花と奏でる音
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静まり返る会場に、魔王候補生たちの緊張が走る
壇上に立つ審査員長が、封筒を掲げながら告げる。
「本年の音楽祭、優勝クラスは」
観客も息をのむ。
「666点で……アブノーマルクラス!!」
ドォオォォン!!!
大歓声とともに舞い上がる紙吹雪と花火。
「やったーーー!!!」
「サイコー!」
「リリスの愛、最高ォォ!」
クララがぐるぐる回り、ケロリが涙ぐみ、サブロは拳を天に突き上げる。
ノアも思わず隣のアスモデウスとハイタッチ。
「勝ったね、アズくん」
「当然だ。私たちは完璧だったからな」
けれど、その瞬間
ドゴン!!
どこからともなく乱入する、赤い女王様。
「こらガキども!喜ぶのは後にしなさい!」
アムドゥス・ポロが、片腕で入間を、もう片腕でプルソンを小脇に抱え、堂々と登場した。
「ついてきなさい。愛の儀式を執り行うわよ」
連れてこられたのはロイヤル・ワンの屋上。
月明かりと風が吹き抜けるその場所で、アムドゥスはプルソンからおもむろにトランペットを取り上げる。
「いいこと?ここは私とデルちゃんの愛の巣。
勝手に踏み荒らしたら」
彼女は艶やかに笑った。
「喉笛食いちぎって、トランペットにしてやるわよ?」
プルソンが身を縮め、そっと彼の肩を叩いた。
「……こわ……」
そして
アムドゥスがトランペットを吹き上げた瞬間、
音が天に昇り、魔力と水が川のようにうねり
渦を巻くように舞い上がる。
その旋律は、空に咲く水の花となり
数字を浮かび上がらせる。
「綺麗……」
「当然よ。音の王ならこれくらい朝飯前」
アムドゥスが涼しげに言い放つ。
「さあ、授けるわよ。
元十三冠、アムドゥス・ポロの名において!」
空から、魔力に満ちた水の粒が降り注ぐ。
一粒一粒が、14人の胸元に吸い込まれ
光り輝く【4】のバッジが浮かび上がる。
その場の空気が震える。
「俺ら……!」
「昇級した……!」
「ほんとに……全員、4になったんだ!」
歓喜と感動が入り交じる。
だが
「ふふん……でも、ちょっとシャクだったから……」
とアムドゥスが口を開いた。
「あんただけ、仲間外れにしてやったわよ」
その瞬間、入間の胸元に現れたのは
【5】のバッジ。
「えっ!?」
「……【5】!?」
誰よりも驚いたのは、当の本人・入間。
目を丸くして、バッジを見つめた。
「えっ…!」
アムドゥスはふんっと顔をそむけたが、耳が赤くなっていた。
「認めたくはないけど…」
誰かがつぶやいた。
「……これが、愛か」
「音と、愛と、仲間の力で昇級!」
アブノーマルクラス全員が、互いの肩を叩き、喜びを分かち合う。
月の下で、水に濡れたバッジが静かに光った。