傷　※病んでる


「痛い」
　ねぇ痛いよ。
「痛い痛い……、痛い」
　エンドレスに繰り返される言葉。声が枯れるまで終わりの来ない叫び。
「痛い、」
　ねぇどこが痛いか聞いてよ。
　ねぇ私を心配してよ。
「……痛い」
　機械のように途切れることなく繰り返されるそれは無意識で、その間に色んなことを考えている。
　どうしてこの声はあなたに届かないの？
「イタ、イ」
　痛みは強くなっていく。
　あなたという薬が切れてしまっているから。
　叫んでも叫んでも一向に楽になんかならない。
「……ッ」
　私の叫びの隙間から、私以外の声が微かにした。
　間違いない。私が聞き逃すわけないよ、あなたの声。
　あぁ、やっと気づいてくれた。遅い。


(14/05/19)
たぶんシーリーンが黒フルにのまれてるのを想像して書いたような気がする。