季節をめくる花
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
春の光が差し込むバビルスの教室。
今日から新しい学期が始まった。そんな中で、最初の授業は
「はーい!それではこれより使い魔の更新契約、及び解除の義を教えまーす!」
ロビン先生が相変わらずのテンションで叫ぶ。
教室内にどよめきが走る中、そっと隣の席を見た。
(使い魔更新……シロの名前、前から考えてたんだ)
「じゃあアスモデウスくん!前来て!」
先陣を切ったのは、誰もが納得のアスモデウス。彼は堂々と使い魔の前に立ち、手をかざした。
「……“ヴィーノ”」
その名が告げられると、使い魔の姿にほのかに光が宿る。
続いて次々とクラスメイトが呼ばれ、名前をつけていく。
「ノアちゃんも、前へどうぞ〜」
静かに前へ出て、懐から影を取り出すようにしてシロを呼び出す。
真っ白な毛並みの小さな兎型使い魔。シロはくるりと足元を回ったあと、見上げるように彼女を見た。
ノアはふと優しい目をして、その頭に手をかざした。
「……“ユキ”」
淡く、けれど確かに、使い魔と主との絆が結ばれる。
新たに名を持ったユキは、足にすり寄り、キュウと鼻を鳴らした。
(これで、ずっと一緒だね)
だが、和やかな雰囲気もここまでだった。
使い魔との契約を解くには、専用の羊皮紙を使い、何も書かずに火にくべる。そして、13時間の間、使い魔を一切召喚してはならない。
静まり返る教室に、一部の生徒たちが騒然となる。
ノアもまた、じわりと眉をひそめた。
(つまり、入間くんと、13時間ずっと一緒に?)
「せめてその儀を阻止せねば!」
「よし、俺たちで行くぞ!」
ジャズ、リード、ゴエモン、プルソンたちがなぜか“使い魔召喚シール”を両手に突撃。
認識阻害メガネをかけて突入するも、あっさりカルエゴに捕縛され、天井から吊るされている。
「が、がおぉぉ……」
「……むしろ名誉では……」
「先生、優しく……」
その後、クララが「うぉぉぉ!!」と入間を抱きかかえようと突進するが、足が絡まり見事に転倒。
「私は!今日1日エギー先生が入間ちを独り占めしてるのにギャーとするの!!ずるい!!」
アスモデウスまでが炎を握りしめて立ち上がる。
「カルエゴ卿。今すぐ入間様を解放してください!」
火の玉が飛ぶが、カルエゴはそれを軽くかわし、入間を盾に見せるようにして
アスモデウスは戸惑い……結果、撃沈。
その場に残ったのは、静かに立つのはノアだけだった。
周囲の喧騒が遠のいた教室。
じっとカルエゴを見上げる。
「入間くんと、13時間ずっと一緒って」
声は静かだったが、僅かに不満の色が混じっていた。
小さく膨れた頬と、わずかにうるむ琥珀色の瞳。
カルエゴは入間に目隠しと耳栓をして
無言で彼女の前まで歩み寄り、
そしてそっと、ノアの頭に手を置いた。
くしゃ、と優しく髪を撫でる。
普段の厳格さからは想像もできない、ゆるやかな手の動きだった。
「我慢しろ。これは義務だ」
その声には、どこか自分に言い聞かせるような響きがあった。
ノアの髪をすっと梳きながら、カルエゴの瞳は静かに揺れていた。
「こればかりは譲れんのだ」
ノアはその手に、ほんの少しだけ頬を寄せる。
彼の言葉は冷たく聞こえたかもしれない。
でもわかる。
「……なら、終わったら甘えてもいい?」
ふいにノアがそんなふうに言うと、カルエゴは軽く目を伏せて答える。
「ああ。いくらでも好きにしろ」
ふわりと笑った。
それだけで、我慢できる気がした。
目隠しされたまま座っている入間を一瞥し、くるりと背を向けた。
カルエゴの手が、最後にもう一度優しく髪を撫でる。
(カルエゴの言う“好きにしろ”は、いつだって優しい)
そして
カルエゴとの13時間終了
使い魔無事再契約
再びカルエゴが召喚される
(カルエゴ有給取得)