magi
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片想い
紅玉とシンドバッド魔装手合わせのシーンに水孔がいたらみたいな話。たいして中身はない。
紅く美しい髪を水色に変え、魔装を纏った姫はまるで別人。
「紅玉……」
想いを寄せる人と本気をぶつけて戦う彼女にかける言葉なんて見つからなくて、俺はただただ見つめることしか出来なかった。
宙を舞う彼女の表情はとても生き生きしている。
湧き上がる感情を隠すことなく表現していて、それはそれは楽しそうだ。いや、楽しいだけで表すことなんて出来ない。
「すごい。すごいっ!! 私、こんなに思い切り戦うの初めて!!」
「それは何より。だか、まだ全力を出せるはずだ! 「極大魔法」をお見せください」
戦いは激しさを増す。
彼女の極大魔法をあいつがいとも簡単に受け止めてしまう。
「あぁ、」
俺は弱さを思い知る。いや、そんなのずっと前からわかっていた。それでもまざまざと見せつけられて改めて思い知らされたのだ。
「耳を塞いで」
あいつのそんな言葉が聞こえた。
見るとあいつは魔装を変え、可愛らしい姿になっていた。
何が起こるのかわからないまま周りに合わせるように耳を塞いだ。
それは眠りを呼ぶ叫びであった。
眠った彼女の魔装は解け、そのまま落下する。
それを地上で受け止めたのはアリババ殿であった。
状況を飲み込めず動けない俺はなんて情けないのだろう。
ゆっくりと彼がやってくる。
「ありがとう。俺……」
「気にするな。あとは頼んだよ」
「ああ」
彼女を部屋に運びそっとベッドに寝かせる。
しばらく一人ぐるぐると色んなことを考えていた。
「俺って弱いな…」
「そんなことないわ」
「あ、目覚めたのか」
漏れた言葉に返事がきてびっくりした。どうしてそう思うのかは聞けなかった。
「ずっといてくれたの?」
「あ、うん。助けたのはアリババ殿だけど」
「そう」
悔しさを感じとってか彼女は何も言わない。沈黙が苦しくて俺は声をかける。
「楽かった? あいつとのバトルは」
「ええとても」
「それはよかった」
「いつもみたいに、あいつのどこがいいんだよ! とか言わないの?」
「言ったほうがいい?」
「なにそれ」
小さく笑う彼女を見て安堵する。
なんだろうこの気持ち。
「水、どうかした?」
「いや別に」
「え、絶対何かある!」
「何もないよ。紅玉が起きたこと夏黄文に伝えてくるね」
「逃げないでよ」
「逃げたんじゃないよ。心配してるだろうから早く伝えてあげようと思っただけだよ」
色々悩んでも仕方がない。こうして彼女といられるだけで幸せだ。
そう思い直すことが出来た。
(15/10/22)
紅玉とシンドバッド魔装手合わせのシーンに水孔がいたらみたいな話。たいして中身はない。
紅く美しい髪を水色に変え、魔装を纏った姫はまるで別人。
「紅玉……」
想いを寄せる人と本気をぶつけて戦う彼女にかける言葉なんて見つからなくて、俺はただただ見つめることしか出来なかった。
宙を舞う彼女の表情はとても生き生きしている。
湧き上がる感情を隠すことなく表現していて、それはそれは楽しそうだ。いや、楽しいだけで表すことなんて出来ない。
「すごい。すごいっ!! 私、こんなに思い切り戦うの初めて!!」
「それは何より。だか、まだ全力を出せるはずだ! 「極大魔法」をお見せください」
戦いは激しさを増す。
彼女の極大魔法をあいつがいとも簡単に受け止めてしまう。
「あぁ、」
俺は弱さを思い知る。いや、そんなのずっと前からわかっていた。それでもまざまざと見せつけられて改めて思い知らされたのだ。
「耳を塞いで」
あいつのそんな言葉が聞こえた。
見るとあいつは魔装を変え、可愛らしい姿になっていた。
何が起こるのかわからないまま周りに合わせるように耳を塞いだ。
それは眠りを呼ぶ叫びであった。
眠った彼女の魔装は解け、そのまま落下する。
それを地上で受け止めたのはアリババ殿であった。
状況を飲み込めず動けない俺はなんて情けないのだろう。
ゆっくりと彼がやってくる。
「ありがとう。俺……」
「気にするな。あとは頼んだよ」
「ああ」
彼女を部屋に運びそっとベッドに寝かせる。
しばらく一人ぐるぐると色んなことを考えていた。
「俺って弱いな…」
「そんなことないわ」
「あ、目覚めたのか」
漏れた言葉に返事がきてびっくりした。どうしてそう思うのかは聞けなかった。
「ずっといてくれたの?」
「あ、うん。助けたのはアリババ殿だけど」
「そう」
悔しさを感じとってか彼女は何も言わない。沈黙が苦しくて俺は声をかける。
「楽かった? あいつとのバトルは」
「ええとても」
「それはよかった」
「いつもみたいに、あいつのどこがいいんだよ! とか言わないの?」
「言ったほうがいい?」
「なにそれ」
小さく笑う彼女を見て安堵する。
なんだろうこの気持ち。
「水、どうかした?」
「いや別に」
「え、絶対何かある!」
「何もないよ。紅玉が起きたこと夏黄文に伝えてくるね」
「逃げないでよ」
「逃げたんじゃないよ。心配してるだろうから早く伝えてあげようと思っただけだよ」
色々悩んでも仕方がない。こうして彼女といられるだけで幸せだ。
そう思い直すことが出来た。
(15/10/22)
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