青き真珠

「スピカ、昴を連れて「COSMOS(コスモス)」本部に行こう」
「それは前から言っていたけど……。昴をここでは守りきれないから?でもここでも「COSMOS(コスモス)」の隊員を投入すれば守り切れると思うけど……」
 スピカは戸惑った。
「それはそうだがもう一つある。地球の危機に反応が薄い連中がいるんだ。地球なんて遅れている星だから助ける価値もないっていう連中がな」
「なんてこと……!」
 スピカは憤った。地球は美しい星。とうに星々が失ってしまった美しさを持つ星。だからこそ護る価値があるのに。
「だから昴を連れてこの連中の説得をしてもらいたいんだ。地球がどんな素晴らしい星か。語ってほしい。そして救う価値がある星だとね」
「俺が説得を……?」
「ああ。できるか?」
「やってみます。俺、この星が好きだし。あんな連中に渡してなるものか!」
昴は決意を固めた。
それにカノープスは満足気に頷くとスピカの方を向いた。
「ミラが来たということは今度はアンタレスやプロキオンが来る可能性がある」
「炎のアンタレス、水のプロキオン……」
スピカが通り名を呟く。アンタレスとプロキオンはミラと同じ能力者だ。それもミラより上の。
「そして氷のミラ。俺たちだけじゃ無理だ」
「そうね……。「COSMOS」本部に行きましょう。おじいさまもなんとかしてくれるはずよ」
「そうだな。行こう。その傷明日には治ってるだろ?あんたたちシェイル星の住民は回復力が半端ないからな」
「でも私半分だけビリア星人よ」
 スピカは訂正した。
「それは知ってるよ。だからあんたはビリア星の並外れた運動能力とシェイル星の並外れた回復力を持ってるんだ」
カノープスは言った。
「あ、だから私、普通の人より体力と運動神経いいんだ……」
 スピカは今まで知らなかったことに感動した。
「おいおい。あんた少し抜けているよな」
呆れたようにカノープスは呟いた。
「うるさいっ!私、少し休むね」
スピカはそう言うととっととベッドに引っ込んでしまったのだった。
カノープスは昴と顔を見合わせるとやれやれと肩をすくめた。
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