「これを私に、ですか？」
すみれは美空の母に呼び出されて美空の家にいた。
そこで手渡されたのは梅の花が描かれた絵だった。
「綺麗……」
すみれは呟いた。
「昔、撫子のために描いたの。でも結局渡せなくて……」
香恋が呟く。
「お母さんのために……」
「すみれちゃんが持っていた方が撫子もうれしいと思うわ」
香恋はそう言ってほほ笑んだ。
「はい。ありがとうございます！」
すみれはほほ笑んだ。


そのころ、瑠衣と澤田は商店街に来ていた。
「あ、可愛い～」
瑠衣は店先にいっぱい飾ってあるペンギンの縫いぐるみをみてつぶやいた。
「本当にペンギンが好きだな～」
「だって可愛いんだもの～」
「はいはい。次行くぞ」
「うん」
ペンギンの縫いぐるみを置いて瑠衣は去っていこうとした。
すると一人の少女が現れてペンギンの縫いぐるみの棚を押した。
するとペンギンがめちゃくちゃに倒れてしまった。
「すみれ、ちゃん？」
瑠衣はあっけにとられたのだった。