青き真珠

6.宇宙へ

昴は終業式を終えて家へと急ぐために仕度をしていた。
「はあ~。やっと終わったな」
伸びをしながら大川が声をかけてくる。
「ああ。これで思う存分楽しめるな」
昴も同意した。
「そういえばお前女の子と付き合っているんだって?」
「はあ?」
昴は面食らった。そんな話どこから出た。
「付き合ってないけど……」
「この間女の子とカフェにいただろう。金髪のかわいい子!」
スピカにカフェで過去を話したときだ。あれを見られていたのか……。と昴は思った。
「いや、彼女はただの友達だって」
「うそ!だって随分前に二人でデパートに出かけてたじゃない!」
川瀬が後ろから言ってくる。
その時はスピカと「ミルキーウェイ」に日用品を買いに出かけていた。二週間くらい前の話だ。
(たしかあの後エルナトとアルデバランに襲われたんだよな……)
昴はしみじみと思い出した。二週間しかたっていないのになんてこい密度を過ごしたのだろう。
「あれはただの付き合い。彼女とはただの友達だって」
昴は弁解した。
「本当~?あんなに仲好さそうだったのに」
川瀬は疑わしそうな目で見た。
「いいよな~。俺も可愛い子と出かけたい」
「いやだから……」
それから昴は二人の誤解を解くのに忙しかったのだった。


そのころ一台の宇宙船が星降湖に着陸した。中から銀髪に紅い瞳の少女が降りてきた。
「ようこそおいで下さいました。ミラ」
アルデバランが少女を出迎えて言った。
「これまでの働きごくろうだった。ここからは私が指揮を執る」
「「ははっ!!」」
エルナトとアルデバランは敬礼した。
「スピカ・コルベール……。すぐにお前をひねりつぶしてやる……!待ってろよ!」
ミラは呪詛のように言ったのだった。
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