magi
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ずっと君が好きだった。
小さい頃から君だけを見てきた。
どうして君が見ているのは俺じゃないんだろう。
あいつと何も変わらないはずなのに。
想いは募り重くなるばかり。
だからこの重たい想いに、片想いに、終止符を打とうと思う。
最後だから、俺のお願いきいてほしい。
なんてわがままでごめん。
いつか言える日が来るといいな。
「ずっと君が好きでした」
「わりぃ。ちょっと気分悪いから休んでくるわ」
「大丈夫かよ、カシム」
「おう。悪いな、アリババ」
嘘ついたりなんかして。
放課後、部活を抜け出して教室に向かう。
シーリーンがアリババの部活が終わるのを待っているはずだから。
裏切ったみたいで少し気が引けたがこのままの気持ちでいる方が裏切っている気がしたんだ。
騙しながら生きるのは苦しい。
「あれ、カシムくん? どうしたの? まだ部活中じゃ」
教室に入るとびっくりした様子の彼女。
「ちょっとしんどくなって抜けて来た」
「え、大丈夫なの?」
嘘だって知らずに心配してくれる。いつだって優しい。
「大丈夫、ちょっと休めばすぐ復活するから」
こんなことしてバカじゃねーの俺。
でももう引き返せない。
「本当? 保健室行った方がいいんじゃない?」
そんな眼で見んなよ。つらくなるだけだから。
「いいよ。どーせ寝て帰るかすぐ帰るかの二択だろうし」
「んー」
納得いかない様子。
「じゃあ、元気になるようにさ……」
はてなマークを浮かべる彼女の後ろに回ってギュッと抱きしめる。
「ちょっとだけ、このままでいさせて」
自然と涙がこぼれた。
「――泣いてるの? どうして?」
声は出してないのに見えてないはずなのにおかしいな。
「ねぇカシムくん大丈夫?」
「大丈夫……」
この想いは伝わらなくていい。
勝手に終わらせるんだ。
「これが最後だから」
自分勝手な自分に笑った。
(13/09/10)
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