第1章
「この辺りだっけ?」
「そうですね!私達は少し離れて見回り、だったような…」
「あ、そっか!ありがとう、ネリネちゃん。ちょっと、緊張しちゃってね…。」
「フフッ、仕方ないことですよ。流石に私も緊張してきましたもん…!」
ネリネとラオは相変わらずふわふわした会話をしている。
一方で
「…あ~、めんどくせぇー」
「クロハ、お前だけでいいだろこんなの」
リンとイツハさんは俺を横目にブーブー文句を言っている。
「知らねぇよそんなの、兄さんに文句は言ってよ…。」
これから本番だっていうのに、一切緊張感のない空気に包まれてる。
「なぁ、ラオ達もそろそろ見に行くみたいだし、そろそろ撃っていいか?」そう問いながら、本番の準備を始めていた。
「やっとか……。イツハさん、さっさとお願いします。」
「ダルいからはやくやって、どうぞ」
「ダルいからってなんだよ!まあ、かったるいけどな。せいぜい派手にカッコつけてやろうじゃねーか。」いかにも悪人な笑みを浮かべてニヤニヤしている。
年下の二人にリンが目線を送る。
「ん、いいよ。」
リンがイツハさんに合図を送った途端、
空に銃口を向け、派手に放った。
イツハさんとリンの背後に立って、俺は帽子を深く被って身を隠す。
周囲の人間が悲鳴をあげる
「うるさ」
色黒の彼女はボソッと呟いて周囲の人間達へ向けて撃ち放つ
流石に初っぱなから人殺ししたら捕まるのは確実。だから、当たるか当たらないかのスレスレの場所に銃口を向けるように指示された。…こいつらなら普通に撃ちそうだから不安だけど。
「きっ、君達!何をしているんだ!?」
この辺の若い警官が威勢よく叫ぶ
「うるせえなぁ_____黙ってろ!」
見事に警官の真横を銃弾が通った
警官は尻餅をついて怯えている。
ちょっと、派手にやりすぎじゃないか?
少し不安になってきたぞ。
「お前らはラッキーだよなぁ!歴史が変わる瞬間を今、ここで見届けられるんだからな!」
そう言って大声で嘲笑う。
「…なあ、リン。お姫さまはまだ来ないみたいだな」
「ね、おっそ。主役が来なきゃ始まんないっての…」
小声で少女に話しかける。そろそろコイツも機嫌が悪くなってきているようだ。
「みなさーん!遅くなりました!」
「そ、そろそろ来ますよ!」
すると、いいタイミングで灰色と白の二人が戻ってきたようだ。
「ほら、そろそろみたいだな。リーダー?」
「リーダーって呼ぶんじゃねーよ…」
もうすぐ、本番が始まる。
