プロローグ
「ん~っ!!美味しかった!ごちそうさまでした!」
王家の娘でよかったことといったら、毎日美味しいご飯が食べられることぐらいなんじゃないかな?
「イロハ、午後から衣装選びしますからね。忘れないでね」「は~い、お母さん。」
適当に返事をしてから小さくあくびをする。
「あ、イロハさん!…今日は行かなくてもいいんですか?パトロール」新人メイドさんが小声で話しかけてきた。「あっ!別に行ってもいいの?パトロール?」
パトロールというのは、単純に街のパトロール。といっても、街の人とお話したり、迷子の子供を見つけたらお母さんを探したりするぐらいだけど。天気が良ければ毎日のように行ってる。
「お昼前までに帰宅して頂ければ大丈夫ですよ。はやめに帰ってきてくださいね」「は~い、お母さん。…あ、クレア!お昼前になったら電話してねっ!いってくる!」
そうと決まれば今すぐ行っちゃお~!クレアが返事をする前に私はダッと駆け出した。
階段を駆け上がり、自分の部屋へ。
お気に入りのベレー帽の中に適当にキャンディを詰めて被る。「あれ、ちょっと曲がってる…」鏡の前に立って身だしなみを整える。一応、私ってお姫様みたいだしね。ちゃんとしないと怒られちゃう。
「__よしっ!」
壁に掛けていた筆を取って、ベランダに出る。今日は綺麗な青空でとってもいい天気。軽く深呼吸を一つ。
ベランダの柵に足を掛けて_____
「______今だっ!」
柵に掛けていた足を思い切り踏み込んで
バッと空に向かって飛び出す
空中ですぐに筆にまたがる
まるで魔法使いの箒みたいに。
私は"色彩使"というこの国にいる能力者の一人。
色彩使は今の私のように空を飛んだり、物を浮かせたり。そういうただの超能力も使えるけど、ちょっと違うことがある。
"色"を使うの。
色彩使にはそれぞれの家系ごとに色がある。
その色に他の色の物を染めることができたり、その色に見合った能力が使える。
私は少し特殊みたいで、他の色彩使とは違うみたいだけど。
でも、その話はまた今度。長くなっちゃうから。
