花と奏でる音
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
今回の練習は、音楽チームとダンスチームに分かれて行われることになった。
音楽チーム
メイン:プルソン(トランペット)
サポート:入間(ピアノ)
ダンスチーム
統括:ケロリ
その他:アブノーマルクラス全員
その構成に、誰よりも先に声を上げたのは
「待ていっ!!」
アスモデウスが片手を振り上げ、鋭く言い放つ。
「なぜ入間様がサポートなどという立ち位置に」
その訴えに、ケロリはピシリと指を立てて応じた。
「入間くんが真ん中にいたら、誰だって彼を見ちゃうでしょ?」
「今回の主役は、姐さんとプルソンさん。彼はそれを支えて、全体を引き立ててくれる導き手なの」
そして真剣な眼差しでアスモデウスを見据えた。
「だから、あなたにお願いしたいの。みんなを導く一員になってって」
その言葉に、入間は柔らかく微笑んで
「うん!わかった!」
と、了承するのだった。
その後、ケロリはノアをそっと呼び寄せた。
「ノアさん、ちょっとお願いがあるの」
「……なに?」
「カルエゴ先生に、ピアノの講師をお願いしてきて。入間くんが弾くなら、ちゃんと指導が必要でしょ?」
一瞬、戸惑いの表情を見せる。
「…頼んだら、たぶんやってくれるとは思うけど」
ケロリはニッと笑って言った。
「私は全体のレッスンを見なきゃいけないし、あなたの頼みなら断らないでしょ?」
断れない理由を、よく知っていた。
「わかった。行ってくる」
放課後のバビルス。廊下に夕陽が差し込む頃
ノアはカルエゴの執務室の前に立っていた。
ノックの音に振り向いたカルエゴは、来訪者がノアだとわかると、一瞬目を細めた。
「何か用か?」
「うん…えっとね、お願いがあって」
いつもより少しだけ口調がやわらかい
ノアはカルエゴは椅子から立ち上がり、彼女の前まで歩み寄る。
「言ってみろ」
「音楽祭のことなんだけど。
入間くん達に楽器を教えてあげてほしいの
私たちじゃ、ちゃんと教えられそうにないから」
言いながらもちらりとカルエゴの顔を見上げる。
「カルエゴなら入間くんも安心すると思うから」
その声には、頼みごと以上の気持ちが滲んでいた。
カルエゴはしばらく無言のままノアを見つめ、それから小さく息を吐いた。
「お前がそう言うなら、断る理由はない」
「ほんと?」
「私が教える。完璧に弾けるようにしてやる」
その言葉に、ノアの顔がぱっと明るくなる。
「ありがとう、カルエゴ!」
自然と、ノアはカルエゴの服の裾をつまむようにして寄りかかる。
その仕草に、カルエゴは照れたように顔を背けた。
「そんな顔をするな。
お前が頼んできたから、仕方なく応えただけだ」
「ふふ…仕方なくね」
小さく笑う。カルエゴの言葉はいつも不器用で、素直じゃないけれど、気持ちはちゃんと伝わっていた。
そのまましばらく、ふたりの間に穏やかな沈黙が流れた。
「……お前も、レッスンに加わるのか?」
「ううん、私は踊るの
ちょっとだけさぼって、甘えてもいい?」
カルエゴは目を細め、ノアの頭に軽く手を置いた。
「…少しだけだ」
その手のひらのあたたかさに、安心したように目を閉じた。
ほんの、短い時間だったけれど。
それは、彼女にとって何よりのご褒美だった。
そして、ダンスチームの練習。
シンクロ率を高めるため、特製の“モノ魔ネ腕輪”を使用。魔力を込めれば、装着者同士の動きが連動する仕組みだ。
だが、うまくいかない。
腕輪が反応しても、動きが噛み合わず、何度も転倒したり絡まったり。
結局、まずは少人数から練習することになり、ノア・アスモデウス・クララの3人で挑む。
しかし
「いっけぇぇぇー!!!」
自由奔放なクララの動きに、アスモデウスもノアもついていけず、バランスを崩してズコッと転んだ。
「…はぁ……」
「……もう少し、落ち着いた動きに……」
ノアが苦笑しながら提案する
「と、とりあえず……もっとお互いのこと、理解してみよう。話してみようよ」
「では、私から言わせてもらう…落ち着け!!」
アスモデウスの怒りが爆発した。
「貴様はいつも、好き勝手に動いてばかりだ! 突発的すぎるのだ!!」
「アズアズだってガサツだもん!私の頭ぐりんぐりんするじゃん!」
「私ではない!お前が動くから押さえているんだろうが!!」
「アズアズのさみしんぼ!!」
ケンカを始める二人を、ノアはポカンと見つめた。
「わあ……」
ふっと笑みを浮かべる。
2人に共通していることは…ひとつ…
「じゃあさ今、1番したいことってなに?」
その問いに、二人はぴたっと口を閉じ、同時に答えた。
「「入間ち(様)に会いたい!!」」
思わず小さく吹き出す。
「ふふ…ほんとに、仲良しだね」
クララはにっこり笑って、腕を広げた。
「私たち、入間ちのおともだちだもん! だからね、ダンスもすっごいのにしなきゃ!」
その言葉に、アスモデウスも顔を引き締めて頷いた。
そして3人の動きは、嘘のように噛み合うようになった。
その後、11人全員での練習に移っても、最初は何度も失敗した。
でも、誰一人として諦めなかった。
そしてついに。
11人の魔力と、思いが一つになった瞬間
「……成功したっ!」
教室に歓声が響き渡った。