季節をめくる花
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セリウスとの激戦を制し、何とか退避に成功したノアたち三人は、校舎裏の影の中に身を隠していた。
「『キョーシを追加します』……?」
アナウンスが魔力通信を通じて響き渡る。
静かに息をつき、影の中でしゃがみ込む二人に向き直った。
「一旦、ここで作戦を立てよう。敵が増えるなら、次はもっと激しい戦いになる」
双子はうなずく。2人の顔をまっすぐに見つめながら、真剣な声で告げた。
「戦闘は私がやる。君たちは無理しなくていい」
ルミナが「でも……」と呟こうとしたそのとき
ノアは穏やかに微笑んで続けた。
「もし、私が怪我をして戦えなくなったら。ブリオ、君がルミナを守るんだよ」
ブリオの目が一瞬、大きく見開かれる。
「……俺が?」
「うん。君ならできる。お兄ちゃんだもん、頼りにしてる。信じてるよ」
その言葉に、そっぽを向きながらも
「……任せろ」と小さく呟く。
ルミナは不安そうな目で兄を見上げだが、その表情に宿る決意に気づき、ふわりと小さく笑った。
だがその穏やかな空気を、次なるアナウンスが打ち破る。
『緊急事態発生だ!
教師たちは集めたハートを利用して、かの大怪魔“サリバーン”の復活を目論んでいた!』
『キョーシの親玉にして、最強の敵!
諸君らには、彼が封じられた装置まで急ぎ向かってもらいたい!』
『その装置に、4人で魔力を注ぎ込むのだ!
それによって復活を阻止できるだろう!』
『タイムリミットは20分! 健闘を祈る!』
「行こう」
すぐに立ち上がり、影を地を這うように走らせた。
向かう先は4階、理事長室階段前。
装置があるその場所を目指し、駆け抜ける。
そしてその前で
「ノア!」
アスモデウスが手を振りながら駆け寄ってきた。
「無事だったのか!」
「うん、ギリギリ。で、作戦は?」
アズくんたちの説明によれば、残り時間は15分を切っていた。装置に魔力を注ぐには4人が同時に展開陣に立ち、魔力を一定量注入しなければならない。
ノアが影の中からルミナとブリオを引き出したその瞬間
「よーし!ぶっ壊しに来たぞ、ガキどもォ!!」
左右の廊下から現れたのは、
炎を纏った、イフリート先生そして
爆魔拳のグローム・ザグロス教官。
「く……!」
アズくんが一歩前に出ると、ノアと目が合う。
2人は何も言わずに小さくうなずいた。
「ブリオ、ルミナ、君たちは」
「任せろ、ノア」
アズくんの背後からカムイが静かに現れ、跪くように一礼した。
「この二人は、我らが守る」
ノアは頷き、2人をカムイに託す。
「お願いね、カムイ」
「御意に」
カムイが軽やかに二人を後方へ導き、
アズくんとノアはそれぞれ相手へと向き直る。
グロームと、イフリート。
「ノア、任せるぞ」
「わかってる」
ノアの足元に、黒い影が広がっていく。
その構えを見たグロームは嬉しそうに吼える。
「オイオイ、チマチマした影で俺の筋肉を止められるとでも思ってんのかァ!!」
「止めないよ。ただ、飛ばすだけ」
ノアがにっこりと笑った次の瞬間
「はぁっ!」
鋭く放たれた蹴りが、影を伝ってグロームの巨体を吹き飛ばす!
「ぐおおおッ!? なかなかやるじゃねぇかァァァ!!」
壁に叩きつけられながらも笑うグローム。
その前に、ノアはすでに次の攻撃を構えていた。
(アズくんの戦いを邪魔させない。私は、私の仕事をするだけ)
影が再び、教室を這い巡る