プロローグ
今日も賑やかな音楽が聴こえてくる。
街を見渡せば、いろんな人達の楽しげな姿が見える。
この国は、色彩の神様が初めて降り立って、世界に色をもたらした場所と言われている。
だから、美術が発展してるのはもちろん
音楽や演劇も盛んで、いわゆる"アートの街!"なんて、他の国の人達からは言われたりもするんだ。
「あれ?あそこにいるのって__」
よく目を凝らしてみると、そこにいたのは幼いときからの友人と、見かけたことのない小さな子供だった
「お~い!レイー!!!!」
彼に向けて大きく手を振りながら、ゆっくり地上に降下する。
「あ、イロハ…。久しぶり。」
片目を隠しているこの男の子も私と同じ色彩使。同世代の友達なの。
「最近全然会わないもんね~。」「た、たしかに…。」「あ、えっ~と…。その子は…?」「ああ、この子、最近引っ越してきたらしくて…。さっきまでお母さんと一緒に買い物してたみたいなんだけど…。はぐれちゃったみたいで。」
「迷子か~…。ねえぼく、名前は?」迷子の子の前にしゃがんでニッコリ微笑む。
「えと…、ソラ…です…」まだちょっと涙目のまま、ゆっくり顔を上げて教えてくれた。
「ソラくん!よろしくねっ、私はイロハ。よ~し、ちょっと待ってね~~」そう言って私はベレー帽の中から飴を1つ取り出した。こういう時に役立つんだよね~!
「……イロハ、まだ入れてたんだ、飴。」
「いつでもいれてるよ?あ、ハイ!ソラくんどーぞ!飴ちゃん!」
「え、いいの…?」
少し困った表情で、恐る恐る私の手のひらから飴を受けとる。
「いいよいいよ!なんならもう一個いる?」
「ううん、大丈夫…!イロハお姉ちゃんありがとう!」
ソラくんはそう言うと、パァッと花が咲いたように笑った。
あ~!人のためにいいことすると気持ちがいい!こっちも幸せになれる。とっても不思議。
「あ、イロハ。そういえば…」
声をかけられ、レイのほうを振り向いた刹那、
乾いた銃声が街に響き渡った
いや、なにかが破裂したようにも聞こえた
この音が、何を示していたのか
私達はまだこのとき知らない。
まさかこの銃声が
戦いの開幕を告げる合図だということを。
