季節をめくる花
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第
試験《心臓破り》が幕を開けた。
ノアが守るべきは、1年生の双子ブリオとルミナ・グランタ。
2人の背後には、ハートの風船が浮かんでいる。
割られた時点で、即退場。
「とりあえず2人とも、得意なこと教えてくれる?」
そう訊ねたノアに、ルミナはおどおどと答える。
「わ、わたし……幻影魔術が……すこし、できます。でも、あまり動くのは……」
「俺は火力なら任せろ。ぶっ壊すのが専門だ。……ま、お前の邪魔はしねぇよ」
ブリオは鼻を鳴らしてそっぽを向くが、その頬はわずかに赤い。
穏やかにうなずき、彼らを率いてゆっくりと歩き始める。
試験開始から十数分。
ノアは誰にも見つからぬよう、校舎の外縁を警戒しながら移動していた。
「うぅ…っ」
ルミナが突然立ち止まり、校庭の端に建つ古びた資料倉庫へ逃げ込んでしまった。
「ルミナ、待って!」
ノアが後を追うと、そこには既に“風”がいた。
「おっと。運がなかったね」
そこにいたのは風の魔術師セリウス・ヴァルデス。
淡い緑の魔力が空気中に渦巻き、刹那、鋭利な風がルミナを襲う。
「ルミナッ!」
ブリオが叫び、即座に妹の前に飛び出す。
風船がひとつ、破裂音と共に弾けた。
「…ちっ!」
ノアは影を瞬時に地へ走らせ、ブリオとルミナを包み込むように呑み込む。
そして自らは教師と向き合う
「教師が本気を出すと、こうなる。
……見せてみろ、君の信念を」
セリウスの言葉とともに、無数の風刃が奔る。
ノアは跳び、滑り、翻りながら影の助けを借りて躱す。
地面を裂き、壁を切り裂く風。
その中を、静かに舞う。
気配を殺し、影の中から反撃する。
しかし風は気配を読む。彼女の影をもかすかに振動させる。
(…影の中から双子を戻すには、隙が少なすぎる)
それでも、ノアの目は揺らがない。
「守る」と決めた相手を、決して手放さない。
その頃、影の中
「おい、ルミナ」
ブリオが険しい顔で妹を見る。
「今、ノアが外で1人で戦ってんだ。アイツ、お前を守るために命張ってる」
「……わたし……でも、怖くて……」
ルミナは膝を抱え、頭を振る。
「……お兄ちゃんは強いし、ノアさんも……でも、わたしなんか……」
「……バカ。俺だって怖ぇよ。けどな……お前が泣き顔のまま守られてるの、見たくねぇ」
静かに、だけど熱を帯びた声。
「立てよ、ルミナ。お前の魔法、今ここで使え」
「……で、でも……!」
「お前の幻影、俺は何度も助けられた。信じてんだよ、ルミナ」
沈黙のあと
ルミナが小さく顔を上げた。震える手を重ね、そっと呟く。
「……幻よ……光になって、まどわせて……《白夜の幻影》……!」
外で戦うノアの背後、影の縁がゆらりと揺れる。
次の瞬間、教室一帯が幻影の光で満たされた。
セリウスの視界を無数の偽ノアたちが走り、動く。
「なるほど。これが、君たちの“連携”か」
幻に気を取られた隙に、ノアは低く構え
影を波のように踏み出して、一気に後方へと跳ぶ。
「退くよ!」
合図に、影の中からルミナとブリオが飛び出す。
「っし、やったな!」
「…ノアさんも無事で、よかった…!」
ルミナがふらついたところを、ブリオが支え、
ノアがその背を優しく押す。
「よくやったね、2人ともすごく綺麗な魔法だったよ」
照れくさそうに微笑むルミナの横で、ブリオがそっぽを向く。
「…別に、お前の役に立ったわけじゃねぇし……妹がやっただけだし……」
「はいはい、ありがと。君も、いいお兄ちゃんだね」
冗談めいた言葉に、ブリオはふんと鼻を鳴らした。
