「うわあ！きれい！」
すみれは歓声を上げた。目の前には花園が広がっている。すみれたちは学校の行事としてフラワーガーデンに来ていた。
「本当。綺麗ね～」
「素敵ですわね～」
美空と智世も頷く。
「はい！並んで～」
担任の碧先生が生徒を集める。
「この責任者、牧野さんがみなさんにガーデニングのコツについて話してくれます」
碧先生に言われて牧野さんが話しはじめる。
「ガーデニングのコツというのは――」
「楽しみですわね」
「うん。種をもらって育てることが出来るんだよね。私、花を育てるの初めてだから楽しみ」
「まあそうですか。無事育てることが出来たら見せて下さいね」
「うん。最初に智世ちゃんに見せるね」
「まあ、ありがとうございます」
智世はそう言ってほほ笑んだ。


やがてすみれたちは自由にフラワーガーデンを見ることになった。
「なんか色々な花があるね～」
「うん。本当ね。バラやアネモネ、ベゴニア、チューリップなどたくさんあるね。」
「美空よく知っているわね」
「お母さんが花好きだから……」
「へえ～。香恋さんこういうの好きなんだね」
香恋とは美空の母の名前である。すみれは幼いころ彼女によくお世話になったのだ。
「家に今度来る？いろんな花が見れるよ」
「行こうかな。智世ちゃんも来るよね？」
「ええ。ぜひお願いしますわ」
「了解。それじゃあお母さんに聞いてみないとね」