青き真珠

アコール星。
「何!?」
 アコール星にあるビルでリゲルが声をあげた。
『申し訳ありません。リゲル様。私というものがありながら逃げられてしまいました……』
 申し訳なさそうな顔でミラが言った。頭に包帯が巻いてある。
「まあ、いい。どこに行ったか見当はついている。……それにしてもその怪我はどうした?」
 ミラをちらりと見ながらリゲルが言った。
『『ギャラクシア・ボックス』のせいですよ。もう少しでスピカをやつけることができたのにあの地球人が光を発して私を吹き飛ばしたんです。その衝撃派で私の身体は傷つきました』
「……なるほど。やはり恐るべし力だな」
『あともう一つ報告です』
 エルナトが割り込んでくる。
『エルナト。割り込んでこないで』
 ミラがエルナトを睨む。
『重要なことですよ。スピカの奴、大けがを負ったはずなのに一日で回復しているんです。いくら奴がシェイル星の住人だからと言ってあの回復力は異常です』
『つまり『ギャラクシア・ボックス』の力がスピカを癒したってこと?』
 ミラが難しい顔で訊いた。
『そうです。ね?アルデバラン』
『ああ』
 アルデバランが頷く。
「素晴らしい力だな。ますます欲しくなってきた。早急に捕えるんだ!」
 リゲルの言葉に三人が背筋を伸ばす。
『『『ははっ!ご命令のままに!』』』
「次の失敗は許さないからな」
『肝に銘じておきます』
 ミラは頷いた。そして通信が終わった。
 リゲルは通信が終わると黒髪の女性と金髪の少女の写真の横に置いてある別の写真を撮った。
 そこには銀髪に青い瞳の少女がいた。
「カリスト……。お前を必ず……」
 そして愛おしいものを見るような目で写真を撫でたのだった。
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