和楽器バンドの夢専用の名前になります♪
Petrichor
君の名前は?
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
[遠い北國]
目まぐるしかったジャパンツアー。
最終公演の札幌も大盛況で幕を閉じた。
やっぱり慣れた北国はいい。
風景も、木々の匂いも、全てが懐かしくて。
ホッとする。
ホテルで一泊して、実家に戻る前に札幌で親父の知り合いと会うことになっていた。
時間近くになって父からの
「すまない、仕事が入って行けなくなった。
眞のことはわかってるから待っててくれ。」
と言われた時は呆れたけど。
仕事なら仕方ないし、相手が俺を知ってるなら問題ない。
指定されたカフェに入ると、まだ来ていないらしく。
案内された中庭のテラス席で一服しながら待つことにした。
(俺のこと知ってるっても、何話せばいいんだか………。)
心の中では、早く浅葱の家に行きたかった。
ぼんやりと晴れた空を見上げて紫煙を吐き出すと。
「眞くんだね、待たせてすまない。」
かけられた声に顔を上げれば。
そこには父と代わらない世代の男性が笑っていた。
「あ………。はじめまして。」
どことなく懐かしく感じるのはこっちの土地特有の雰囲気だからだろうか?
その人は店員にコーヒーを頼むと向かいに座った。
タバコを消した俺を見て、「気にしなくて良いよ。」と、気遣ってくれた。
「お父さんに、無理言ってすまないね。
どうしても会って話したかったのでね。」
優しそうなその人は、届いたコーヒーを一口飲むと落ち着いたようにふぅ、とため息をもらした。
「いえ………。」
親父と代わらない年代の人は大概娘がファンで、とかサインが欲しいとか、その程度の話だけど。
この人は、何か違う。
直感的にそう思った。
「さて………。」
落ち着いた男性は意を決したように、カップを置くと、まっすぐに俺を見た。
「眞君は、浅葱を知ってるね?」
「………え?」
不意に出てきた名前にハッとする。
今まで、親にも浅葱のことなんて話したことない。
むしろ、仲間にさえ話したことないのに。
「………はい。浅葱を、ご存知なんですか!?」
ずっと得たかった情報を、この人は持ってる。
焦る気持ちを押さえて話すと。
「あぁ。申し遅れた。私は浅葱の父です。」
そう言うと、またコーヒーを一口飲んでいる。
俺も少しずつ汗ばむ掌を握ってコーヒーに口をつけると。
「お父さん………。
そうだったんですね。
浅葱とは、上京する少し前に助けてもらいまして。
それから話をするようになったんですが、上京する日から全く連絡が取れなくなりまして。
………元気にしてますか………?」
なんで、お父さんが来たのに浅葱本人は来ないのか。
もしかして、嫌われたのか。
色んな思考が回ったけど。
浅葱のお父さんはカップを置くと、少しだけ悲しそうに瞳を伏せた。
「そうか………。上京した日から。
じゃあ、上京する日は会えてないんだね?」
確認をするように。
俺に視線を向ける。
「はい………。」
浅葱は、一体どうなったんだろう。
不安がどんどん溢れてくる。
「浅葱は………。元気ですよ。ここから近い所に入院してますが。会いに行くかい?」
元気だけど、入院してることには驚いたけど。
もちろん浅葱には会いたくて。
「はい………!!会わせてください!」
やっと、浅葱を見つけられた。
入院してるからお父さんが会いに来たんだとわかって、嬉しくなった。
元気なら話せる。
嬉しかったんだ。
1年も連絡が取れなくて、浅葱がどうしたかわからなくて。
だから、浅葱に会えるってわかったとき。
会えたら抱き締めたいって。
そう、願っていたのに………。
神様は
無情だ……………。
目まぐるしかったジャパンツアー。
最終公演の札幌も大盛況で幕を閉じた。
やっぱり慣れた北国はいい。
風景も、木々の匂いも、全てが懐かしくて。
ホッとする。
ホテルで一泊して、実家に戻る前に札幌で親父の知り合いと会うことになっていた。
時間近くになって父からの
「すまない、仕事が入って行けなくなった。
眞のことはわかってるから待っててくれ。」
と言われた時は呆れたけど。
仕事なら仕方ないし、相手が俺を知ってるなら問題ない。
指定されたカフェに入ると、まだ来ていないらしく。
案内された中庭のテラス席で一服しながら待つことにした。
(俺のこと知ってるっても、何話せばいいんだか………。)
心の中では、早く浅葱の家に行きたかった。
ぼんやりと晴れた空を見上げて紫煙を吐き出すと。
「眞くんだね、待たせてすまない。」
かけられた声に顔を上げれば。
そこには父と代わらない世代の男性が笑っていた。
「あ………。はじめまして。」
どことなく懐かしく感じるのはこっちの土地特有の雰囲気だからだろうか?
その人は店員にコーヒーを頼むと向かいに座った。
タバコを消した俺を見て、「気にしなくて良いよ。」と、気遣ってくれた。
「お父さんに、無理言ってすまないね。
どうしても会って話したかったのでね。」
優しそうなその人は、届いたコーヒーを一口飲むと落ち着いたようにふぅ、とため息をもらした。
「いえ………。」
親父と代わらない年代の人は大概娘がファンで、とかサインが欲しいとか、その程度の話だけど。
この人は、何か違う。
直感的にそう思った。
「さて………。」
落ち着いた男性は意を決したように、カップを置くと、まっすぐに俺を見た。
「眞君は、浅葱を知ってるね?」
「………え?」
不意に出てきた名前にハッとする。
今まで、親にも浅葱のことなんて話したことない。
むしろ、仲間にさえ話したことないのに。
「………はい。浅葱を、ご存知なんですか!?」
ずっと得たかった情報を、この人は持ってる。
焦る気持ちを押さえて話すと。
「あぁ。申し遅れた。私は浅葱の父です。」
そう言うと、またコーヒーを一口飲んでいる。
俺も少しずつ汗ばむ掌を握ってコーヒーに口をつけると。
「お父さん………。
そうだったんですね。
浅葱とは、上京する少し前に助けてもらいまして。
それから話をするようになったんですが、上京する日から全く連絡が取れなくなりまして。
………元気にしてますか………?」
なんで、お父さんが来たのに浅葱本人は来ないのか。
もしかして、嫌われたのか。
色んな思考が回ったけど。
浅葱のお父さんはカップを置くと、少しだけ悲しそうに瞳を伏せた。
「そうか………。上京した日から。
じゃあ、上京する日は会えてないんだね?」
確認をするように。
俺に視線を向ける。
「はい………。」
浅葱は、一体どうなったんだろう。
不安がどんどん溢れてくる。
「浅葱は………。元気ですよ。ここから近い所に入院してますが。会いに行くかい?」
元気だけど、入院してることには驚いたけど。
もちろん浅葱には会いたくて。
「はい………!!会わせてください!」
やっと、浅葱を見つけられた。
入院してるからお父さんが会いに来たんだとわかって、嬉しくなった。
元気なら話せる。
嬉しかったんだ。
1年も連絡が取れなくて、浅葱がどうしたかわからなくて。
だから、浅葱に会えるってわかったとき。
会えたら抱き締めたいって。
そう、願っていたのに………。
神様は
無情だ……………。