本編
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《兆し》
【芦沢 由臣】
「――おはようございます」
【榎本 公志郎】
「あら、おはよう、芦沢。早いのね」
【芦沢 由臣】
「この俺を待たせておいて……悠長なことだ」
【榎本 公志郎】
「ごめんなさいね。ちょっと用事があって…」
【政親】
「…………」
芦沢 由臣(アシザワ ユウジン)
元現代アートの画家で、自らアイドルに志願した。
嗜虐的で自分と自らが認めた者以外はすべて敵だと思っている。
また、自分の感性に絶大な自信を持っている。
【政親】
「口の利き方すら知らない野猿をアイドルに仕立てる暇なんて
――我が事務所にはありませんがね」
【芦沢 由臣】
「なっ…!この俺を猿、だと……?!訂正しろ!」
【政親】
「品のないその様に、これ以上ふさわしい形容は見当たりませんね」
【榎本 公志郎】
「ちょっと、そのへんにしておいてよ
この子、アイドルとしては新人だけど、アーティストとしてはちょっとした有名人なのよ」
【芦沢 由臣】
「――フン!俺は過去の自分をこの世界で評価して貰おう等とは思っていない」
【政親】
「ふ……、心がけだけは、一人前ですか。
――いいでしょう、ついてきなさい」
《本番》
【榎本 公志郎】
「いいじゃなぁい、由臣。私、好きだわ。
色気があっていいわよぉ~」
【芦沢 由臣】
「――当然だ」
【榎本 公志郎】
「ね?いいでしょう、政親」
【政親】
「……そうですね」
意思の強い瞳、……きつく結ばれた口元。
幼くはあるが―確かに公志郎が連れてくるだけのオーラはあるようだ、と政親は品定めする。
そんな政親の視線に気付いた芦沢は、それでも政親をキっと睨みつけていた。
【政親】
「物珍しさから目を引かれる―という人間もいるでしょう。
けれど、相手を愉しませる―という訓練は積んでこなかったようですね。
―というよりも……、そのような事に興味を持っていない貴方が、どうしてこの世界に?」
【芦沢 由臣】
「――、……、貴様には関係がない事だ」
【政親】
「――貴方の事情に興味がある訳ではありません。
ただ……成功の舞台に立ちたいと目的をお持ちなのでしたら
ヒトを愉しませる、という事に長けて頂く必要があります」
【芦沢 由臣】
「いいだろう。愉しませる術、とやら。俺に魅せてみろ」
教えを請う―とは言い難い芦沢の口調だが
確かな忍耐強さと意思を感じ、政親は芦沢をあの『営業』へと連れ出していくのだった。
《絶頂》
【芦沢 由臣】
「っく………まさか……、本当にあんな事が…この世界で行われて、
―いるとはな………」
【政親】
「―もう弱音、ですか。猿は持久力に欠けるようですね」
【芦沢 由臣】
「……弱音等、吐く訳がないだろう!あれしきの…くだらない行為
この俺にこなせない筈がない」
【政親】
「それは……心強いですね」
【政親】
「―ですが…」
【芦沢 由臣】
「………なんだ」
【政親】
「貴方の『声』はとても客人を愉しませられるような成熟したものではなく―
それこそ、動物の鳴き声……よくて、子供の泣き声のようでしたよ」
【芦沢 由臣】
「っな………!」
【政親】
「勿論、……素直な反応を喜ぶ方もいらっしゃいますが
バリエーションは多く覚えて頂くにこしたことはありません。
これからは…私の指導のもと、『ヒトを愉しませるアイドル』になって頂きますよ?」
【芦沢 由臣】
「っヒ……!」
まだ熱を持っている過敏なソレを政親に摘まれ―
衣服ごしではあるけれど、芦沢のカラダは大きく跳ねてしまう。
【政親】
「さすが元アーティスト。感性だけではなく、カラダもこれ程に敏感とは……。
私も、指導のし甲斐がありますよ」
【芦沢 由臣】
「っは…なせ……!………っ…や…め……ァっ……」