ルミエーラ
10.罠
(ここは……?)
ヴィクトリアは天蓋ベッドの上で目を覚ました。
あたりを見回すとお城の中を思わせる豪華な部屋だった。ただ、どことなく白で部屋の中が統一されているような気がするのはカーテンと絨毯のせいなのだろうか。
次にヴィクトリアは自分の格好を見た。
着た覚えのない白いサテンのドレスをまとっている。
(え、なにこれ?)
もう一度戸惑う。
「私……」
ヴィクトリアは眠りにつく前のことを思い出そうとした。
「あ!」
やがてヴィクトリアはベッドから飛び起きて扉に向かった。
「私を出して!」
そう言ってドアノブをガチャガチャさせる。
自分が敵に捕まったことを思い出したのだ。
しばらくそうしていたが開かないのを悟り部屋をきょろきょろする。
ほかのところから出られないのか探しているのだ。
ヴィクトリアは窓に駆け寄った。
窓から外をのぞくとここは塔の最上階だということが分かった。
外を見ると明るいため日にちがたっているのが分かる。
随分高そうだが降りられそうだ。
ヴィクトリアは窓に手をかけた。
バチィィィ
スパークしたような大きな音がしてヴィクトリアは手を引っ込めた。
「無駄ですよ」
後ろから声がかかりヴィクトリアは声の主を見た。
「あなたは……」
ヴィクトリアを捕えに来た男の一人だ。
「イアン・クローゼ。どうぞお見知りおきを」
そう言ってイアンは頭を下げる。
「無駄ってどういうこと?」
険しい顔を向けながらヴィクトリアは訊いた。
「この部屋には中のものを外に出さない術式がかけられています。外のものが中に入るのは構わないのですがね」
「魔術師が協力者の中にいるってこと?」
「さすが殿下。聡明ですね」
イアンは肯定した。
「私をここから出して」
「それは無理です。……お腹がすいていると思います。昼食をお持ちしますよ」
そう言ってイアンは部屋を出て行った。
後に残されたヴィクトリアは出られないことを悟り静かに涙を流したのだった。
(ここは……?)
ヴィクトリアは天蓋ベッドの上で目を覚ました。
あたりを見回すとお城の中を思わせる豪華な部屋だった。ただ、どことなく白で部屋の中が統一されているような気がするのはカーテンと絨毯のせいなのだろうか。
次にヴィクトリアは自分の格好を見た。
着た覚えのない白いサテンのドレスをまとっている。
(え、なにこれ?)
もう一度戸惑う。
「私……」
ヴィクトリアは眠りにつく前のことを思い出そうとした。
「あ!」
やがてヴィクトリアはベッドから飛び起きて扉に向かった。
「私を出して!」
そう言ってドアノブをガチャガチャさせる。
自分が敵に捕まったことを思い出したのだ。
しばらくそうしていたが開かないのを悟り部屋をきょろきょろする。
ほかのところから出られないのか探しているのだ。
ヴィクトリアは窓に駆け寄った。
窓から外をのぞくとここは塔の最上階だということが分かった。
外を見ると明るいため日にちがたっているのが分かる。
随分高そうだが降りられそうだ。
ヴィクトリアは窓に手をかけた。
バチィィィ
スパークしたような大きな音がしてヴィクトリアは手を引っ込めた。
「無駄ですよ」
後ろから声がかかりヴィクトリアは声の主を見た。
「あなたは……」
ヴィクトリアを捕えに来た男の一人だ。
「イアン・クローゼ。どうぞお見知りおきを」
そう言ってイアンは頭を下げる。
「無駄ってどういうこと?」
険しい顔を向けながらヴィクトリアは訊いた。
「この部屋には中のものを外に出さない術式がかけられています。外のものが中に入るのは構わないのですがね」
「魔術師が協力者の中にいるってこと?」
「さすが殿下。聡明ですね」
イアンは肯定した。
「私をここから出して」
「それは無理です。……お腹がすいていると思います。昼食をお持ちしますよ」
そう言ってイアンは部屋を出て行った。
後に残されたヴィクトリアは出られないことを悟り静かに涙を流したのだった。