従姉妹たちと文化祭
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そのまま話をしていると声が聞こえた。
「ちょっと離せよ!」
「いいじゃない。それとも恥ずかしいの?」
「苺鈴……。小狼がちょっと歩きにくそうだよ」
「なによ。小龍は小狼にくっつくなって言いたいの?」
「違うよ。腕を組むだけにしろって言っているの。このままだと苺鈴も小狼もどっちも転んで危ないだろ?」
「小龍は誰の味方なんだ……」
「う~ん。誰の味方でもないかな。ただ好きな人とくっつきたいという苺鈴の気持ちはわかるかなねぇ……」
「小龍は木之本すみれさんと付き合い始めてからこういうのに理解があるようになったわよね」
「おまえなあ……」
「青春ねぇ。私も気分が若くなるような気がするわ」
聞き覚えのある声だった。
「え……。これって……」
「李君たち!?」
さくらの驚いた声が聞こえる。
「あら、木之本さんたちじゃない」
苺鈴が気づいた。
「すみれちゃんたちも来ていたのね」
紅花がそう声をかけながらすみれたちのテーブルにやってきて座る。
「紅花叔母上。どうしてそこに座るのですか」
「どうしてとは? 小狼」
「なぜそこに座るのかという話です」
「だってすみれちゃんたちとお話したかったし。それにまだ空いているじゃない」
「そういう問題じゃないです……」
小狼が項垂れる。
「紅花叔母上が自由な人だって言うのは分かっていたことじゃないか……」
「姉上たちといい。どうしてうちの女性陣は自由なんだ」
「せめて座る前に許可を取るくらいをしてほしいと思うのは僕たちの我儘かなあ……」
小龍が遠い目をする。
「ねえ、君たちも座りなよ」
項垂れているのが可愛そうになって広美は声をかけた。
「あ、はい。そうします。それにしてもお久しぶりですね。美咲さん」
小龍がにこやかに言った。
「お久しぶりね。李小龍君。すみれちゃんたちの誕生日以来かしら?」
「ええ。そうですね」
小龍は頷いた。
「それですみれちゃんとはどう? 仲良くやっている」
「え、ええ//……。まあ……」
小龍の顔が赤くなる。
「広美おねえさん!」
訊いていたすみれの顔も赤くなった。
「仲が良くてよかったわ」
広美は微笑んだ。
「そっちの二人は初めてよね? 私は美咲広美。すみれちゃんたちとは従姉妹の関係に当たるの」
「広美お姉さんはとっても優しいの! 運動神経も抜群で勉強もできるの!」
「ありがとう、さくらちゃん」
自慢げに言うさくらに広美は微笑んだ。
「あ、そういえばこちらの二人を紹介していませんでしたね。僕の三つ子の弟の小狼と従姉妹の苺鈴です」
「……よろしく」
ちょっと不機嫌そうに小狼は答えた。
「もう。小狼は無愛想すぎ。ごめんなさいね、失礼で」
「いいえ。気にしていないわ」
広美は言った。
(おそらく李小狼君が私もにらんでいるのは私の魔力が関係しているはず……。おそらく彼は『月』の魔力に近い性質を持っているのね)
広美は自分の魔力が『太陽』に近いことを自覚していた。だからこそ小狼は自分のことを気に喰わないのだろうなと思った。
「よろしく。美咲さん。私は小狼の婚約者なの!」
「へえ。婚約者なのね~。とてもお似合いだと思うわ」
「でしょう。私と小狼はお似合いなんですから!」
苺鈴はそう言われて嬉しそうだ。
「苺鈴ちゃん、うれしそう」
「……苺鈴は小狼の婚約者だというと大体驚かれるからねぇ」
紅花は苦笑しながら言った。
「そういえばすみれ。大道寺さんたちと向川さんは?」
いつもそばにいる智世、知世、実世の大道寺家の三つ子と美空がいないことに気付いてあたりを小龍はきょろきょろし始めた。
「ああ。智世ちゃんたちは家の用事で後から来ることになっているの。お兄ちゃんたちの出し物のところで待ち合わせしているんだよ」
「へえ……。通りで見当たらないと思った」
「それにしても驚いたよ。小龍たちも来ているんだもの」
「叔母上に引っ張られてね。すみれと来ることができたらよかったのにって思っていたんだ」
「…な……!」
すみれの顔が赤くなる。
「すみれは? 同じこと思っていた?」
「ちょ、ちょっとは思ったかもしれない……。いないのは残念だけど、来年は小龍と行きたいなって……」
「え、あ……」
小龍の顔も赤くなり、二人でもじもじとしていた。
「ベストショットですわ!」
「うんうん、いい感じ!」
声が聞こえて2人は我に返った。
「ち、智世ちゃん!?」
「向川さん!?」
二人は美空と智世がいることに驚いた。
「いつからいたの……?」
「すみれと来ることができたら~のあたりから」
美空の言葉に小龍は赤くなった。恥ずかしい言葉を聞かれていたのだ。
