東京タワー近くのビルの上に中国式の青い式服を着た少年が立っていた。すみれではない。
周りにはリディアカードが舞っている。近くにアップルティーアが浮かんでいる。
なにもかもいつもの夢と同じだ。ただ、人物が違うだけで……


「すみれ！すみれ！」
アップルティーアが呼んでいる。
それですみれは目を覚ますことができた。
「大丈夫？うなされていたけど……」
心配そうにアップルティーアがすみれを覗きこんでくる。
「大丈夫……。ちょっと夢をみただけ……」
「夢？夢ってなんの？」
そこですみれは夢の話をした。
「中国服を着た少年ね……。予知夢の可能性があるかもしれないわ」
「予知夢？」
「魔力を持っている人間は予知夢を見ることがあるの。もしかしたらその中国服を着た少年がかかわってくる可能性があるかもしれないわ」
「どうやって？」
「それはわからない……。でもすみれはすみれらしくしておけば大丈夫よ」
「そうだね。そうだよね！」
すみれはアップルティーアの言葉に頷くと元気よく朝の支度にかかったのだった。


「おはよう！」
すみれは一階に降りて言った。
「おそよう。怪獣」
桃矢がからかってくる。
「すみれ怪獣じゃないもん！」
「それにしても朝っぱらからなにうなされてるのよ。隣の部屋まで響いたわよ。さすが怪獣」
梅香もからかってくる。
「だ・か・ら！すみれは怪獣じゃないもん！」
そう言ってすみれは思いっきり兄と姉の足を踏んだ。
しばらく二人は痛さで悶絶していたがさくらとあやめが降りてくるとまたからかった。こりない人たちである。