青き真珠

強力な戦士が投入されたことも知らずにスピカは影から昴を護衛していた。
昴は友達と別れたあとからぐったりとしている。
(ここまで異常はないようね……。ところで昴の奴、疲れているようだけど何かあったのかしら?)
原因は自分だとも思わずにスピカは首を傾げた。
「まったく大川と川瀬の奴には困ったよ……」
ぶつぶつと歩きながら昴は文句を言った。
「ところで原因はお前のせいでもあるんだからな。スピカ」
振り向かずに言われてスピカはびっくりしていた。気配は消していたのに!
「どうして分かった?」
「なんとなく。お前の気配ならなんかわかるんだよ」
「そ、そうなんだ……」
スピカは真っ赤になった。そんなこと今まで言われたことはなかったからだ。
「おまえと買い物に行ったこと川瀬と大川に見られた。おかげでからかわれまくりだよ……」
「男女で買い物に行くことの何が悪いの?」
別に悪いことではないではないか。
「別に悪いことではないけど、デートだって思われたんだよ。別に男女での買い物=デートってわけじゃないのにな……。あいつらが単純すぎるんだよ」
「ふ~ん」
スピカはそう呟いた。
「ふ~んって興味ないのか……。はあ……。もう帰ったら甘いものでも食べようっと……」
「男が甘いもの~?」
「わ、悪いかよ!甘いもの好きで悪かったね!」
「悪いとは言ってない。ただ珍しかっただけ~」
スピカはおかしくて笑った。
「早く帰りましょ!」
スピカは昴の手を引いて走り出した。
「お、おい。いきなり走り出すな!」
昴は慌てた。
住宅街の道を昴とスピカは走ったのだった。
次の日、スピカは思いがけない連絡を受けた。
『スピカ。俺は今地球に向かっている』
「カノープス!?どうしたの?」
『ミラがそっちに来ている』
「ミラが?彼女には会ってないけど……」
『彼女はやばいのはわかるな?』
「ええ……」
はっきり言ってミラはスピカより強い。このままじゃ昴を守りきれないかもしれない。スピカはそう思った。
『お前一人なら対処できないかもしれないが俺がいれば何とかなるだろ。なにせ最強のコンビだからな』
「はいはい……。それ何回も聞きましたよ」
スピカは呆れた。
『信じてないな?とにかく俺もそっちに行くからそれまでなんとか持ちこたえろよ!』
「わかったわ」
『幸運を祈る!』
スピカの返事を切るとカノープスは通信を切った。
「ミラか……。昴を守り切れるの……?」
スピカは不安げに画面を見つめていたのだっ
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