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魔入りました!入間くん
名前も知らない蕾は、ずっとひとりで揺れていた。
光を知らず、優しさを信じられず、
ただ風の中に立ち尽くしていた――
そんな彼女の前に現れたのは、冷たく厳しい黒。
だけどその瞳は、なぜか怖くなかった。
寡黙で、遠いのに、不思議と目が離せなくて――
学校生活での新しい日々。
不器用な笑顔、ぎこちない会話、戸惑いながらも伸ばされた手。
そのひとつひとつに触れるたび、
少女の中で、何かがやわらかくほぐれていく。
そして気づいたとき、
胸の奥に灯っていたのは、
静かで、消えない“想い”。
これは、咲き方を知らなかった蕾が、
黒に守られ、光に包まれ、
自分の心で花開くまでの、ひとつの恋の物語。
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