「もう、勘弁して……」
すみれはお昼に机でぐったりとしていた。
「体育や勉強。李君何でもかんでもすみれと張り合うものね」
美空が苦笑しながら言った。
「でも、さっきの体育のバトミントンのサーブ華麗でしたわ」
智世が目をきらきらさせながら言った。
四限目の体育の時間に小龍と勝負をする羽目になりものすごい打ち合いをしたのだ。それこそ授業時間をすべて使っても決着がつかないくらい。
おかげですみれの腕は痛くなった。
「ありがと……。なんでも張り合おうとするのやめてほしいよ。こっちがつかれる」
すみれはぐったりとした。
「お疲れ様。そう言えば千鶴ちゃんが可愛い雑貨屋さんに誘ってくれたの。行かない？」
「行く」
すみれは美空の提案に頷いた。
千鶴はセンスがいいから期待できそうだ。
すみれは放課後が楽しみになった。
「よかった。最近ぐったりしているから元気が出てきたようでうれしい」
「そうですわね。すみれちゃんの笑顔が久しぶりに見れてうれしいですわ」
そう言って智世と美空は微笑んだのだった。
やっぱり彼女には笑顔が似合う。