彼らの影は、再び静かに動き始める。
試練は、まだ終わっていない。
試験《心臓破り》が幕を開けた。
ノアが守るべきは、1年生の双子ブリオとルミナ・グランタ。
2人の背後には、ハートの風船が浮かんでいる。
割られた時点で、即退場。
「とりあえず2人とも、得意なこと教えてくれる?」
そう訊ねたノアに、ルミナはおどおどと答える。
「わ、わたし……幻影魔術が……すこし、できます。でも、あまり動くのは……」
「俺は火力なら任せろ。ぶっ壊すのが専門だ。……ま、お前の邪魔はしねぇよ」
ブリオは鼻を鳴らしてそっぽを向くが、その頬はわずかに赤い。
穏やかにうなずき、彼らを率いてゆっくりと歩き始める。
試験開始から十数分。
ノアは誰にも見つからぬよう、校舎の外縁を警戒しながら移動していた。
「うぅ…っ」
ルミナが突然立ち止まり、校庭の端に建つ古びた資料倉庫へ逃げ込んでしまった。
「ルミナ、待って!」
ノアが後を追うと、そこには既に“風”がいた。
「おっと。運がなかったね」
そこにいたのは風の魔術師セリウス・ヴァルデス。
淡い緑の魔力が空気中に渦巻き、刹那、鋭利な風がルミナを襲う。
「ルミナッ!」
ブリオが叫び、即座に妹の前に飛び出す。
風船がひとつ、破裂音と共に弾けた。
「…ちっ!」
ノアは影を瞬時に地へ走らせ、ブリオとルミナを包み込むように呑み込む。
そして自らは教師と向き合う
「教師が本気を出すと、こうなる。
……見せてみろ、君の信念を」
セリウスの言葉とともに、無数の風刃が奔る。
ノアは跳び、滑り、翻りながら影の助けを借りて躱す。
地面を裂き、壁を切り裂く風。
その中を、静かに舞う。
気配を殺し、影の中から反撃する。
しかし風は気配を読む。彼女の影をもかすかに振動させる。
(…影の中から双子を戻すには、隙が少なすぎる)
それでも、ノアの目は揺らがない。
「守る」と決めた相手を、決して手放さない。
その頃、影の中
「おい、ルミナ」
ブリオが険しい顔で妹を見る。
「今、ノアが外で1人で戦ってんだ。アイツ、お前を守るために命張ってる」
「……わたし……でも、怖くて……」
ルミナは膝を抱え、頭を振る。
「……お兄ちゃんは強いし、ノアさんも……でも、わたしなんか……」
「……バカ。俺だって怖ぇよ。けどな……お前が泣き顔のまま守られてるの、見たくねぇ」
静かに、だけど熱を帯びた声。
「立てよ、ルミナ。お前の魔法、今ここで使え」
「……で、でも……!」
「お前の幻影、俺は何度も助けられた。信じてんだよ、ルミナ」
沈黙のあと
ルミナが小さく顔を上げた。震える手を重ね、そっと呟く。
「……幻よ……光になって、まどわせて……《白夜の幻影》……!」
外で戦うノアの背後、影の縁がゆらりと揺れる。
次の瞬間、教室一帯が幻影の光で満たされた。
セリウスの視界を無数の偽ノアたちが走り、動く。
「なるほど。これが、君たちの“連携”か」
幻に気を取られた隙に、ノアは低く構え
影を波のように踏み出して、一気に後方へと跳ぶ。
「退くよ!」
合図に、影の中からルミナとブリオが飛び出す。
「っし、やったな!」
「…ノアさんも無事で、よかった…!」
ルミナがふらついたところを、ブリオが支え、
ノアがその背を優しく押す。
「よくやったね、2人ともすごく綺麗な魔法だったよ」
照れくさそうに微笑むルミナの横で、ブリオがそっぽを向く。
「…別に、お前の役に立ったわけじゃねぇし……妹がやっただけだし……」
「はいはい、ありがと。君も、いいお兄ちゃんだね」
冗談めいた言葉に、ブリオはふんと鼻を鳴らした。
彼らの影は、再び静かに動き始める。
試練は、まだ終わっていない。