青き真珠

1.暗闇でのたくらみ

「皆さん、集まりましたね。」
薄暗く円形のテーブルが真ん中に置いてある部屋で六人が集まっていた。
その中のリーダー格の男が集まったメンバーを見てそう言った。
「リゲル殿。何の用があって我々をここに集めたのです?」
初老の男性がリーダー格の男に向かって言った。
「それはですね。アケルナル殿。『青き真珠』についてですよ」
リゲルの言葉に集まった人々はどよめきをあげた。
「太陽系にある青く輝く星。そのあまりの美しさから『青き真珠』と呼ばれている星。これをどうなさるつもりですの?」
アダーラと呼ばれる黒髪の女が訊いた。
「決まっているじゃないですか」
リゲルはにやりと笑った。
「まさか。」とデネボラという男が呟いた。
「そう、征服するんですよ。」
リゲルの言葉にあたりはし~んとなった。
「リゲル殿! あれはオルネラ協定で征服するのを禁じられているはずですぞ!」
「落ち着きなさい。ハマル殿。確かにオルネラ星で結ばれた協定は私もよく知っています。しかし考えてみてください。どうしてあの星だけ征服するのが禁じられているのです? 他のドゥーム星やマルホト星は良いのに」
「確かにリゲル殿の言う通りだ。ドゥーム星やマルホト星はポロニア星に征服されてしまった。私の故郷のビリア星もね。たしかに『青き真珠』は文明が我々の所まで発達しておらず宇宙人の存在を認知していない。だが、それだけの理由で征服しないなんておかしい。」
「イザール殿。分かって頂けて何よりです。」
「しかし……」
ハマルがそれでも言い募る。
「私だって本当は征服などしたくありませんでした。本当なら。しかし私の星、アコール星や貴殿の星、コーク星、それに協定が結ばれたオルネラ星でも危機的な状況に陥っています。資源が足りないのです。」
「そ、それは……」
ハマルは黙り込んだ。
確かにその通りだった。今どこの星でも資源が足りず危機的な状況になっている。このままでは星々への行き来ができなくなるし、暮らしていくこともままならなくなる。
このままでは大変なことになる。
「幸いなことに『青き真珠』には資源がたくさん残っています。征服すればこの危機的な状況を打開することができるのですよ? それに『青き真珠』には伝説の『ギャラクシア・ボックス』があると言われているのです。どうですかハマル殿」
「分かった……。リゲル殿の意見を入れよう」
ハマルはついに折れた。
「他の皆さんはどうですか?」
リゲルの問いに他のメンバーは口々に賛成した。
「結構。では『青き真珠』征服に向けて計画を練りますか。」
リゲルはそう呟くと壁に向かってリモコンを押した。
すると壁に映像が浮かび上がってきた。
「では、始めましょうか。」
リゲルは他のメンバーに向かって言った。
リゲルたちによる恐ろしい計画が進められていくのだった。
しかしリゲルたちは気づいていなかった。
この会話をドアの外で聞いていた人物がいたことに。
その人物は何かをおさえるように手をきつく握り閉めた。
やがて何かを決意したような顔をするとその場を去っていった。
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