「恥ずかしいのを聞かれていた……」
「で、でも。格好良かったよ」
「そ、そうかな……。ってイタッ!」
照れていたら小龍が頭を小突かれた。
「何照れているのよ。このクソガキ」
「このっ!」
やってきて頭を小突いた小龍は梅香を睨みつける。おそらくちょうど通りがかりにコツンと頭を叩いたに違いない。
「やるのか?」
二人はにらみ合う。その向こうをみると桃矢と小狼がにらみ合っていた。
「桃矢君たちは相変わらず妹が可愛いのね」
きっと妹にくっつく男が気に入らないのだ。
「やっぱりそう思います? 妹にくっつく悪い虫を追い払いたいんだと思っています」
「でしょうね。でもそろそろ止めないとね」
広美はそう言って桃矢たちの方に向かった。
「桃矢君、梅香ちゃん。何、小学生につかかっているの?」
「だけど広美。こいつが……」
梅香が小龍を指す。
「だってじゃありません。何が気に喰わないの?」
「「全部」」
「生意気だし、転校初日にさくらにつかかった」
「うんうん。すみれにつかかったくせに今は仲がいいのがむかつくのよ」
「昔はそうだったかもしれないけど、今は違うでしょう?」
広美はため息を吐いた。
「桃矢~! 梅香~!」
「フルーツタルトを持ってきたわよ」
雪兎と聖奈がやってきた。
その時にすみれとさくらの鞄が激しく動いた気がした。
「はい。フルーツタルトだよ。君も食べる?」
「あ、あの……」
雪兎に微笑まれた小狼の顔が赤くなる。
「小狼どうしたの?」
赤くなっている小狼を苺鈴が不思議そうな顔でみた。
「しばらくしたら元に戻るから大丈夫」
小龍はそう言った。いつものことだ。
「雪兎君と聖奈ちゃんはタイミングがいいというべきか、空気が読めないというべきか…」
小龍と苺鈴の会話を聞きながら広美は苦笑した。
「広美さんはこの後、色々見て回るんだよね?」
「ええ」
聖奈の言葉にうなずく。
「なら一緒に回らない? これから休憩だから案内がてら雪兎と一緒に」
「いいの?」
「ええ。梅香や桃矢からも言われているし。案内がてら一緒に回ってくれって」
「ならお願いするわ」
願ってもないことだ。ここの高校には詳しくないし、聖奈と雪兎と一緒に回ったらさくらたちが喜ぶ。
(それに聖奈ちゃんや雪兎君ともっとお話ししたいしね)
そう心の中で思いながら広美は雪兎や聖奈と一緒に回ることになったことをさくらたちに説明した。
さくらがとても喜んだのは言うまでもない。
「ちょっと離せよ!」
「いいじゃない。それとも恥ずかしいの?」
「苺鈴……。小狼がちょっと歩きにくそうだよ」
「なによ。小龍は小狼にくっつくなって言いたいの?」
「違うよ。腕を組むだけにしろって言っているの。このままだと苺鈴も小狼もどっちも転んで危ないだろ?」
「小龍は誰の味方なんだ……」
「う~ん。誰の味方でもないかな。ただ好きな人とくっつきたいという苺鈴の気持ちはわかるかなねぇ……」
「小龍は木之本すみれさんと付き合い始めてからこういうのに理解があるようになったわよね」
「おまえなあ……」
「青春ねぇ。私も気分が若くなるような気がするわ」
聞き覚えのある声だった。
「え……。これって……」
「李君たち!?」
さくらの驚いた声が聞こえる。
「あら、木之本さんたちじゃない」
苺鈴が気づいた。
「すみれちゃんたちも来ていたのね」
紅花がそう声をかけながらすみれたちのテーブルにやってきて座る。
「紅花叔母上。どうしてそこに座るのですか」
「どうしてとは? 小狼」
「なぜそこに座るのかという話です」
「だってすみれちゃんたちとお話したかったし。それにまだ空いているじゃない」
「そういう問題じゃないです……」
小狼が項垂れる。
「紅花叔母上が自由な人だって言うのは分かっていたことじゃないか……」
「姉上たちといい。どうしてうちの女性陣は自由なんだ」
「せめて座る前に許可を取るくらいをしてほしいと思うのは僕たちの我儘かなあ……」
小龍が遠い目をする。
「ねえ、君たちも座りなよ」
項垂れているのが可愛そうになって広美は声をかけた。
「あ、はい。そうします。それにしてもお久しぶりですね。美咲さん」
小龍がにこやかに言った。
「お久しぶりね。李小龍君。すみれちゃんたちの誕生日以来かしら?」
「ええ。そうですね」
小龍は頷いた。
「それですみれちゃんとはどう? 仲良くやっている」
「え、ええ//……。まあ……」
小龍の顔が赤くなる。
「広美おねえさん!」
訊いていたすみれの顔も赤くなった。
「仲が良くてよかったわ」
広美は微笑んだ。
「そっちの二人は初めてよね? 私は美咲広美。すみれちゃんたちとは従姉妹の関係に当たるの」
「広美お姉さんはとっても優しいの! 運動神経も抜群で勉強もできるの!」
