さくらの三つ子の姉です。髪の色以外は撫子さんに生き写しです。
第七十八話 母の思い出
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すみれは雑木林の中に立っていた。
(ここは……)
見覚えのあるようでない場所だ。
首を傾げながら歩くと知っている人物を見つける。
「さくら」
三つ子の妹の名前を呼ぶ。
しかし彼女はすみれに気づかなかったようにふらふらと歩きだす。
「危ないよ。さくら!」
すみれは慌てて引き留めようとする。なぜなら彼女は崖の方に向かっていたからだ。
「さくらってば!」
何度も呼ぶが無視される。
「こうなったら……!」
手を伸ばすが届かない。熱に浮かれたように崖の方へと向かっていくのみだ。
そしてついにさくらは崖から落ちてしまう。
「さくら──!」
すみれは自分の叫び声で目を覚ました。
「はあ、はあ、はあ……」
汗をびっしょりとかいてすみれは目を覚ます。
「さっきの夢は……」
さくらが崖から落ちるなんて悪夢だ。しかも助けようとして手が届かなかった。
「すみれ、大丈夫?」
アップルティーアが心配そうにこちらを見てくる。
「大丈夫。夢見が悪かっただけ……」
安心させようと無理にほほ笑む。
「何の夢を見たの?」
アップルティーアが訊いてくる。
「さくらが崖から落ちる夢……。夢だよね?」
「う~ん……。魔力の強い人が見る夢は予知夢のことがあるからわからないな……」
「そんな……」
手が届かず妹が崖から落ちる。考えただけでぞっとする。
「すみれ、大丈夫よ。手が届かなかったのなら変えればいいから」
何とか元気づけようとアップルティーアは慰める。
「すみれさん─!」
「は~い! 行かなきゃ」
すみれはばたばたと準備をして下に向かおうとする。
「あ、そうだ。便箋借りてもいい?」
「いいよ。手紙を出したいの?」
「うん、そんなとこ」
アップルティーアが頷く。
「ならいいよ。あとで私もアリアちゃんに手紙を出すから一緒にしておくね」
「ありがとう、すみれ」
「どういたしまして」
すみれはそう返事をすると1階に向かった。
「よし」
部屋からすみれがいなくなるとアップルティーアは頷いて真の姿に戻った。
「あまり返事くれないけど頼るしかないのよ」
そういって便箋を取り出すとアップルティーアは手紙を書き始めた。
(ここは……)
見覚えのあるようでない場所だ。
首を傾げながら歩くと知っている人物を見つける。
「さくら」
三つ子の妹の名前を呼ぶ。
しかし彼女はすみれに気づかなかったようにふらふらと歩きだす。
「危ないよ。さくら!」
すみれは慌てて引き留めようとする。なぜなら彼女は崖の方に向かっていたからだ。
「さくらってば!」
何度も呼ぶが無視される。
「こうなったら……!」
手を伸ばすが届かない。熱に浮かれたように崖の方へと向かっていくのみだ。
そしてついにさくらは崖から落ちてしまう。
「さくら──!」
すみれは自分の叫び声で目を覚ました。
「はあ、はあ、はあ……」
汗をびっしょりとかいてすみれは目を覚ます。
「さっきの夢は……」
さくらが崖から落ちるなんて悪夢だ。しかも助けようとして手が届かなかった。
「すみれ、大丈夫?」
アップルティーアが心配そうにこちらを見てくる。
「大丈夫。夢見が悪かっただけ……」
安心させようと無理にほほ笑む。
「何の夢を見たの?」
アップルティーアが訊いてくる。
「さくらが崖から落ちる夢……。夢だよね?」
「う~ん……。魔力の強い人が見る夢は予知夢のことがあるからわからないな……」
「そんな……」
手が届かず妹が崖から落ちる。考えただけでぞっとする。
「すみれ、大丈夫よ。手が届かなかったのなら変えればいいから」
何とか元気づけようとアップルティーアは慰める。
「すみれさん─!」
「は~い! 行かなきゃ」
すみれはばたばたと準備をして下に向かおうとする。
「あ、そうだ。便箋借りてもいい?」
「いいよ。手紙を出したいの?」
「うん、そんなとこ」
アップルティーアが頷く。
「ならいいよ。あとで私もアリアちゃんに手紙を出すから一緒にしておくね」
「ありがとう、すみれ」
「どういたしまして」
すみれはそう返事をすると1階に向かった。
「よし」
部屋からすみれがいなくなるとアップルティーアは頷いて真の姿に戻った。
「あまり返事くれないけど頼るしかないのよ」
そういって便箋を取り出すとアップルティーアは手紙を書き始めた。
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