蕾は優しい光に包まれる
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ノアは翼を大きく広げた。
風が肌を打ち、背中をぐっと押してくる。
前を飛ぶクラスメイトたちは、それぞれの速度で空を駆けていた。
(高い……でも、怖くない)
ふわり、と身体が浮かぶ。
そのまま重力を切り離したように、ノアの身体が空へと舞い上がる。
眼下には、無数に並ぶ巨岩。
空には、巣を守る怪鳥たち。
左右からは、動く蔦や攻撃的な花のつるが襲いかかってくる。
けれどノアは、怯まなかった。
見極める。跳ぶ。避ける。回る。
反射の一つ一つが、身体に染みついた技術となってノアを支えていた。
(こんなの、昔の任務よりずっと……ずっと、平和)
笑いそうになる自分をこらえながら、ノアはひとつ大きく旋回した。
ぐんと速度を上げ、つるを紙一重で避け、鋭く飛来した羽を蹴り落とす。
そして――ゴールの旗に、三番手で到達した。
ノアはそっと着地し、翼を畳む。
風を切った身体が、まだじんじんと熱を持っていた。
(……飛べた。ちゃんと、できた)
小さく胸に手を当てる。
どこか、嬉しい。
それからしばらくして、他のクラスメイトたちが次々に帰ってきた。
誰もが息を切らし、笑いながら、騒がしく語り合っている。
(すごいな……)
その輪の中に入る勇気はまだないけれど、嫌な感じはしなかった。
ただ、遠くから眺めているだけで、心のどこかが少しだけ温かくなる。
だが、時間が経ってもまだ戻ってこない者がいた。
「……遅いな」
「入間とサブノック、何やってんだ?」
誰かがそう言った直後――
「……!! あれ、なんだ!?」
誰かの叫びと共に、空から影が差す。
巨大な怪鳥の背に、入間とサブノックが乗っていた。
怪鳥はゆるやかに旋回しながら地面へと舞い降り、二人を降ろすと飛び去っていった。
「うっそだろ……」
「アイツら、長の背に乗って帰ってきた!?」
どよめきと驚きが広がる中、カルエゴが静かに手を上げる。
「――では、これより位階を発表する」
カルエゴは1匹のフクロウを呼び出し
各々手を入れてそこから出たバッチで位階を決める
「アスモデウス・アリス、4(ダレス)」
「アンドロ・M・ジャズ、2(ベト)」
「ウァラク・クララ、1(アレフ)」
「ノア、3(ギメル)」
(ギメル……? わたし、3……?)
思っていたよりも高い評価に、ノアは目を瞬かせた。
嬉しいけれど、実感がまだ追いつかない。
そして、最後に入間の番がやってきた。
カルエゴの手にあるフクロウ型の位階測定具に、入間が手を差し入れる。
その瞬間――フクロウが叫び声を上げ、金色の光を放って空へ飛び去っていった。
「な、なんだ!? どうなってる!?」
入間の手には、金色に輝く大きな指輪がはまっていた。
その指輪から、黒い影のようなものが浮かび上がる。
――ギャァアアアアアア!!