「ありがとう、さくらちゃん」
自慢げに言うさくらに広美は微笑んだ。
「あ、そういえばこちらの二人を紹介していませんでしたね。僕の三つ子の弟の小狼と従姉妹の苺鈴です」
「……よろしく」
ちょっと不機嫌そうに小狼は答えた。
「もう。小狼は無愛想すぎ。ごめんなさいね、失礼で」
「いいえ。気にしていないわ」
広美は言った。
(おそらく李小狼君が私もにらんでいるのは私の魔力が関係しているはず……。おそらく彼は『月』の魔力に近い性質を持っているのね)
広美は自分の魔力が『太陽』に近いことを自覚していた。だからこそ小狼は自分のことを気に喰わないのだろうなと思った。
「よろしく。美咲さん。私は小狼の婚約者なの!」
「へえ。婚約者なのね~。とてもお似合いだと思うわ」
「でしょう。私と小狼はお似合いなんですから!」
苺鈴はそう言われて嬉しそうだ。
「苺鈴ちゃん、うれしそう」
「……苺鈴は小狼の婚約者だというと大体驚かれるからねぇ」
紅花は苦笑しながら言った。
「そういえばすみれ。大道寺さんたちと向川さんは?」
いつもそばにいる智世、知世、実世の大道寺家の三つ子と美空がいないことに気付いてあたりを小龍はきょろきょろし始めた。
「ああ。智世ちゃんたちは家の用事で後から来ることになっているの。お兄ちゃんたちの出し物のところで待ち合わせしているんだよ」
「へえ……。通りで見当たらないと思った」
「それにしても驚いたよ。小龍たちも来ているんだもの」
「叔母上に引っ張られてね。すみれと来ることができたらよかったのにって思っていたんだ」
「…な……!」
すみれの顔が赤くなる。
「すみれは? 同じこと思っていた?」
「ちょ、ちょっとは思ったかもしれない……。いないのは残念だけど、来年は小龍と行きたいなって……」
「え、あ……」
小龍の顔も赤くなり、二人でもじもじとしていた。
「ベストショットですわ!」
「うんうん、いい感じ!」
声が聞こえて2人は我に返った。
「ち、智世ちゃん!?」
「向川さん!?」
二人は美空と智世がいることに驚いた。
「いつからいたの……?」
「すみれと来ることができたら~のあたりから」
美空の言葉に小龍は赤くなった。恥ずかしい言葉を聞かれていたのだ。
「恥ずかしいのを聞かれていた……」
「で、でも。格好良かったよ」
「そ、そうかな……。ってイタッ!」
照れていたら小龍が頭を小突かれた。
「何照れているのよ。このクソガキ」
「このっ!」
やってきて頭を小突いた小龍は梅香を睨みつける。おそらくちょうど通りがかりにコツンと頭を叩いたに違いない。
「やるのか?」
二人はにらみ合う。その向こうをみると桃矢と小狼がにらみ合っていた。
「桃矢君たちは相変わらず妹が可愛いのね」
きっと妹にくっつく男が気に入らないのだ。
「やっぱりそう思います? 妹にくっつく悪い虫を追い払いたいんだと思っています」
「でしょうね。でもそろそろ止めないとね」
広美はそう言って桃矢たちの方に向かった。
「桃矢君、梅香ちゃん。何、小学生につかかっているの?」
「だけど広美。こいつが……」
梅香が小龍を指す。
「だってじゃありません。何が気に喰わないの?」
「「全部」」
「生意気だし、転校初日にさくらにつかかった」
「うんうん。すみれにつかかったくせに今は仲がいいのがむかつくのよ」
「昔はそうだったかもしれないけど、今は違うでしょう?」
広美はため息を吐いた。
「桃矢~! 梅香~!」
「フルーツタルトを持ってきたわよ」
雪兎と聖奈がやってきた。
その時にすみれとさくらの鞄が激しく動いた気がした。
「はい。フルーツタルトだよ。君も食べる?」
「あ、あの……」
雪兎に微笑まれた小狼の顔が赤くなる。
「小狼どうしたの?」
赤くなっている小狼を苺鈴が不思議そうな顔でみた。
「しばらくしたら元に戻るから大丈夫」
小龍はそう言った。いつものことだ。
「雪兎君と聖奈ちゃんはタイミングがいいというべきか、空気が読めないというべきか…」
小龍と苺鈴の会話を聞きながら広美は苦笑した。
「広美さんはこの後、色々見て回るんだよね?」
「ええ」
聖奈の言葉にうなずく。
「なら一緒に回らない? これから休憩だから案内がてら雪兎と一緒に」
「いいの?」
「ええ。梅香や桃矢からも言われているし。案内がてら一緒に回ってくれって」
「ならお願いするわ」
願ってもないことだ。ここの高校には詳しくないし、聖奈と雪兎と一緒に回ったらさくらたちが喜ぶ。
(それに聖奈ちゃんや雪兎君ともっとお話ししたいしね)
そう心の中で思いながら広美は雪兎や聖奈と一緒に回ることになったことをさくらたちに説明した。
さくらがとても喜んだのは言うまでもない。
