すみれは肩より少し長い髪にカチューシャをしている真子に誘われて友枝動物園に来ていた。
メンバーはすみれ、さくら、あやめ、智世、美空、真子、千鶴、瑠衣、奈菜、奈緒子、沙希、そして腰までの長い黒髪にカチューシャをしている真子の姉の実子。
「ふふふ～ん♪」
「すみれちゃん、嬉しそうですわ」
智世がビデオを手に言う。
「だって動物園、好きだもの」
すみれはにこにこしながら言った。
「真子ちゃん、誘ってくれてありがとうね」
美空が真子にお礼を言う。
「いえいえ。でも、なんでお姉ちゃんまで一緒なんだろう……」
真子は姉の実子が付き添いとしてついてきているのが気に入らないようだ。
「仕方ないと思うよ。小学校低学年だけで遊びに行くのが不安だったんだよ」
「そうかなあ？」
美空の言葉に真子は首を傾げた。
すみれは真子の気持ちも分かるような気がした。兄や姉の存在ってたまにうっとおしくなるものだ。
やがてカワウソのところにすみれたちは来ていた。
「可愛い～」
「カワウソさんだ～」
「いいね～」
すみれとさくらとあやめはカワウソにメロメロだ。
その様子を智世が撮影していく。
事件はその時起きた。
カワウソが渦に巻き込まれておぼれたのだ。
「カワウソが！」
「カワウソさん！」
「可哀そう！」
すみれとさくらとあやめが悲鳴を上げる。
やがてさくらがカワウソのアクリルガラスをたたき始めた。
「カワウソさん……！」
「さくらちゃん！？」
「さくらちゃん、やめなよ……」
あわてて千鶴と奈菜が止める。


「まただわ……」
実子が呟く。
「またってなんですか？」
瑠衣が不思議に思ったのか訊いた。
「ここ最近この動物園、動物が溺れる事件が相次いでいるの……」
「何回も起きているってことですか？」
「ええ……」
沙希の言葉に実子は頷いた。
「これってミステリーだね……」
奈緒子が言う。
「そうね……。でも、変ね……」
美空はそう言うとなにかを考え込んだ。
(調べる必要がありそうね……)