magi
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涙
彼女の頬を伝う一筋の雫をそっと拭う。眠る彼女は一体どんな夢を見ているのだろうか。
「はぁ……」
何もしてやれない自分にため息が出る。
「……カシム、くん?」
目をこする彼女。起こしてしまったようだ。
「あ、ごめん起こした?」
「ううん」
「なんか怖い夢でも見た?」
「んーアリババくんがいなくなる夢。でも大丈夫」
いつものように笑みを向ける。素直に内容を口にするわりには嘘をつく。大丈夫なんかじゃないくせに。
「そっか」
優しく彼女の頭を撫でる俺も嘘つき。本当のことは言えなくて気付かないふり。
「カシムくん」
「うん?」
「カシムくんは、」
「いなくならないよね?」
何を聞くかと思ったら。
「ならないよ」
なるわけないだろ、好きな女一人になんか出来ねーよ。
「よかった」
本気で不安だったのかとても安心した笑みを浮かべている。
「変なこと考えんなよ」
「だってリアルな夢見ちゃったんだもん」
本当可愛いやつだ。
思わず零れた笑いに「なんで笑うのー!」彼女が怒る。それがまた可愛くて笑いそうになる。
「さっさと寝ろ。不安な夢見ないように手握っててやるから」
「はーい」
手を握ると再び彼女は目を閉じた。
こんなことしか出来ないのが悔しくて気付いたら涙が静かに流れていた。
俺は一生あいつに敵わない。
(14/02/18)
彼女の頬を伝う一筋の雫をそっと拭う。眠る彼女は一体どんな夢を見ているのだろうか。
「はぁ……」
何もしてやれない自分にため息が出る。
「……カシム、くん?」
目をこする彼女。起こしてしまったようだ。
「あ、ごめん起こした?」
「ううん」
「なんか怖い夢でも見た?」
「んーアリババくんがいなくなる夢。でも大丈夫」
いつものように笑みを向ける。素直に内容を口にするわりには嘘をつく。大丈夫なんかじゃないくせに。
「そっか」
優しく彼女の頭を撫でる俺も嘘つき。本当のことは言えなくて気付かないふり。
「カシムくん」
「うん?」
「カシムくんは、」
「いなくならないよね?」
何を聞くかと思ったら。
「ならないよ」
なるわけないだろ、好きな女一人になんか出来ねーよ。
「よかった」
本気で不安だったのかとても安心した笑みを浮かべている。
「変なこと考えんなよ」
「だってリアルな夢見ちゃったんだもん」
本当可愛いやつだ。
思わず零れた笑いに「なんで笑うのー!」彼女が怒る。それがまた可愛くて笑いそうになる。
「さっさと寝ろ。不安な夢見ないように手握っててやるから」
「はーい」
手を握ると再び彼女は目を閉じた。
こんなことしか出来ないのが悔しくて気付いたら涙が静かに流れていた。
俺は一生あいつに敵わない。
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