友枝小学校では体育の授業をしていた。
「さくらもあやめも運動神経いいな～。」
すみれはさくらとあやめが跳び箱をやっているのを見ながら言った。
「すみれだって運動神経いいじゃない。」
美空がすみれの呟きを聞いて言った。美空は体育だから腰まである髪をポニーテールに結んでいた。
「でもさくらには負けるよ。」
「それでもクラスの中ではトップクラスじゃない。」
「クラスで一番運動神経がいい人に言われてもね～。」
「そうかな？」
「そうよ。この間、いじめっ子をぼこぼこにしてたでしょ。」
そんな会話をしているとすみれの名前が呼ばれた。
すみれは跳び箱の所に行くと5段を軽々と飛んだのだった。
「さすがですわ」
智世がすみれをほめる。
「まあ、跳び箱は得意だから……。」
「姉妹揃って運動神経いいなんて素晴らしいですわ～。」
智世はそう言って瞳を輝かせたのだった。