あの日飲みたかったもの
「そういえば子供の頃、メロンクリームソーダを飲みたかったんです」
食べ始めてしばらくして夏目がぽつりと言った。
名取が目線で続きを促してくる。
「昔預けられた家でこういったところに連れてきてもらったんです。俺はメロンクリームソーダが飲みたかったけど、値段がしたので遠慮して一番安いものを頼んだんです。そう言ったところがかわいくなかったんでしょうね」
遠慮しないで素直にこれが飲みたいと言っていたらどうなったんだろうと夏目は思った。
「遠慮することはあるよね。私もそうだったかなあ……。ただ食べたいものがあっても子供っぽいってそっぽをむいちゃう子だったかな」
「名取さんらしい……」
夏目は苦笑した。
「だからね、夏目。同じものが視える私になら食べたいものを食べたいって言っていいんだよ」
遠慮する必要はないのだと名取が言っているように思えた。
「……ありがとうございます」
夏目はその心が嬉しいとお礼を言うだけにとどめた。
「さ、メロンクリームソーダ、溶けちゃうよ。飲もう」
「はい」
夏目はスプーンを手に取ってアイスクリームを手に取った。冷たくておいしい。そしてストローを口に当てる。
しゅわしゅわして口の中ではじける甘い炭酸の味がした。
子供の頃、飲みたかったものはこんな味をしていたのか。
夏目はそう思った。
「美味しいね」
「はい」
夏目は頷いた。
子供の頃、やりたかったことができた気がした。
(こうして俺は子供の頃、やりたかったことを一つ一つやっていくのだろうか)
そんなことを思ったある日の出来事だった。
食べ始めてしばらくして夏目がぽつりと言った。
名取が目線で続きを促してくる。
「昔預けられた家でこういったところに連れてきてもらったんです。俺はメロンクリームソーダが飲みたかったけど、値段がしたので遠慮して一番安いものを頼んだんです。そう言ったところがかわいくなかったんでしょうね」
遠慮しないで素直にこれが飲みたいと言っていたらどうなったんだろうと夏目は思った。
「遠慮することはあるよね。私もそうだったかなあ……。ただ食べたいものがあっても子供っぽいってそっぽをむいちゃう子だったかな」
「名取さんらしい……」
夏目は苦笑した。
「だからね、夏目。同じものが視える私になら食べたいものを食べたいって言っていいんだよ」
遠慮する必要はないのだと名取が言っているように思えた。
「……ありがとうございます」
夏目はその心が嬉しいとお礼を言うだけにとどめた。
「さ、メロンクリームソーダ、溶けちゃうよ。飲もう」
「はい」
夏目はスプーンを手に取ってアイスクリームを手に取った。冷たくておいしい。そしてストローを口に当てる。
しゅわしゅわして口の中ではじける甘い炭酸の味がした。
子供の頃、飲みたかったものはこんな味をしていたのか。
夏目はそう思った。
「美味しいね」
「はい」
夏目は頷いた。
子供の頃、やりたかったことができた気がした。
(こうして俺は子供の頃、やりたかったことを一つ一つやっていくのだろうか)
そんなことを思ったある日の出来事だった。
