蕾は少しずつ言葉を知る
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朝、教室では
どこか浮足立った雰囲気が漂っていた。
「でさー!ウォルターパークの新アトラクション、マジでやばいらしいよ!」
「血みどろプール、今年は夜間ライトアップあるって!」
「絶叫フェスはアズくんと行きたい〜〜!!」
「ノアちゃん、今度一緒にショッピング行こうよ!服とか雑貨とか!」
活気に満ちた声が飛び交い、教室はまるで休暇前の解放感に包まれていた。
目を丸くして話を聞いていた。
入間も隣で、キラキラとした目で話に耳を傾けている。
「…楽しそう」
「うん……全部、行ってみたい」
そんな2人を見ていたリードが、目を輝かせて前に乗り出す。
「なになに?2人とも今まで行ったことないの!?じゃあさ、みんなで行こうよ、休暇に!」
「えっ……!」
「やったー!!」
一気に沸き立つ教室。クララはノアの手を取り、アズくんは入間にスケジュール帳を突き出す。
「さあ!計画を立てましょうイルマ様!」
「ノアちれかわいい水着持ってる〜?!」
(あ、あわわ……ちょっと、展開が速い……)
と、そこへ――
「……まぁ、テストを乗り切ればの話だがな」
ズゥゥゥン……
その声一つで、教室全体のテンションが一気に暗転した。
カルエゴがいつの間にか教室の後ろに立っていた。
腕を組み、不敵な笑みを浮かべている。
「……ちなみに、補習の監督は私だ」
「ギャアアアアアア!!!!」
教室内は一瞬で地獄絵図に変貌。
床に崩れ落ちる者、机にしがみつく者、現実逃避を始める者……。
ノアは小さく肩をすくめた。
だが、どこかカルエゴの言い方に「遊ばせたい」という気配も感じて、微かに微笑む。
そのとき、教室のドアからオーラを感じ見てみると
にゅっと顔を出したていたのは、バラム先生だった。
その様子に、クラスメイトたちは思わず驚きの声を上げる。
「先生!?なんで!?」「え、怖い……」「何しに来たんだ……」
すると、カルエゴがスッと歩み寄り、バラムの前に立った。
「バラム。先日は助かった」
「カルエゴくんこそ!元気そうで何より」
まさかの普通の会話。
……というか、馴染んだ空気。
生徒たちは一瞬沈黙し――
「カルエゴ先生……仲のいい悪魔いたのか……!!」
と全員が同時に心の中で叫んだ。
思わず口元を押さえて小さく笑った。
(なんか、ちょっとかわいい……)
⸻
そして翌日。
「やっぱみんなで勉強会したほうがよくね!?」
「ナイス提案!持ち寄り式にしよう!」
というジャズとリードの呼びかけで、教室に集まったアブノーマルクラスの面々。
できる子ができる範囲を担当し、不得意な部分は他の子に聞くという形式。
リードが占星学を、アズくんが魔術基礎を、クララが……なんかクララなりの方法で、教えようとする中、
ノアは――薬学の資料を前に、ちょっとだけ眉をひそめていた。
(うーん、やっぱり記号が多くて苦手……)
そんなノアの様子を見て、アズくんがそっとノートをのぞき込む。
「ノア、ここ私がまとめたやつ使うか…?」
「えっ……ありがとう……!」
隣で笑うアズくんのノートには、カラフルで見やすい薬草のイラストが並んでいた。
(あ、これ……わかりやすい)
ノアは顔を上げて、アズくんに笑い返す。
そんな2人を見て、クララが思わず「アズアズ!ずるーい!」と叫び、入間が「わぁ〜仲良いね…」と感涙するのであった。
そしてこの日、ノアはひそかに――
(がんばれば……本当に、休みにみんなと遊びに行けるんだ)
と思い、ペンを握りしめたのだった。