花は新たに力を得た
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「収穫祭――それは、バビルス1年生にとって最大の実技試験である」
開会式での宣言が魔獣の咆哮と共に響き渡る。
教師たちが語るその意義は、ただの行事にとどまらない。
「弱肉強食の魔界において、食料の確保は生存の要。
狩り、生を奪い、喰らうその姿こそ、悪魔としての“美”だ!!」
その言葉と共に、バビルス裏庭に広がる巨大ジャングルの全貌が明かされた。
鬱蒼と茂る木々。飛び交う魔獣の鳴き声。刻々と移ろう天候。
そのすべてが、彼らを試すための舞台装置だ。
ルールは単純。
“6666分間、このジャングルで狩り、喰らい、生き残れ”。
入り口は四ヶ所。各ブロックによって、地形や魔獣の種類も異なるという。
収穫祭を前に、アブノーマルクラスの生徒たちが、ひさしぶりに顔を揃えていた。
「……皆、見違えたな」
リードがしみじみと呟く。
「きっと、それぞれ過酷な特訓を乗り越えてきたんだろうな……」
しみじみとしたその空気を、すぐさま打ち砕くのは、当然ながらこのクラスの性だ。
「「まぁ、一番つらかったのは私(僕)(俺)たちだろうけど」」
ぴたり、と空気が止まり。
全員の目が火花を散らすように交錯した。
「……ああ?」
「誰が“いちばん”だって?」
瞬く間に、全員の闘志が燃え上がる。
「収穫祭の結果で、どのチームが一番“成長”したか……決めてやる」
言い出したのは誰でもなく、全員だった。
その言葉に、珍しくうっすらと口角を上げた。
「いいね、乗った」
決意は一致していた。
次の瞬間、全員が肩を組み、円陣を組む。
真ん中に立つイルマが、拳を振り上げた。
「足引っ張ったらぶっ飛ばすぞ!!」
「「「上等じゃおらァァァァァ!!!!!」」」
咆哮と共に、収穫祭が幕を開けた――!
ノア、アスモデウス、サブロのチームは、第1ブロックへと進入した。
目の前に現れたのは、毛むくじゃらでの獣。
雷雲を纏ったような毛並みに、鋭く光る爪。
名は、アメノヒゲトラー(150P)。
「いきなり来たね」
ノアが冷静に構える。
「……入間様と別行動とは……」
アスモデウスが若干の未練をにじませながら、しかし構えた拳に炎を纏わせる。
次の瞬間、アメノヒゲトラーに向かって突進。
火焔の拳が牙を叩き折り、地面へとねじ伏せる。
ノアも側面から飛び出し、小型の魔獣を一体、影からの奇襲で瞬殺する。
「ふー……一撃で倒せるようになってる……」
魔獣たちの死体の山。そこには、確かな実力の証が積み上がっていた。
「まぁまぁ、ポイントたくさん稼いで見てもらえばいいでしょ」
ノアが微笑むと、背後から重たい音が響く。
熊のような巨大魔獣を肩に担ぎ、サブロが姿を現した。
「チーム戦となると…最低5万Pは必要だ。
つまり、狙うはボスクラス」
サブロの言葉に、アスモデウスが地面に図を描く。
「我々は現在この位置……ボスクラスが生息しそうなのは…」
「東奥の洞窟が、いちばん怪しいな」
突然、後ろから割って入る声。
振り返ると、そこには長の少年、イチロ。
その背後に、短髪の静かな気配、ニロが現れる。
「いつの間に!?……気配が全くなかった」
ノアが一歩後ろに下がる。
「なぁ、勝負しないか」
イチロがにやりと笑う。
「どっちが先にボスを倒せるか」
「勝ったら、俺たちのポイントをあげるよ。
その代わり、負けたら……“師匠”を返してもらう」
「……師匠?」
サブロの眉がひくりと動いた。
ニロが前に出て、静かに言う。
「……“あの人”の一番弟子は、俺たちだ。
てめぇらが負けたら、師匠を名乗るのをやめてもらうぜ」
言葉の裏に込められたのは、誇り。
自分たちの“修練”と“絆”にかけた、真っ直ぐな挑戦だった。
「……面白え」
サブロが獰猛な笑みを浮かべる。
アズモデウスが構えをとり、ノアが静かに立ち上がる。