2.E‐1077での一番星
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「ふう……」
オレンジ・スカッシュを飲んでリリナは一息をつく。
この味が彼女にとって落ち着く味だった。
「相変わらず好きね~。オレンジ・スカッシュ」
ケイトがにこにこと言った。
「だって落ち着く味だもの。公園から戻るとママが用意してくれたし……」
「そういえばそうだったね。まあ変わってなくてよかったよ」
ハリーが苦笑する。
「そうね。最近コールが多いみたいだし……。何か不調でもあるの?」
「最近眠れなくて……」
目をこすりながらリリナが呟く。
「サウンドスリーパーの故障か? このステーションで眠れないってことはないと思うが」
イレーヌが事実を指摘する。
「もしかして体調不良? それが影響してとか……」
「ならドクターのところに行くといいかもしれない。薬とかもらえるかもよ」
体調不良を治すためにドクターがこのステーションにはいる。ハリーはそこへ行けと言っているのだ。
「う、うん……」
リリナは頷くにとどめておいた。
サウンドスリーパーの故障でもないし、体調不良でもない。原因は分かっている。
夜、部屋にいると誰かに監視されている気分がするのだ。
ただ監視しているだけではなく、身も心も監視されているような感じがする。
そのせいでリリナはなかなか眠れなかったし、浅い眠りしか取れなかった。
深い眠りにつくと大切なものを明け渡すような気がしたのだ。
「リリナはマザーのコールは受けているんだろう?」
「……うん……」
素直に頷いた。
「なら心身はすっきりしているはずだ」
「そ、そうだね……」
本当のことを言うわけにはいかず、リリナは苦笑した。
実はマザーのコールの後は必ず体調不良になる。
そのためどうもマザーのコールは好きじゃなかった。
心をひっかきまわされたような気がして嫌なのだ。
(本当のことは言えないしな……)
言ったら反体制派として目を付けられるだろう。
そしてますますマザーの追及が厳しくなるような気がする。
「はあ……」
リリナは深いため息をついて机に突っ伏した。
「疲れたのか?」
「うん、大丈夫……」
そういう気遣いをしてくれるイレーヌは優しいとリリナは思った。
やがて彼女は突っ伏していた顔を上げた。
様々な人が食堂を行きかうのが見える。
すぐそばを黒髪の少年と少女が通るのが見えた。
「…………!」
視線がばっちりと合ってしまい、思わず身体が跳ねる。
「あの子……」
「どうした?」
「……何でもない……」
意志の強い藍色の瞳と藤色の瞳と目が合った。
その瞳はなんだか懐かしい人を思い起こさせた。
(兄さん……)
懐かしい人を心の中で思った。
オレンジ・スカッシュを飲んでリリナは一息をつく。
この味が彼女にとって落ち着く味だった。
「相変わらず好きね~。オレンジ・スカッシュ」
ケイトがにこにこと言った。
「だって落ち着く味だもの。公園から戻るとママが用意してくれたし……」
「そういえばそうだったね。まあ変わってなくてよかったよ」
ハリーが苦笑する。
「そうね。最近コールが多いみたいだし……。何か不調でもあるの?」
「最近眠れなくて……」
目をこすりながらリリナが呟く。
「サウンドスリーパーの故障か? このステーションで眠れないってことはないと思うが」
イレーヌが事実を指摘する。
「もしかして体調不良? それが影響してとか……」
「ならドクターのところに行くといいかもしれない。薬とかもらえるかもよ」
体調不良を治すためにドクターがこのステーションにはいる。ハリーはそこへ行けと言っているのだ。
「う、うん……」
リリナは頷くにとどめておいた。
サウンドスリーパーの故障でもないし、体調不良でもない。原因は分かっている。
夜、部屋にいると誰かに監視されている気分がするのだ。
ただ監視しているだけではなく、身も心も監視されているような感じがする。
そのせいでリリナはなかなか眠れなかったし、浅い眠りしか取れなかった。
深い眠りにつくと大切なものを明け渡すような気がしたのだ。
「リリナはマザーのコールは受けているんだろう?」
「……うん……」
素直に頷いた。
「なら心身はすっきりしているはずだ」
「そ、そうだね……」
本当のことを言うわけにはいかず、リリナは苦笑した。
実はマザーのコールの後は必ず体調不良になる。
そのためどうもマザーのコールは好きじゃなかった。
心をひっかきまわされたような気がして嫌なのだ。
(本当のことは言えないしな……)
言ったら反体制派として目を付けられるだろう。
そしてますますマザーの追及が厳しくなるような気がする。
「はあ……」
リリナは深いため息をついて机に突っ伏した。
「疲れたのか?」
「うん、大丈夫……」
そういう気遣いをしてくれるイレーヌは優しいとリリナは思った。
やがて彼女は突っ伏していた顔を上げた。
様々な人が食堂を行きかうのが見える。
すぐそばを黒髪の少年と少女が通るのが見えた。
「…………!」
視線がばっちりと合ってしまい、思わず身体が跳ねる。
「あの子……」
「どうした?」
「……何でもない……」
意志の強い藍色の瞳と藤色の瞳と目が合った。
その瞳はなんだか懐かしい人を思い起こさせた。
(兄さん……)
懐かしい人を心の中で思った。
