「それっ！」
「うおっ！」
男の子はすみれが当てたボールに驚いて悲鳴を上げた。
すみれたちは体育でドッジボールをしていた。
「すみれちゃん、すご～い！」
奈緒子が感心した。すみれがひとりで何発も当てているからだ。
「すみれちゃんたちって運動神経いいわよね」
「本当ね。おかげで私たちのチーム勝てているけど」
千鶴と奈菜が言う。
「さくら～！ボールパス！」
「ＯＫ！すみれ！」
すみれがボールをよこす。
すかさずすみれはボールを投げて相手チームの子に当てた。
また歓声が上がったのだった。


「結局、すみれちゃんたちのチームが勝ったわね」
帰り道に瑠衣が言った。
「すみれちゃんとさくらちゃんとあやめちゃんが一つのチームにいる時は勝敗はやる前から決まってしまうのよね」
「そうそう。そのチームに美空ちゃんが加わるともう無敵って感じね」
沙希の言葉に真子が頷いた。
「すみれちゃんたちうちのクラスの女子の四強だものね」
「そうかな？」
すみれにはそういう自覚はなかったので奈菜の言葉には首を傾げざるを得なかった。
そのままみんなでおしゃべりをしながら帰っていると雨が降ってきた。
「雨？天気予報では雨ってなっていなかったけど？」
空を見上げながら美空が言った。
「予報なんて外れるものよ。濡れないうちに帰った方がいいわね」
千鶴の言葉にみんな頷くと急いで家へと急いだのだった。
「も～。急に降ってくるんだから！」
あやめが愚痴る。
「傘持ってくるべきだったわね」
「予想外だったね」
すみれの言葉にさくらは頷く。
「そういえば、洗濯物は無事かな？」
「「あ！」」
さくらの言葉に慌てて姉妹は洗濯物をしまいに行ったのだった。