さくらの三つ子の姉です。撫子さんに生き写しです。
第五十七話 小龍とエレベーター
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ガチャリ。
小龍は家に帰ってきた。
「お帰り」
叔母の紅花が声をかけてくる。
「叔母上。今日は早いのですね」
日本で李家の仕事をしている紅花の帰宅時間はまちまちだ。今日は比較的早い時間に帰れたようだ。
「まあね、今日の敵はそんなに強くなかったし。あと、小狼と小琳から電話が来ていたわよ」
「小狼と小琳から?」
小狼と小琳は香港にいる小龍の三つ子の弟たちだ。三人ともあまり喋らないほうなので会話があまりないが、一般的な兄弟の関係は築けているのではと彼は勝手に思うことにしている。
「いつ帰ってくるのかだってさ。可愛いよね~」
可愛くないだの無愛想だの言われる弟たちをかわいいと言い切れるのは姉たちとこの叔母だけだと小龍は確信している。
「冬休みには帰ってくると、後で彼らに伝えます」
「そう。それがいいわ。それよりももっと大事なことがあるのよ」
紅花の真剣な顔に小龍の背筋が伸びる。
よほど大事なことなのだろうか。
「すみれちゃんのことどう思っている?」
「木之本さんのことですか。別にただのいい友人だと……」
「嘘」
きっぱりと言われて小龍はひるんだ。
「あなたはすみれちゃんのことをただの友人だとは思っていないはずよ。意識しているのわかっているんだから」
「僕は別に……。というより意識しているのはあの人で……」
しどろもどろになってしまう。
「はあ~。ここまで鈍感だとすみれちゃんを落とせるのはいつになることやら……」
紅花は嘆いた。
「変なこと言わないでくださいよ。僕は宿題をやりますので、夕飯ができるまで呼ばないでください」
きっぱりと言うと小龍は部屋に引きこもった。
「ねえ、衛」
「なんでしょう? 紅花様」
穏やかな顔でお付きの衛が言った。
「あの子が自分の正直な気持ちに気づくのはいつなんでしょうね? 月ヶ崎聖奈に懸想しているのは彼女のルナの月の気配に惑わされているだけ。本当の気持ちはすみれちゃんに向いているはず……」
「おっしゃる通りでございます」
衛はお茶の入ったカップを紅花の前に置く。
「早くくっついてくれないかな~。それも無理かな~。あの子、気づいたとしてもヘタレだからなかなか告白しないだろうし。でもくっついてほしい。私としてもすみれちゃんのことは気に入っているのよ」
「そうなることを願いましょう」
「ええ、そうね」
紅花はカップを飲み干した。
小龍は家に帰ってきた。
「お帰り」
叔母の紅花が声をかけてくる。
「叔母上。今日は早いのですね」
日本で李家の仕事をしている紅花の帰宅時間はまちまちだ。今日は比較的早い時間に帰れたようだ。
「まあね、今日の敵はそんなに強くなかったし。あと、小狼と小琳から電話が来ていたわよ」
「小狼と小琳から?」
小狼と小琳は香港にいる小龍の三つ子の弟たちだ。三人ともあまり喋らないほうなので会話があまりないが、一般的な兄弟の関係は築けているのではと彼は勝手に思うことにしている。
「いつ帰ってくるのかだってさ。可愛いよね~」
可愛くないだの無愛想だの言われる弟たちをかわいいと言い切れるのは姉たちとこの叔母だけだと小龍は確信している。
「冬休みには帰ってくると、後で彼らに伝えます」
「そう。それがいいわ。それよりももっと大事なことがあるのよ」
紅花の真剣な顔に小龍の背筋が伸びる。
よほど大事なことなのだろうか。
「すみれちゃんのことどう思っている?」
「木之本さんのことですか。別にただのいい友人だと……」
「嘘」
きっぱりと言われて小龍はひるんだ。
「あなたはすみれちゃんのことをただの友人だとは思っていないはずよ。意識しているのわかっているんだから」
「僕は別に……。というより意識しているのはあの人で……」
しどろもどろになってしまう。
「はあ~。ここまで鈍感だとすみれちゃんを落とせるのはいつになることやら……」
紅花は嘆いた。
「変なこと言わないでくださいよ。僕は宿題をやりますので、夕飯ができるまで呼ばないでください」
きっぱりと言うと小龍は部屋に引きこもった。
「ねえ、衛」
「なんでしょう? 紅花様」
穏やかな顔でお付きの衛が言った。
「あの子が自分の正直な気持ちに気づくのはいつなんでしょうね? 月ヶ崎聖奈に懸想しているのは彼女のルナの月の気配に惑わされているだけ。本当の気持ちはすみれちゃんに向いているはず……」
「おっしゃる通りでございます」
衛はお茶の入ったカップを紅花の前に置く。
「早くくっついてくれないかな~。それも無理かな~。あの子、気づいたとしてもヘタレだからなかなか告白しないだろうし。でもくっついてほしい。私としてもすみれちゃんのことは気に入っているのよ」
「そうなることを願いましょう」
「ええ、そうね」
紅花はカップを飲み干した。
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