『昨日から降り続いている雨は友枝町のみに降り続いており……』
テレビのニュースでそんなことを言っている。
「すみれ。聖奈をここに呼べない？」
目覚めて下に行こうとするすみれにアップルティーアがそんなことを言った。
「いいけどなんで？」
聖奈を呼ぶ理由がわからない。
「私はルナに用があるの。確かめたいことがある……」
アップルティーアの顔は真剣だった。
「お姉ちゃんに訊いてみるね」
すみれはそう言って下へ向かった。
下へ向かうと姉の梅香が朝食の準備をしていた。
「ね、ねえ。お姉ちゃん……」
すみれは緊張しながら梅香に声をかける。
「聖奈さん、今日暇かな……」
「はあ？」
梅香が怪訝な顔をする。
「今日、呼べないかなって……」
すみれの顔をみてなにか悟ったのか梅香が言った。
「おいしいものがあれば来るんじゃない？」
「ありがとう！　私、頑張って作る！」
すみれは顔を輝かせた。
「無茶しないでよ……」
梅香はそんなすみれを見て呟いたのだった。