素晴らしき世界―ZERO―

「ファイア・エナジーボール!」
ラクラエールが攻撃してくる。
「ウォーター・エナジーボール!」
レアも負けじと魔法を展開する。
水と火がぶつかり合う。
「シルリオ! グレイ!」
ラクラエールがチームメイトに呼びかける。
「了解です! ラクラエールさま! ウインド・ブラスト!」
「グラウンド・フィスト!」
灰色の髪の男子生徒と黒髪の男子生徒が魔法を使う。
上空から風が下から土が襲ってきた。
「レア! 任せてください! プロテクト! シールズ! ガード!」
ベンジャミンがシールドを展開する。
「何!?」
ラクラエールが驚く。
「僕の出身、アクアではどこか一芸に特化した一族が多いんです。特にティマ家はその中でも守護魔法に特化している! 舐めないでください! カウンター!」
「回避だ!」
「うわっ!」
「ぎゃっ!」
ベンジャミンが攻撃を跳ね返し、予想がつかなかったシルリオとグレイという生徒は吹っ飛ばされる。
「くっ!」
ラクラエールのみは防御して防ぐ。
「実紗!」
「分かってる! 雷撃! 火炎! 風龍!」
実紗が札を三つ投げる。
そして雷と火と風が札から出て相手チームに攻撃が向かう。
三人が吹っ飛ばされて気絶する。
残り五人。
「ファイア・ブラスト!」
火と風の魔法を使ったアルの攻撃をラクラエールのチームメイト二人がよける。
「そうはいくか! ウインド・サークル!」
ブランが風魔法でバインドする。
「エリオット!」
「任せて!」
エリオットが自作のデバイスを構える。
「科学魔法の力見せてあげます! 風と雷! 二つの力を合わせて込める! 天候を操る精霊を真似た攻撃!『偽天候操作(フェイク・ウェザー・チェインジ)!』」
雷が二人の直撃し、気絶。
残りはエリオットと取り巻きであるシルリオとグレイのみだった。
「あ~あ。勝負にならねえか……」
勝負の様子を見ていたベルナールがため息をつく。
「やはりそう見えますか?」
サンドラがベルナールをちらりと見る。
「ああ。魔力量や質はラクラエールもアルバートやレアに次ぐ多さだ。だが精度が全然だ。使いこなせていない。自分が何ができて何が得意なのかまったく理解できていないのさ」
ありゃあ、レアの精霊魔法の出番はないぜ。そうベルナールは苦笑した。
「ラクラエールが魔法を使いこなせていないのは彼の家のせいもあると思いますが」
サンドラは擁護した。
「まあな。あの家もあの事件でやばいことになったからな……」
ベルナールはまじめな顔に戻った。
「あの事件ですか……」
5年前の事件。多くの人に傷をつけ、世界を変えてしまった事件。ラクラエールだけでなくこの人もそして……彼女も……
サンドラはちらりと上空を見た。そこではレアとラクラエールは魔法の打ち合いをしていた。
(頑張ってくださいね。二人とも……)
過去に負けずに頑張る若者たちにサンドラはエールを送った。
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