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初対面 ※紅玉視点
「これ作った人ですか?」
学内で行われている手芸部定期作品展示会で、私は声をかけられた。
「ええ」
「初めまして。シーリーンです」
返事をすると綺麗なオレンジ色の髪をした少女は自己紹介をした。とても可愛らしい顔立ちをしている。
「……初めまして。紅玉です」
何とも素晴らしいコミュニケーション能力だと感心しながら私も自己紹介をした。正直戸惑っている。
「シーリーンさんは何年生? 何校の人?」
「○○高校の一年生です」
「一個下ね。可愛らしいはずだわ」
とても初々しい感じがあった。
「えへへ。そうですか? 紅玉先輩綺麗でうらやましいです」
「ふふ」
反応が素直で可愛らしくてつい笑ってしまう。
「あのっ」
「なあに」
「シーちゃんって呼んで下さい」
思ってもみない申し出にクスッと笑ってしまう。
「変わった子ね」
「変わってる……?」
「それがとても可愛いわ」
私にない物をたくさん持っている気がするし、可愛いで片付けてしまうのはもったいない気もする。
「えへっ。紅玉先輩の作品とっても綺麗ですごいです」
「ありがとう」
「私も作りたいなぁ」
「今度教えてあげましょうか」
「本当? 私不器用なんだけど……」
「大丈夫よ。最初は私も上手くいかなかったから」
「じゃあ頑張るのでよろしくお願いします」
彼女はぺこりと頭を下げた。
「一つ聞きたいのだけど、どうしてここに来ようと思ったの?」
どこかの会場でやるわけではないので他校の子は部員の友達というケースが多いが、彼女は違うみたいだったから気になった。
「顧問の先生がこんなのあるよって教えてくれたんです。本当は友達と来る予定だったんだけどムリになっちゃって」
なるほど。
「そうだったのね。一人でも来てくれて嬉しいわ」
「友達にも伝えなきゃだし」
「優しいのね。今度やるときは二人で来てね」
「もちろんです!」
彼女はいきいきと返事をした。
「元気ね」
「よく言われます」
「紅玉……誰だ」
「あらジュダルちゃん」
呼ばれて振り向くとジュダルちゃんがいた。珍しい。
「今日お友達になったシーリーンです」
お友達……? 今そう言ったわよね? 嬉しい!
「へえ、お前にも友達出来たんだ」
「何よ。友達くらいいるわよ」
「紅玉先輩友達少ないの?」
ジュダルちゃんが変なこと言わないでよ。彼女純粋なんだから。
「そうな……」
「そんなことないわよ。この人のことは気にしないで」
また余計なこと言いそうだったので遮った。
「う、うん」
「で、用事は?」
変なこと言うから忘れかけていた。
「後でいい」
「先にどうぞ。ていうか帰らなきゃ」
彼女は携帯を確認してそう言った。
「あら、そんな時間?」
「友達が迎えに来てくれるの」
きっとメールでも来ていたのね。
「そう。残念だわ」
「また会いに来ます! そうだ。アドレス交換してほしいな」
「いいわよ」
私たちは赤外線でメールアドレスを交換した。
「よしっ出来た! 嬉しいな」
「私も」
嬉しそうに笑う彼女につられて私も笑った。
「あ、一緒に写真撮ってくれませんか? カシムくんとアリババくんに自慢したい」
「お友達?」
「はい」
初対面の人と、まぁ友達とは言えすごい。
「えっとジュダルちゃんお願いしていいかしら?」
「はぁ? しやーねーな」
渋々ではあったがジュダルちゃんじゃ写真を撮ってくれた。
「ありがとうございました」
「こちらこそ」
「ばいばい」
彼女は手を振った。
「バイバイ」
私も手を振り返した。
そして彼女が去っていくのを見つめた。
「良かったな」
「うん」
ジュダルちゃんの言葉に頷いた。本当にその通りだと思う。
ありがとう、シーちゃん。