影が断末魔のような叫びを上げ、教室中に響き渡る。
皆が耳を塞ぎ、蹲る中、ノアも頭を抱えてしゃがみ込んだ。
(な、に……これ……)
耳を刺すような叫び。胸を圧迫するような気配。
過去に感じた“死”の気配に、心が一瞬だけ引き戻されそうになる。
でも。
入間がその影を抱きしめ、子守唄を歌っている。
なぜかクララまで加わって、歌を重ねる。
(……なんで。……でも)
影は、徐々に静かになっていく。
(……泣いてたんだ。あの影も)
気づいた時には、ノアもそっとその様子を見つめていた。
だが――
カルエゴが入間に手を伸ばした瞬間
カルエゴの雰囲気が変わりゾクッとした
その手をそっと抑えるように、ふわりと現れた老魔の姿があった。
「こーらっ、それはだーーめっ」
理事長、サリバン。
彼は柔らかく微笑みながら、金の指輪にそっと手をかざし、自らの魔力を注ぎ込む。
すると影は、すうっと静かにおさまり、再び指輪の中へと戻っていった。
こうして、授業は終わりを告げた。
入間の位階は――“測定不能”のため、暫定で一番下の「1(アレフ)」とされる。
風が肌を打ち、背中をぐっと押してくる。
前を飛ぶクラスメイトたちは、それぞれの速度で空を駆けていた。
(高い……でも、怖くない)
ふわり、と身体が浮かぶ。
そのまま重力を切り離したように、ノアの身体が空へと舞い上がる。
眼下には、無数に並ぶ巨岩。
空には、巣を守る怪鳥たち。
左右からは、動く蔦や攻撃的な花のつるが襲いかかってくる。
けれどノアは、怯まなかった。
見極める。跳ぶ。避ける。回る。
反射の一つ一つが、身体に染みついた技術となってノアを支えていた。
(こんなの、昔の任務よりずっと……ずっと、平和)
笑いそうになる自分をこらえながら、ノアはひとつ大きく旋回した。
ぐんと速度を上げ、つるを紙一重で避け、鋭く飛来した羽を蹴り落とす。
そして――ゴールの旗に、三番手で到達した。
ノアはそっと着地し、翼を畳む。
風を切った身体が、まだじんじんと熱を持っていた。
(……飛べた。ちゃんと、できた)
小さく胸に手を当てる。
どこか、嬉しい。
それからしばらくして、他のクラスメイトたちが次々に帰ってきた。
誰もが息を切らし、笑いながら、騒がしく語り合っている。
(すごいな……)
その輪の中に入る勇気はまだないけれど、嫌な感じはしなかった。
ただ、遠くから眺めているだけで、心のどこかが少しだけ温かくなる。
だが、時間が経ってもまだ戻ってこない者がいた。
「……遅いな」
「入間とサブノック、何やってんだ?」
誰かがそう言った直後――
「……!! あれ、なんだ!?」
誰かの叫びと共に、空から影が差す。
巨大な怪鳥の背に、入間とサブノックが乗っていた。
怪鳥はゆるやかに旋回しながら地面へと舞い降り、二人を降ろすと飛び去っていった。
「うっそだろ……」
「アイツら、長の背に乗って帰ってきた!?」
どよめきと驚きが広がる中、カルエゴが静かに手を上げる。
「――では、これより位階を発表する」
カルエゴは1匹のフクロウを呼び出し
各々手を入れてそこから出たバッチで位階を決める
「アスモデウス・アリス、4(ダレス)」
「アンドロ・M・ジャズ、2(ベト)」
「ウァラク・クララ、1(アレフ)」
「ノア、3(ギメル)」
(ギメル……? わたし、3……?)
思っていたよりも高い評価に、ノアは目を瞬かせた。
嬉しいけれど、実感がまだ追いつかない。
そして、最後に入間の番がやってきた。
カルエゴの手にあるフクロウ型の位階測定具に、入間が手を差し入れる。
その瞬間――フクロウが叫び声を上げ、金色の光を放って空へ飛び去っていった。
「な、なんだ!? どうなってる!?」
入間の手には、金色に輝く大きな指輪がはまっていた。
その指輪から、黒い影のようなものが浮かび上がる。
――ギャァアアアアアア!!
影が断末魔のような叫びを上げ、教室中に響き渡る。
皆が耳を塞ぎ、蹲る中、ノアも頭を抱えてしゃがみ込んだ。
(な、に……これ……)
耳を刺すような叫び。胸を圧迫するような気配。
過去に感じた“死”の気配に、心が一瞬だけ引き戻されそうになる。
でも。
入間がその影を抱きしめ、子守唄を歌っている。
なぜかクララまで加わって、歌を重ねる。
(……なんで。……でも)
影は、徐々に静かになっていく。
(……泣いてたんだ。あの影も)
気づいた時には、ノアもそっとその様子を見つめていた。
だが――
カルエゴが入間に手を伸ばした瞬間
カルエゴの雰囲気が変わりゾクッとした
その手をそっと抑えるように、ふわりと現れた老魔の姿があった。
「こーらっ、それはだーーめっ」
理事長、サリバン。
彼は柔らかく微笑みながら、金の指輪にそっと手をかざし、自らの魔力を注ぎ込む。
すると影は、すうっと静かにおさまり、再び指輪の中へと戻っていった。
こうして、授業は終わりを告げた。
入間の位階は――“測定不能”のため、暫定で一番下の「1(アレフ)」とされる。