ)』はパニックになって自転車から抜け出す。
「『風(ウインディ)』!」
さくらが『風(ウインディ)』のカードを使う。
『駆(ダッシュ)』は暴れる。
「ダメだよ。暴れちゃ。ケガしちゃう!」
さくらがたしなめる。
やがて『駆(ダッシュ)』はさくらの腕の中にやってきたが、暴れてしまう。
「大丈夫。怖がらなくていいんだよ。驚かせてごめんね……。大丈夫……。いい子だから……」
なだめるさくらの声に『駆(ダッシュ)』は徐々に落ち着いていく。
「ふふっ。くすぐったい」
頬をなめられてさくらが笑う。
「大丈夫。ごめんね。もう驚かせたりしないから。お願い、カードに戻って」
『駆(ダッシュ)』は願いを聞いてカードに戻った。
さくらの手の中には『風(ウインディ)』『輪(ループ)』『駆(ダッシュ)』のカードがあった。
「よかった……」
「やったなさくら」
「これで落ち着いたわね」
すみれはさくらに向かってほほ笑んだ。
「ケロちゃん、ちゃんと魔法を使う理由があって少しずつならクロウカードをさくらカードに変えてもいいんだよね?」
「そうや」
「そうそう。じゃないとさくらが倒れちゃう」
アップルティーアが頷く。
さくらはそれを聞いてカードをぎゅっと抱きしめた。
「なんで友枝町に不思議なことが起きるのか、なんでクロウカードのままじゃ魔法が使えないのか分からないけど。私、カード全部変えられるように頑張る」
「おう!」
「頑張ってね! さくら」
すみれは応援した。
「それにカード全部変えられてもっともっと魔力が強くなったら不思議なことがなんで起きているのか分かるかもしれないもんね」
「その通りや!」
「うん。全部変えたらわかるかもね」
美空はそんな気がしていた。
「よ~し。私、がんば……」
「さくら?」
「どうした?」
「木之本さん?」
「さくら?」
「え、ここで眠くなっちゃうの!?」
全員慌てる。
倒れたさくらをケルベロスが支えるもつぶされてしまう。
「しっかりしろ!」
「木之本さん! こんなところで寝ないで!」
「さくら!」
小狼がさくらを支え、小龍とすみれはなんとか起こそうとする。
「ああ~!」
そこへ悲鳴が聞こえた。
「間に合いませんでしたのね!」
「間に合いませんでしたわ!」
「知世ちゃん、智世ちゃん……」
そこには知世と智世がいた。
「ほんのちょっと入浴していた隙にさくらちゃんからお電話が来るなんて……」
「お母様と話していた隙に電話が来るなんて……」
がっくりする二人。
「こうなったらさくらちゃんの寝顔を取りますわ!」
「こうなったらすみれちゃんにとことんポーズとってもらいますわ!」
「ええ!?」
すみれは驚いた。
「やっぱりこうなったか……」
「あははは」
「大道寺さんたちの情熱はすごいね……」
視線の先にはさくらの寝顔を撮る知世とすみれにポーズをとらせる智世がいたのだった。