(13/11/8)
「これ作った人ですか?」
学内で行われている手芸部定期作品展示会で、私は声をかけられた。
「ええ」
「初めまして。シーリーンです」
返事をすると綺麗なオレンジ色の髪をした少女は自己紹介をした。とても可愛らしい顔立ちをしている。
「……初めまして。紅玉です」
何とも素晴らしいコミュニケーション能力だと感心しながら私も自己紹介をした。正直戸惑っている。
「シーリーンさんは何年生? 何校の人?」
「○○高校の一年生です」
「一個下ね。可愛らしいはずだわ」
とても初々しい感じがあった。
「えへへ。そうですか? 紅玉先輩綺麗でうらやましいです」
「ふふ」
反応が素直で可愛らしくてつい笑ってしまう。
「あのっ」
「なあに」
「シーちゃんって呼んで下さい」
思ってもみない申し出にクスッと笑ってしまう。
「変わった子ね」
「変わってる……?」
「それがとても可愛いわ」
私にない物をたくさん持っている気がするし、可愛いで片付けてしまうのはもったいない気もする。
「えへっ。紅玉先輩の作品とっても綺麗ですごいです」
「ありがとう」
「私も作りたいなぁ」
「今度教えてあげましょうか」
「本当? 私不器用なんだけど……」
「大丈夫よ。最初は私も上手くいかなかったから」
「じゃあ頑張るのでよろしくお願いします」
彼女はぺこりと頭を下げた。
「一つ聞きたいのだけど、どうしてここに来ようと思ったの?」
どこかの会場でやるわけではないので他校の子は部員の友達というケースが多いが、彼女は違うみたいだったから気になった。
「顧問の先生がこんなのあるよって教えてくれたんです。本当は友達と来る予定だったんだけどムリになっちゃって」
なるほど。
「そうだったのね。一人でも来てくれて嬉しいわ」
「友達にも伝えなきゃだし」
「優しいのね。今度やるときは二人で来てね」
「もちろんです!」
彼女はいきいきと返事をした。
「元気ね」
「よく言われます」
「紅玉……誰だ」
「あらジュダルちゃん」
呼ばれて振り向くとジュダルちゃんがいた。珍しい。
「今日お友達になったシーリーンです」
お友達……? 今そう言ったわよね? 嬉しい!
「へえ、お前にも友達出来たんだ」
「何よ。友達くらいいるわよ」
「紅玉先輩友達少ないの?」
ジュダルちゃんが変なこと言わないでよ。彼女純粋なんだから。
「そうな……」
「そんなことないわよ。この人のことは気にしないで」
また余計なこと言いそうだったので遮った。
「う、うん」
「で、用事は?」
変なこと言うから忘れかけていた。
「後でいい」
「先にどうぞ。ていうか帰らなきゃ」
彼女は携帯を確認してそう言った。
「あら、そんな時間?」
「友達が迎えに来てくれるの」
きっとメールでも来ていたのね。
「そう。残念だわ」
「また会いに来ます! そうだ。アドレス交換してほしいな」
「いいわよ」
私たちは赤外線でメールアドレスを交換した。
「よしっ出来た! 嬉しいな」
「私も」
嬉しそうに笑う彼女につられて私も笑った。
「あ、一緒に写真撮ってくれませんか? カシムくんとアリババくんに自慢したい」
「お友達?」
「はい」
初対面の人と、まぁ友達とは言えすごい。
「えっとジュダルちゃんお願いしていいかしら?」
「はぁ? しやーねーな」
渋々ではあったがジュダルちゃんじゃ写真を撮ってくれた。
「ありがとうございました」
「こちらこそ」
「ばいばい」
彼女は手を振った。
「バイバイ」
私も手を振り返した。
そして彼女が去っていくのを見つめた。
「良かったな」
「うん」
ジュダルちゃんの言葉に頷いた。本当にその通りだと思う。
ありがとう、シーちゃん。
(13/11/8)
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