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冬
通学途中、何気ないことで喧嘩して学校にいる間は目も合わせなかった。なのに、下校しようと下足室に来たらいつも場所に見覚えのある人影。
「紅玉、なに固まってんだよ。帰るぞ」
「あ、うん。待って」
いつも通り、何もなかったみたいな態度。気にしてたのは私だけなの?
「もー待ってって言ったのに。なんで来るの待っといてあと少し待てないわけ?」
先に歩き始めてしまった彼を追いかけて口から出たのは言いたいこととは全く違う言葉。どうして素直になれないの?
「なんか、待っといてあれなんだけど、恥ずかしくなったっていうか気まずくなっていうか」
彼はこんなにも素直なのに。
「そっか……」
何話せばいいかわかんないよ。
「あのさ」「水、」
2人の言葉がかぶった。
「水からどうぞ」
「あ、うん……朝はごめん。言いすぎた」
「ううん、私も意地を張りすぎたわ。ごめんなさい」
「よかった。いつも通りに戻れなかったらどうしようって思った」
そんなこと思ってたの? 喧嘩なんていつもなのに。
「ばかね」
「ばかだよ。いつものことなのにいつも不安になる」
「すい……」
「え、あ、なんで泣いてんの?」
「泣いてなんか……寒いだけよ」
やっぱり私は意地っ張り。
「じゃあ、はい」
水が私に自分のマフラーを巻いてくれた。
「これで寒くないし、涙もちょっとは隠れるかな?」
ばか。
「なにそれ。なんか今日優しすぎる」
こんなかっこいいことされたらびっくりするし好きになる。あ、もう好きだけど。
「えー俺はいつだって優しいつーの。まぁ冬は人が恋しくなる季節だからかな」
知ってるよ、いつも優しいことくらい。
(14/12/14)
通学途中、何気ないことで喧嘩して学校にいる間は目も合わせなかった。なのに、下校しようと下足室に来たらいつも場所に見覚えのある人影。
「紅玉、なに固まってんだよ。帰るぞ」
「あ、うん。待って」
いつも通り、何もなかったみたいな態度。気にしてたのは私だけなの?
「もー待ってって言ったのに。なんで来るの待っといてあと少し待てないわけ?」
先に歩き始めてしまった彼を追いかけて口から出たのは言いたいこととは全く違う言葉。どうして素直になれないの?
「なんか、待っといてあれなんだけど、恥ずかしくなったっていうか気まずくなっていうか」
彼はこんなにも素直なのに。
「そっか……」
何話せばいいかわかんないよ。
「あのさ」「水、」
2人の言葉がかぶった。
「水からどうぞ」
「あ、うん……朝はごめん。言いすぎた」
「ううん、私も意地を張りすぎたわ。ごめんなさい」
「よかった。いつも通りに戻れなかったらどうしようって思った」
そんなこと思ってたの? 喧嘩なんていつもなのに。
「ばかね」
「ばかだよ。いつものことなのにいつも不安になる」
「すい……」
「え、あ、なんで泣いてんの?」
「泣いてなんか……寒いだけよ」
やっぱり私は意地っ張り。
「じゃあ、はい」
水が私に自分のマフラーを巻いてくれた。
「これで寒くないし、涙もちょっとは隠れるかな?」
ばか。
「なにそれ。なんか今日優しすぎる」
こんなかっこいいことされたらびっくりするし好きになる。あ、もう好きだけど。
「えー俺はいつだって優しいつーの。まぁ冬は人が恋しくなる季節だからかな」
知ってるよ、いつも優しいことくらい。
(14/12/14)
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